原作ではスキンヘッドの男性、芹沢達也にスポットをあてたセレクト版『らーめん才遊記の芹沢さん』(小学館)

【画像】えっ! 「せめて髪剃って」「だんだんパワハラ親父に見えてくる」 これが実写版の性転換した「ラーメンハゲ(?)」です(5枚)

幅広い人に見てもらうためには仕方ない?

 2024年の春ドラマの『ACMA:GAME』や『からかい上手の高木さん』のように、マンガの実写化ドラマが放送されるのは毎クール当たり前のようになりました。しかし、原作マンガのイメージが強いキャラクターを演じるのは、俳優にとって難しいところもあるでしょう。

 しかも映像化されるにあたり、男性が女性に変更されることもありました。今回は男性から女性へと性別を変更された、3組のキャラクターについて振り返りましょう。

 性別が変更されたキャラクターといえば、2020年に放送されたドラマ『行列の女神~らーめん才遊記~』に登場する芹沢が忘れられません。原作は2009年から2014年まで「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で連載された、グルメマンガ『らーめん才遊記』(原作:久部緑郎、作画:河合単)です。

 本作はラーメン向けフードコンサルティング会社「清流企画」を舞台に、さまざまなラーメン店の課題を解決していくなかで起こる騒動が描かれる物語です。原作では「清流企画」の社長「芹沢達也」は、ファンの間で「ラーメンハゲ」とも呼ばれ愛されるスキンヘッドの男性ですが、ドラマでは鈴木京香さんが演じる女性キャラ「芹沢達美」に変更されていました。この変更についてドラマのプロデューサーを務めた中川順平さんは、公式HPに「あの鈴木京香さん本来のイメージとは、ものすごくギャップがあるのですが、だからこそぜひ見てみたいと思いました」とコメントしています。

 ファンからは「なんで性別変えるの」「せめて髪は剃って」「スキンヘッドに意味があった(ラーメンに毛が入らないようにしている)のに!」と否定的な声があがる一方で、「別物として見るとよくできている」「性別変更が心配でしたが、原作の意を汲んで芹沢のこだわりの強い性格を活かした良作でした」と評価する声も出ています。

 また原作ファンからは「ビジネスの厳しさを知っているラーメンハゲなら、ヒットさせるために性別変更を受け入れそう」など、芹沢が実在したら了承しただろうという意見もありましたが、やはり「性別変更が受け入れられない」と、設定変更のせいでそもそも見なかった人も多かったようで、近年の物議を醸した代表例となりました。

 もう少し昔の例では、2002年から「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で連載されていたマンガ『医龍-Team Medical Dragon-』でも、実写ドラマ化する際に性別が変えられたキャラクターがいました。本作は大学病院が舞台で、坂口憲二さん演じる主人公の天才外科医「朝田龍太郎」を中心に、野心あふれるキャラクターが多く登場します。

 救急救命部(ER)の「鬼頭直人」教授もそのひとりで、朝田の手術の腕に惚れて彼をERに引き抜こうと画策します。原作マンガでは、ロン毛で自信満々に見える男性として描かれていますが、ドラマでは「鬼頭笙子」と名前を変え、夏木マリさんがその役を演じていました。

 夏木さんが演じた鬼頭に対して「肉体派の鬼頭が女性に変更になって、違和感しかなかった」というファンの批判もあれば、「性別変更は許さない派だけど、夏木マリさんの演技は原作の鬼頭以上の迫力を感じた」「『私に不可能はない!』といってオペに臨む夏木マリさんはかっこよかった」など、夏木さんの演技を称賛する声が見られました。

 そのほか、「モーニング」(講談社)で1999年から連載されていたマンガ『カバチタレ』では、主人公の「田村勝弘」が実写ドラマ化に伴い、常盤貴子さん演じる「田村希美」に変更されました。また田村だけでなく、田村の先輩である「栄田千春」は、名前はそのままで、深津絵里さん演じる女性になっていました。

 本作はセクハラ社長からクビを言い渡された希美が、病院で偶然出会った千春から受け取った書類を内容証明で送ったところから始まります。その結果、社長からの書留で大金を受け取った希美は、千春の正体が何者なのか興味を持ちました。千春の正体は、代書屋と呼ばれる行政書士だったのです。

 性格も環境も正反対のふたりが、行動をともにしていくなかで信頼関係を深めていくストーリーに「対象的な魅力のある常盤ちゃんと、深津ちゃんのコンビが愛らしくて素敵だった」「毎週楽しみにしていたドラマで、今観てもやっぱり面白い。 常盤貴子も深津絵里も両極な方向で魅力的すぎるし、掛け合い素晴らしい」との声が見られます。

 とはいえ、主要キャラふたりの性別が変更になった本作に対して「原作ファンとしては女性化したことで元のキャラの凄味が消えてしまった」と批判するファンもいました。それでも「原作のままだとおっさん臭くなっていただろうから、女性化して正解だったと思う」など、性別変更を前向きに捉える意見もあります。ちなみに、2010年のドラマ『特上カバチ!!』では田村役を櫻井翔さんが、栄田役を高橋克実さんが演じており、原作通り男性がキャスティングされていました。