解説
「本屋大賞2017」にノミネートされた川口俊和の同名ベストセラー小説を、有村架純の主演で映画化。時田数が働く喫茶店「フニクリフニクラ」には、ある席に座ると望み通りの時間に戻れるという不思議な噂があった。過去に戻るには面倒なルールがいくつもあったが、その全てを守った時、優しい奇跡が舞い降りるのだという。今日も店には、噂を聞きつけてやって来たキャリアウーマンの清川二美子や、訳あり常連客の高竹佳代と房木康徳、なぜか妹から逃げ回っている平井八絵子ら、それぞれ事情を抱える人々が訪れてくる。タイムスリップの引き金になるコーヒーを淹れることのできる数も、近所の美大生・新谷亮介に導かれるように、自分自身の秘められた過去に向き合っていく。
(提供元:映画.com)
三度の飯より映画ファンさん ★★★☆☆
「4回泣ける」というキャッチコピーが波紋を読んだ本作ですが、やはり勝手にそんなこと決めつけられても、と思うのが人の性分。私もそれがあったせいで本作をすぐに観ようと思てなかったのですが、観たら想像以上によかったです!
まず、ポスタービジュアルと映画のビジュアルが全然違う。美術に結構こだわりがあり、何よりコーヒーを飲んで過去にタイムスリップするシーンは幻想的でとても綺麗でした。多分本当に役者さんたちが水中にいる画をとって背景を合わせたのかな……とか、製作のデザインが気になります。
物語も、シンプルに良い話。原作小説の『コーヒーが冷めないうちに』と続編の『この嘘がばれないうちに』が合わさっていて、特に吉田羊演じる姉が良いキャラクターでした。それぞれの話を描いていくなかで、タイムスリップをする席にずっと座っている“幽霊”(石田ゆり子)の秘密や、そこで働く時田(有村架純)のエピソードが語られ、「あ〜そういうことだったのね!」というスッキリ感は味わえます。
監督はドラマ『Nのために』や『アンナチュラル』、『MIU404』などの演出を手がけてきた塚原あゆ子。本作が初監督作品ですが、これまで手掛けてきた作品の系統が似ているので納得です。
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