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「4年後にドラフト1位」 打率.371、4本塁打、7打点。青学大・佐々木泰が1年春から結果を残せた理由は?

週刊ベースボールONLINE

合流当初から際立った存在感



青学大の1年生・佐々木泰は駒大2回戦(5月7日)の8回表二死二塁、中飛に凡退して悔しそうな表情を浮かべる。チームも0対1で惜敗。今春は打率.371、4本塁打、7打点で全日程を終えた

 新入生は「お客さん」ではなかった。

 2月末、神奈川県相模原市内の青学大グラウンド。シート打撃ではレギュラー陣と混ざって、精力的な動き。多く高校生が悩むと言われる、金属バットから木製バットへの移行も難なくクリア。右打者の三塁手・佐々木泰(1年・県岐阜商高)の存在感は際立っていた。

 就任3年目の青学大・安藤寧則監督は「全員が戦力」と、1年生にも横一線で試合出場のチャンスがあると伝えていた。珍しいケースだ。なぜならば、ほとんどの大学は、新入生に対して、無理をさせない方針が多い。つまり、体づくりからじっくり、という育成法だ。

 まっさらなユニフォーム。大学という不慣れ環境に馴染んでいこうとする選手たちは、大学2年生以上と比べれば、明らかに「お客さん」に見えるのである。チームのさまざまなルール、しきたりを覚えていくのが先決だからだ。すなわち、多くの大学では1年生を春のシーズンは「戦力」として見ていない。

 しかし、佐々木は次元が違った。完全にチームに溶け込んでいた。主力メンバーだった。

 今春の東都大学リーグは3月29日開幕。連盟規約より、開幕カードは1年生の出場は認められなかった。佐々木は第2週で神宮デビュー。立正大1回戦でリーグ戦初本塁打を放つと、2回戦でも2戦連続アーチ。国学院大との3カード目でも2試合連続ホームラン。6戦4本塁打と、さらなる量産が期待されたが、残る4試合でアーチは出なかった。しかしながら、主に三番として10試合で打率.371、4本塁打、7打点と堂々たる数字を残している。

 シーズン最終戦となった駒大2回戦(5月7日)。2度にわたる得点圏の好機で一本を出せず、佐々木は「チームの勝利に貢献する打撃を目指してきたが、それが、できなかった。課題の残ったリーグ戦」と、悔しそうに振り返った。とはいえ、総合的に見れば立派な成績であり「打撃練習の中から、確率を上げることを意識してきた。それが、結果につながって良かった」と、打率については一定の達成感があったという。

ターゲットは本塁打記録更新


 なぜ、1年春から結果を残せたのか。

 佐々木には大きなモチベーションがある。青学大の先輩・井口資仁(現ロッテ監督)の持つ、東都大学リーグの個人本塁打記録(24)を更新することをターゲットに絞ってきた。県岐阜商高では高校通算41本塁打。昨年8月の甲子園交流試合(対明豊高)でも、豪快な一発を左翼スタンドへ運んでいる。青学大への進学が決まって以降、「25本塁打」は不変の目標である。

 昨年5月20日。夏の地方大会と甲子園大会の中止が発表された。プロ志望届の提出を視野に入れていた佐々木だったが、アピールの機会を失ったことも影響し、大学進学に決めた。

「神宮でプレーすることをイメージして、この舞台で悔しさを晴らしてやろう! と思っていました。引退をしてから、その思いを持ち続けてきました」

 ブレない精神力。決して妥協しない努力の積み重ね。そして「4年後にドラフト1位でプロへ行く」という一貫とした信念がある。

 2014年秋以来の一部復帰となったこの春の青学大は、5勝7敗で全日程を終えた。すでに5位以上を確定させ、秋も一部で戦うステージが待つ。佐々木は「神宮でプレーするチャンスがある。日本一を目指して、チームに貢献していきたい」と早くも先を見据えた。

 佐々木は、神宮に映える青学ブルーがよく似合う。大学野球は4年8季。残り7シーズン、チームの勝利を目指した上で、記録に挑戦する佐々木のフルスイングから目が離せない。

文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎

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