異色の2.5作品? 佐藤流司主演「笑ゥせぇるすまん」THE STAGE、原作の魅力を徹底解説

2021年3月26日(金)に開幕予定の「笑ゥせぇるすまん」THE STAGE。コロナ禍の影響で一度は上演中止となった同作だが、約1年ぶりの再始動が発表され、ファンを湧かせている。

2020年に発表された“主演・佐藤流司”の一報には、驚いた方も多いのではないだろうか。原作を見る限り、彼は自身が演じる喪黒福造(もぐろふくぞう)とは似ても似つかないし、キャラクターやストーリーも従来おなじみの“2.5次元”のイメージと大きく異なる。

そこで今回は、原作へのリスペクトと舞台版への期待を込めて、「笑ゥせぇるすまん」とはどんな作品なのか、この作品のユニークな魅力をご紹介しよう。

原作は藤子不二雄Aの漫画

原作「笑ゥせぇるすまん」は、藤子不二雄Aによる同タイトルの漫画作品である。1968年に読み切り作品「黒イせぇるすまん」として初公開され、後に改題して青年漫画誌に連載。TVアニメとしても一世を風靡した。

TVアニメ版がスタートしたのは、昭和から平成へと元号が切り替わる1989年。大人向けバラエティ番組の1コーナーとして、毎週10分ほどの短い枠で放送された。

独特のスタイルで語られる物語の数々は、大人のみならず子供たちにも人気を博し、主人公・喪黒福造の「ドーン!」という決め台詞の流行は社会現象にもなった。

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珠玉のブラックユーモア、あらすじは?

【「笑ゥせぇるすまん」THE STAGE上演決定

】昨年残念ながら上演叶わなかった「笑ゥせぇるすまん」THE STAGEですが、今年3月26日(金)~4月11日(日)に品川プリンスホテル ステラボールにて上演決定!また、昨年公開したビジュアルに加え、新たなビジュアルも公開です。https://t.co/kphmZT6QW0 pic.twitter.com/4sYdHnJPPQ

— 「笑ゥせぇるすまん」THE STAGE (@warauTHEstage) January 24, 2021

原作「笑ゥせぇるすまん」の作風は、一言で言えば「ブラックユーモア」だ。

ストーリーは毎回一定のプロット(構成)に沿って作られており、SFショートショートの要素もあれば、イソップ物語のような寓話的な一面も持っている。

主なあらすじは…?

風変わりな自称セールスマン・喪黒福造が、バーや街なかで出会う誰か(人物A)に声を掛ける。

人物Aは「恋愛がうまくいかない」「ギャンブル癖が治らない」といった悩みを抱えており、そんな人物Aに対して喪黒が持ちかける妖しげな取引が物語の軸となる。

喪黒は、恋愛の悩みには「無条件に愛される惚れ薬」、ギャンブルの悩みには「お金が次々と涌いて出る置物」など願いを叶えるアイテムを与える代わりに、人物Aに何らかの禁則事項を言い渡す。

その禁則事項は、一見とても簡単に守れそうなことだ。例えば、「惚れ薬は特定の相手にしか使ってはいけない」「置物からお金を取り出すのは1日1回だけ」といった具合で、人物Aはほとんどの場合、喜んで条件を受け入れる。

この時点でかなり妖しい雰囲気だが、ここからが物語の本番である。

多くの場合、人物Aは約束を破ってしまう。本人の軽率な意思が原因となる場合もあれば、偶然の出来事や周囲の悪意など、コントロールできない原因が生じる場合もある。

事情はどうであれ、喪黒は決して容赦しない。超人的な力で契約違反を見抜き、どこからともなく現れては、“代償”として人物Aの人生を一瞬にして奪うのである。

そして、ほとんどの場合、人物Aは破滅的なエンディングを迎える。喪黒は不気味な笑みを浮かべ、人間の業の深さに呆れながらどこへともなく消えていく……。

という一連のプロットが、さまざまな設定で繰り返し語られる。これが「笑ゥせぇるすまん」の基本パターンだ。