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『82年生まれ、キム・ジヨン』著者、大注目の最新作は「シスターフッド小説」

BOOKウォッチ

ミカンの味(朝日新聞出版)<amazonで購入>

 『82年生まれ、キム・ジヨン』 著者×『アーモンド』 訳者の最強タッグで贈る、大注目の韓国文学作品『ミカンの味』(朝日新聞出版)が4月20日に発売された。

 『82年生まれ、キム・ジヨン』は、韓国で130万部超を記録し、世界中にフェミニズム文学のムーブメントを起こした異例の大ベストセラー小説。『アーモンド』は韓国で40万部超を記録し、日本では2020年本屋大賞翻訳小説部門第一位に選ばれている。

 『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者チョ・ナムジュさんの最新作『ミカンの味』は、主人公の女子中学生4人がある約束を守ろうと連帯する「シスターフッド小説」。少女たちが交わした約束をめぐる展開を軸に、それぞれの生い立ちや現在を交互に語る形で物語は展開していく。

 「空と海も区別できない、恐ろしく黒い夜。その夜のように茫漠としていた心。互いの本心だけなく自分の本心もはっきりわからなかった」

いつも一緒にいる4人

 あらすじは以下のとおり。

 中学校の映画サークルで出会ったソラン、ダユン、ヘイン、ウンジは、「いつも一緒にいる4人」として学内で知られている。

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 幼なじみとの関係が突然終わってしまった傷を抱えるソラン。教師からの期待が大きく、学校一モテるのにいつも寂しいダユン。古くさい父親と突然の困窮にイラ立ちを募らせるへイン。理由がわからないまま仲間外れにされた経験を引きずるウンジ。

 中学3年生になる直前、済州島に行った4人は衝動的にある約束を交わし、タイムカプセルに入れて埋める。未来が変わるかもしれないこの約束の裏には、さまざまな感情と計算による四者四様の理由が隠されていた――。

危うさもはらんだ連帯

 言葉にできない感情の狭間で揺れながらも何かを摑もうともがく少女たちは、やがて連帯していく。危うさもはらんだ連帯の姿を、社会学者の春木育美さんはこう表現している。

 「目的が違ったとしても、自分の意思と反する抑圧に抗いたいという思いに共感することはできる。そして、「仲間」とともに「連帯」し、励まし合うことで、より良い方向へと一歩前進することができるかもしれない。『ミカンの味』は、そんなエールを子どもや大人たちに投げかけてくれる作品である」
画像は、漫画家・海野つなみさん、フリーアナウンサー・宇垣美里さんから寄せられた声。(提供:朝日新聞出版)
画像は、全国の書店員から寄せられた声。(提供:朝日新聞出版)

 「まるで自分のことが描かれているかのようだ」と、女性たちからの高い共感と支持を集めてきたチョ・ナムジュさん。本書では、少女たちを優しく見守るような語り口で書いている。

 青いミカンが熟して色づくように成長していく少女たち。本書は、少女たちと同世代の人も、かつて中学生だった人も、主人公の姿に自分を重ねて読める物語。どんな感情が込み上げてくるか、どんなミカンの味がするか……。本書を読んで、ぜひ確かめてみてほしい。


■著 チョ・ナムジュさんプロフィール

 1978年韓国・ソウル生まれ。梨花女子大学社会学科卒。卒業後は放送作家として社会派の「PD 手帳」「生放送・今日の朝」など、時事・教養番組を10年間担当。2011年長編小説『耳をすませば』で文学トンネ小説賞に入賞し、文壇デビュー。16年に発表した『82年生まれ、キム・ジヨン』は韓国で130万部を超える大ベストセラーになり、25の国と地域で翻訳されている。

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