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街のチケットショップから「目玉商品」が消える! 新幹線の回数券廃止でJRが狙うコスト削減 

J-CAST会社ウォッチ

東京ならJR新橋駅周辺、大阪なら大阪駅前ビル地下に集まるチケットショップ。商品券やプリペイドカードなどをカウンター越しに販売していて客足が絶えないが、なかでも「目玉商品」は新幹線の回数券だろう。

6枚セットの回数券を1枚単位で販売しており、通常期の「のぞみ」で東京-新大阪の指定席に乗車すれば正規なら1万4720円だが、チケットショップで回数券を買い求めれば割安だ。

ところが、JR各社は、この新幹線回数券を順次廃止しており、こうしたチケットショップの光景もあとわずかとなりそうなのだ。

東海道新幹線の回数券は来年3月末で終了

JR東海は、東海道新幹線の「東京-新大阪」「東京-名古屋」など計16区間の回数券について、2022年3月31日の販売分をもって終了すると発表した。

すでに東海道・山陽新幹線では2021年3月31日をもって、「東京-静岡」「東京-小倉」の指定席回数券や「東京-京都」のグリーン席回数券などの計46区間の販売を終了しており、22年4月以降は東京と山陽新幹線の駅を結ぶ指定席回数券や、比較的短い距離の自由席回数券などだけが残ることになりそうだ。

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ドル箱路線で回数券の流通枚数も多い「東京-新大阪」「東京-名古屋」では、指定席もグリーン席も販売が終了することになる。有効期間は販売日から3か月なので、いずれチケットショップの店頭からも姿を消すことになり、経営が厳しくなる店舗も出てきそうだ。

JR各社が新幹線回数券を順次廃止しているのは、インターネット予約への移行を進めているからだ。東海道新幹線では、年会費が必要(1100円)で割引率が高い「エクスプレス予約」が2001年に始まり、その後に割引率は低いが、年会費不要の「スマートEX」も加わった。これらは事前に設定したICカードで改札を通過する仕組みで、東海道新幹線では指定席利用者の半数近くがインターネット予約を利用しており、回数券の需要は減ってきていたという。

コロナ禍でコスト削減が急務に……

インターネット予約が増えて紙の切符の利用が減ると、JRにとってはコスト削減の効果が期待できる。切符売り場の係員の人件費や自動券売機の台数を減らせるだけではなく、メンテナンスに手間がかかる紙の切符にも対応した自動改札機をICカード専用のタイプに変更できる。JR各社がインターネット予約を盛んに宣伝するのは、こうした理由があるためだ。

もっとも今回の回数券廃止は、コロナ禍で新幹線の利用そのものが激減していることと無関係ではないだろう。

2020年度の東海道新幹線の利用者数は前年度比67%減と3分の1にまで落ち込んだ。出張者のために企業がまとめて購入することが多い新幹線回数券も、コロナ禍による出張の減少でそもそも需要が減少した。しかも、オンライン会議の爆発的な普及によって、コロナ禍が収束したとしても出張の回数がコロナ前の水準には戻りそうにない。

コロナ禍で乗客が減少しているJR各社には、社員を一時帰休させるだけではなく、グループ外への数年単位の出向まで踏み込む会社も出てきた。定時の大量輸送を前提にして、それに見合う従業員数を抱え、投資もしてきたJR各社にとって今回のコロナ禍は発足以来の危機だ。新幹線回数券に限らず、JRは変化を迫られている。(ジャーナリスト 済田経夫)

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