photo:Zoltan Tasi(Unsplash)

※本稿は『ONE PIECE』原作最新話までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。

 『ONE PIECE』には出自も正体も分からないキャラクターが数多くいるが、“黒ひげ”ことマーシャル・D・ティーチはその筆頭と言えるだろう。以前から重要人物であることが匂わされているものの、いまだにその核心に触れられたことはない。

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  しかし2月19日発売の『週刊少年ジャンプ』12号(集英社)に掲載された第1107話で、ついに黒ひげの「血筋」に関する言及が飛び出し、読者のあいだでさまざまな考察を呼んでいるようだ。

  現在連載中の「エッグヘッド編」では、Dr.ベガパンクの根城であるエッグヘッド島を舞台に、「麦わらの一味」と五老星の一角、ジェイガルシア・サターン聖が衝突している。そこへ乱入してきたのが、「黒ひげ海賊団」のカタリーナ・デボンとヴァン・オーガー。わずかな接触ではあったものの、デボンが黒ひげを“特別な存在”と認識していることを語り、サターン聖が「血筋もな」と返すという意味深なシーンが描かれていた。

  この場面から窺い知れるのは、黒ひげが何かしらの意味で特別な人物をルーツにもっているということだろう。具体的な名前は挙がっていなかったものの、その候補として有力だと思われるのが、ロックス・D・ジーベックだ。

  ロックスは、海賊王ゴール・D・ロジャー最大の宿敵とされた海賊。世界最強と称された「ロックス海賊団」を率い、若き日の白ひげやビッグ・マム、カイドウなどを船員として従えていた。ロジャーとはまた別の意味で伝説の海賊なのだが、黒ひげは何かとロックスを意識しているような描写がある。

  たとえば黒ひげは、ロックスの名前を自分たちの船につけている。その名も「サーベルオブジーベック号」、直訳すれば“ジーベックの剣”だ。また「黒ひげ海賊団」が拠点としている海賊島「ハチノス」は、かつて「ロックス海賊団」が結成された島だった。

  さらにロックスには「世界の王」になるという野望があったが、今回のエピソードでデボンとオーガーは「黒ひげ海賊団」の真の狙いを「世界」だと語っていた。こうした共通点から、「黒ひげはロックスの息子ではないか」という説が信ぴょう性を帯びつつある。実際にロックスは本編から38年前に死亡しており、黒ひげは40歳なので、親子であってもおかしくはない年齢差だ。

黒ひげはロックス本人という説も

  黒ひげがロックスの息子という特別な血筋であるとすれば、凶悪な海賊たちが仲間になり、従順に従っていることにも説明が付くだろう。第1107話ではカリブーが憧れを口にしていた「あのお方」が黒ひげであることも明かされており、ますますその可能性が濃厚となっている。

  他方で、黒ひげとロックスの関係については、親子ではなく“本人”だという説もある。かつて黒ひげは、エースに「人の倍の人生を歩んでる」と指摘されていた。これは黒ひげが不眠であることを指したセリフとも取れるが、もしかするとロックスの人格が黒ひげのなかで生きていることを示唆していたのかもしれない……というわけだ。

  そもそも黒ひげは身体の構造が異形だとされており、「黒ひげ海賊団」の旗に3つのドクロが描かれていることから、3つの頭をもつ「ケルベロス」に近い存在とも考察されていた。すなわち黒ひげの身体に3つの人格が宿っており、そのうちの1つがロックスだ……という風に考えられるのだ。もし黒ひげがロックス本人だとすれば、「サーベルオブジーベック号」の命名や「ハチノス」を拠点としていることなども納得がいくだろう。

  ただしその場合、サターン聖による「血筋」発言には謎が生まれてしまうため、やはり2人の関係は親子もしくは親族と想定して考察するべきなのかもしれない。

  新たな情報が出てきたものの、黒ひげの正体についてはまだまだ謎が多い。全貌が明かされるのは、どのタイミングになるのだろうか。

(文=キットゥン希美)