マリンフォードでの戦いが視聴できる「ONE PIECE ワンピース 14thシーズン マリンフォード編 piece.14」(エイベックス・ピクチャーズ)

【画像】え…っ? これなら死なずに済んだ? こちらが「別の職業を選んでいた場合」のエースです(4枚)

「失ったものしかない」ファンを悲しみの底に落とした人気キャラの死

 多くのマンガやアニメでは、人気ながらも物語の途中で命を落としてしまうキャラクターが登場します。惜しキャラの死はただでさえつらいですが、その「死に方」が納得できないものであれば、その思いは強くなるかもしれません。この記事では、人気マンガのなかで「衝撃的な死」が物議をかもしたキャラを振り返ります。

ポートガス・D・エース(『ONE PIECE』)

 大人気マンガ『ONE PIECE』に登場するポートガス・D・エースは、主人公モンキー・D・ルフィの義兄で、若いながらも白ひげ海賊団の2番隊隊長を務めるほどの実力者でした。

 そんなエースは白ひげ海賊団内で「仲間殺し」の罪を侵したマーシャル・D・ティーチを追いかけていましたが、彼との決闘に敗れ、海軍にその身柄を引き渡されてしまいます。実は海賊王ゴール・D・ロジャーの息子だったエースは公開処刑されることとなり、白ひげ海賊団は海軍からエースを奪還しようと海軍本部のあるマリンフォードに駆け付け、さらにルフィや大監獄インペルダウンから脱走した海賊たちも乱入し、「マリンフォード頂上戦争」が起こりました。

 海賊と海軍の両方に多大な犠牲を出しながらも、ルフィたちはなんとかエースの奪還に成功しますが、海軍大将「赤犬」から「『白ひげ』は所詮…先の時代の『敗北者』じゃけェ…!!!」という言葉を聞いたエースは、オヤジと慕う白ひげを侮辱されたことに憤り、逃げるのをやめ「この時代の名が!!!『白ひげ』だぁ!!!」と赤犬に立ち向かいます。

 しかし、赤犬の「マグマグの実」の能力はエースの「メラメラの実」の力を凌駕し、赤犬はエースのそばにいたルフィの命を狙おうとします。そんな赤犬からルフィを庇い、エースは赤犬に体を貫かれて死んでしまいました。そしてエースの死後、頂上戦争の場に突如現れた黒ひげ海賊団の総攻撃がとどめとなり、白ひげ自身もまた命を落としてしまったのでした。

 この衝撃的な死に、ネット上では多くのファンから声があがっています。人気キャラであるエースが死んでしまった衝撃はもちろんのこと、「あそこで赤犬をスルーできないのがエースの魅力であり弱点」「助かったのに納得いかん」「白ひげが命を懸けてエースを逃がしたのに、その本人が死んでしまうなんて悲しい」「海賊側も海軍側も失ったものしかないのでは」など、悲しみや衝撃の意見が多く見受けられました。

※ここから先の記事ではマンガ『ゴールデンカムイ』の、まだアニメ化されていない範囲のネタバレを含みます。

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「死の理由」について作者も言及?

日向ネジ(『NARUTO-ナルト-』)



あの人気キャラも……画像はTVアニメ『NARUTO-ナルト- 疾風伝』ビジュアル (C)岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ

 岸本斉史先生による大ヒットマンガ『NARUTO-ナルト-』の日向ネジも、その死が多くの物議をかもしたキャラクターです。ネジは、のちに主人公のナルトの妻となる日向ヒナタの親戚にあたる少年で、物語初期には宗家の人間であるヒナタと分家の人間であるネジとの確執も描かれていました。

 ネジは分家の出ながら「日向家始まって以来の天才」といわれ、物語初期は落ちこぼれた者を見下すなど、キツい性格が目立ちます。しかし、ナルトと関わりができたことでその性格は軟化し、整ったビジュアルとクールな性格で人気キャラクターとなりました。そんなネジでしたが、「忍界大戦編」でヒナタとナルトをかばい、突然命を落としてしまったのです。

 ネジの死について、2014年12月に放送されたTV番組『漫道コバヤシ』のなかで、作者の岸本先生がその理由を語っています。岸本先生によれば、ナルトとヒナタが結ばれるという構成を考えており、そのきっかけを作るためにネジを死亡させることを決めたのだそうです。

 SNS上では「ふたりのキューピッドになんてならなくていいから、死んでほしくなかった」「ネジが死んでから、一時期『NARUTO』が読めなくなった」など、今もネジの死に納得できないファンの声が見られました。しかしその一方で「ネジの死は、ナルトが精神的に成長するために必要不可欠だった」と、この展開を支持する意見もあります。

牛山辰馬(『ゴールデンカムイ』)

 2024年1月19日に実写版映画が公開され、絶賛を浴びているマンガ『ゴールデンカムイ』では、アイヌの隠した金塊を奪い合う戦いのなかで多くの登場人物が命を落としています。なかでも金塊の所在地のヒントとなる刺青を彫られた「24人の脱獄囚」たちは、そのほとんどが死亡しました。特にその死で多くのファンが衝撃を受けたのが、牛山辰馬です。

 牛山は常人離れの怪力や強すぎる性欲を持つ規格外のキャラでしたが、普段はおおらかで紳士的な人柄であり、ヒロインのアシリパ(リは小文字)やファンから慕われていました。そんな牛山は、コミックス最終巻で命を落としてしまいます。

 汽車内での最終決戦にて、あまりにも強い牛山を命がけで止めるために、敵の月島軍曹は手投げ弾を持って突進しました。その後、手投げ弾が座席下に隠れていたアシリパたちの方向に飛び、牛山は身を挺してそれをかばい致命傷を負うのです。連載時は306話で爆発が起きた後、その安否が次週まで持ち越されたため、Twitter(現:X)では心配するファンの声があふれて牛山の愛称「ちんぽ先生」がトレンド入りしました。

 牛山の死について、作者の野田サトル先生は2022年9月に「集英社オンライン」に掲載された『野田サトル1万文字インタビュー』のなかで「(牛山を)実は唯一、退場させるかどうか悩みました。感情として死んでほしくなかった」と語っています。

 しかしその一方で「アシリパにとって愛すべき人物を次々と殺すことで、『この金塊争奪戦を自分が終わらせなければ』とアシリパに決断させる」ために「作者自身も愛するキャラたちを殺していくしかなかった」と、物語の展開にとって必要不可欠な出来事だったことを明かしていました。SNS上では「悲しいけど、牛山さんの死に様はかっこよかったです」「最期の言葉通り、死に際まで『完璧』だった」などと、牛山の死を悲しみながらもその死に様を讃える声が多く見受けられました。