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東京ドームの秘密の道場、“原の穴”が巨人を支えている?/川口和久WEBコラム

週刊ベースボールONLINE

育成とともに見極めにも



巨人の3連覇はあるのか

 東京ドームの奥の奥に、秘密の部屋があるのをご存じだろうか。
報道陣も足を踏み入れることができないのが、監督室だが、さらにその横にある小さな部屋だ。
 ドアを開けると、ピッチングマシンと鳥かご(ケージ)があり、原辰徳監督がシーズン中、気になった選手がいると、ここに呼んで打撃指導をする。

 対象はやはり若手選手が多いが、俺はコーチ時代、ここで指導されたあと、見違えるほど打ち始めた選手を何人も見ている。

 今季序盤、巨人は故障者やコロナ禍で主力選手が抜けた中で野手をやり繰りし、独走しそうな阪神を追い掛けている。
 今季だけでなく、原野球における野手のやり繰りのうまさは定評があるが、その秘密の一端がこの部屋にあると思う。

 俺も見たことがあるが、監督だからと別に偉そうにアドバイスするわけじゃなく、かなり懇切丁寧にやっていた。
 漫画のタイガーマスクでプロレスラー養成の秘密組織「虎の穴」というヤツがあったが、俺は、ひそかにここを「原の穴」だなと思っていた(ネーミングのだささには目をつむってほしい。ほかに思いつかなかった)。

 選手は不振になると、相手投手のデータやクセばかりを気にし出すが、正直なところ、調子の悪いときに相手のことばかり気にし出すと、頭でっかちになって逆に不振が長引く傾向がある。
 一番いいのは、自分のいいときも悪いときも見ている人のアドバイスだと思う。落合博満さんも、ずっと見ている打撃投手とよく話していた。体の開きとか、いいときと悪いときの違いを聞いていたんだと思う。話によると、ベテランのカメラマンにも聞いていたらしいね。
 映像がある、と思うかもしれないけど、自分の感覚と実際の差って、1つや2つの映像だけだと分からないときがある。長く見ている第三者の目は確かに大事だ。

 原監督は、いつもしっかり見ているし、相手が監督だと、選手も言われたことをしてうまくいかなきゃ仕方ないと割り切れるのもいいね。

 あと原監督は起用する立場でもあるから、指導しながら選手の観察もしてると思う。この選手はこういう状態だから使える、こういう癖が出てきたから二軍に落とそうとかね。
 巨人の厚い選手層があってこそではあるが、この眼力があるから、あれだけ野手を目まぐるしく、しかも思い切って起用できるんだとも思う。

写真=BBM

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