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世界が絶賛! 自閉症の世界を体感できる映画『僕が跳びはねる理由』東田直樹氏インタビュー

パラサポWEB

世界自閉症啓発デーの4月2日に、自閉症者の思考や感覚を体感できる映画『僕が跳びはねる理由』が封切られました。サンダンス映画祭など海外の映画祭で絶賛され、世界的な映画評論サイトRotten Tomatoesで驚異的な高評価を獲得している本作は、日本国内でも文部科学省特別選定作品に選ばれるなど、大きな注目を集めています。そこで今回は、映画の原作者である東田直樹氏にインタビュー。自閉症当事者である東田氏に、自閉症の世界を教えてもらいました。

自閉症って? そもそも“普通”という基準があいまい

自閉症は、発達障がいの1つ。相互的な対人関係の構築が難しい、集団に馴染めない、コミュニケーションが苦手、言葉の発達が遅い、強いこだわりがある、変化が苦手、感覚過敏、などの特徴があり、1〜3歳頃からいずれかの特徴が現れると言われています。明確な原因は解明されておらず、生まれつきの脳機能障がいであると考えるのが一般的なようです。
現在は、自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群の3つをあわせて「自閉症スペクトラム障がい」または「自閉スペクトラム症」という名前で呼ばれ、日本での自閉症の発生頻度はおよそ100人に1人、自閉スペクトラム症は10人に1人と言われています。近年、通常の学級に在籍しながら特別支援教育を受けている自閉スペクトラム症の児童生徒の数が増えており、一昔前よりも身近な存在になりつつあります。

「普通という概念は、基準があってないようなものです。自分では普通だと思っていても、人からは普通に見られていない人、反対に、自分では普通ではないと思っていても、人からは普通に見られている人もいます。
自閉症という概念も“スペクトラム(=曖昧な境界を持ちながら連続していること)”と表現されるようになり、自閉症者と普通の人の境界が、かなりあいまいです。
今の僕が考える“自閉症者と普通の人の違い”は、自閉症である自分を自覚しているかどうかだと思っています。自分が自閉症だと自覚している人が自閉症者であり、自分が自閉症だと自覚していない人は自閉症者ではない。他の人から『あなたは自閉症者だよ』と言われたとしても、自分自身がそう思っていなければ、自分が自閉症者だと公言する必要も、自閉症者だと呼ばれる必要もないでしょう」

そう話してくれたのは、会話のできない重度の自閉症でありながら12歳で作家デビューした東田直樹さん。現在は、ベストセラー作家として世界的に知られる存在です。

東田さんは、どのように現在の表現力を身に付けたのか?

今回、文字盤ポインティングという技法を使ってインタビューに応えてくれた東田直樹さん。作品を書いている時が何よりも楽しいそう。「たとえば詩を書いているときには、詩の世界観の中に入り込み、僕は別の人間になっています。自分ではない人間や動物になりきって、ものを考えるというのは、自分の枠にとらわれず創作できるので楽しいです」

「僕は、幼い頃から親の言うことも聞かず、いつも動き回っていました。少しでも目を離すと、僕がいなくなってしまうので、両親は大変だったと思います。人に話しかけられても返事どころか、うなずくことさえできませんでした。コミュニケーションが全くとれず、奇声を上げ、コマーシャルのフレーズや意味不明の言葉をつぶやく僕を心配して、両親は僕を病院に連れて行ったり、言葉の教室に通わせてくれたりしました。けれど自閉症の症状は改善されず、こだわりやパニックは増えていくばかりだったのです」

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自閉症のお子さんは意思の疎通が難しく、親であっても考えていることや感じていることなどを理解できずに困ることが多いそう。では、重度の自閉症である東田さんは、どのような幼少期を過ごし、一体、どうやって現在の表現力を身につけたのでしょうか。

「小学校に入る頃になり、ようやく“お名前は?”と訊かれると“東田直樹です”と言えるようになりましたが、“名前は何ですか?”など少しでも訊き方が違うと僕は答えられませんでした。そんな僕でしたが、言葉には興味があり、外で目にした看板や陳列してある商品名などはすぐに記憶できました。記憶すると書かずにはいられず、家に帰って覚えた文字をお絵かきボードに書き写しました。人差し指をつかい、空中に文字を綴ることもありました。
これだけ言葉に興味があるなら、話せなくても思いを伝える方法が何かあるのではないか、母はそう信じていたようです。挫折しながら試行錯誤を繰り返してたどり着いたのが、“文字盤ポインティング”という方法です。
僕は理解できないから話せなかったわけではなく、話そうとすると頭の中が真っ白になっていたのです。練習を重ねた結果、文字盤に書かれたキーボード並びのアルファベットを指しながら声を出すという方法で、自分の思いを人に伝えられるようになりました」

こうして文字盤ポインティングを習得した東田さんは、それまで理解されにくかった自閉症者の内面や思考、感情について、自分の言葉で家族に説明したそう。

「障がいそのものは治らなくても、両親は僕の行動の理由がわかり、落ち着いて僕を見守ることができるようになったと言います。頭ごなしに叱られることも少なくなりました。
すべての自閉症者が僕と同じとは限りませんが、親や家族、支援者、学校の先生、友達など当事者との関係性で悩んでいる人たちが、自閉症者の気持ちを知ることで、少しでも気持ちが楽になることを願い、エッセイ本を出版しました」

家族であっても知ることができなかった自閉症者の心のうちを、13歳らしい言葉で綴ったエッセイ『自閉症の僕が跳びはねる理由』。この1冊が、世界中に衝撃と感動をもたらします。

大きな声を止めるのは、自分の首を絞めるくらい苦しい

『自閉症の僕が跳びはねる理由』は、自閉症の人の独特な行動や心情をわかりやすい言葉で説明している本です。

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