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部下のやる気を削がず、高い業績目標を納得させる〈前編〉(前川孝雄)

J-CAST会社ウォッチ

パワハラやセクハラなどハラスメント防止の法整備が進んでいますが、企業では貴重な人材の採用・定着・育成のためにこそ、ハラスメントが起きにくい組織風土創りが求められます。

多くの上司層は悪気がないにも関わらずハラスメント・リスクを冒しがちです。またハラスメント・リスクを恐れて部下とのコミュニケーションが希薄になる職場も増えつつあります。こうした背景を踏まえて、本連載では管理職や経営者など上司層に向けてハラスメントを予防する上司力について解説します。

「ハラスメントが起きにくい職場を創る」シリーズの第5回と6回では、業務目標の指示をめぐる場面での対応CASEから考えましょう。

CASE 「とにかく目標必達で頑張ってほしい!」

◆ CASE 「とにかく目標必達で頑張ってほしい!」

【上司】「残念ながら、第1四半期の当課の営業目標の達成率は7割止まりだった。このままでは、半期目標の達成は望めない。そこで、この第2四半期で確実に挽回できるように、目標を3割増しに修正して何とか頑張りたい。メンバーごとに月次目標を振り分けたので、明日からぜひ取り組んでほしい」
【Aさん】「課長…、ひと月でこの数字はとても無理です。いまでも手一杯ですから……」
【上司】「はじめからそんな弱気でどうする! 市況は厳しいが、各自がどれだけ頑張れるかが勝負だ」
【Aさん】「これ以上稼働日数は増えないのですから、前期の結果をもとに現実的な予想を立てないと、また達成は難しいかと……」
【上司】「それでは当初目標の意味がないだろう! まず、前期よりスピードを上げて1日の営業件数を増やし、決めたからには少々厳しくても全力で取り組む。ここぞという所では、不眠不休でやり切るくらいの気概が必要だ。とにかく目標必達で頑張ってほしい!」
【Aさん】「……(もう限界だと言ってるのに!)……」

《解説》

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全社的な年度営業目標が示され、営業本部から各課に目標が割り振られて、その達成状況を四半期ごとに集約し今後の策を練る……。そうした中で、課の前四半期目標が未達だったことから、上司(課長)のあなたは次の四半期目標を引き上げて、部下に挽回を指示しました。

ところが、部下はこれ以上無理だとして、現実的な目標に下げようと提案します。しかし、全社目標とのあいだで板挟みのあなたは、まずは目標達成への努力が先だとして、部下に必達を促しますが……。

【ハラスメント・リスク】

上司にとって、所管の業績目標達成は、常に頭を離れない課題です。部署の業績が伸び悩む中で、これまでの不振を何とか取り戻そうとすれば、部下に難度の高い努力目標を下ろさざるを得ない場面もあるでしょう。

しかし、注意すべきは、部下がこの指示を物心両面で許容を超えた過酷で理不尽な内容と受け止めるリスクです。

その場合、部下から「過大な要求」(遂行不可能なことの強制)のハラスメントにあたると指摘を受ける恐れがあります。特にCASEのような、「少々厳しくても全力で取り組む」「不眠不休でやり切る」「目標必達で頑張る」などの、精神論で一方的に押し付ける姿勢や言動は慎むべきです。

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