初お目見えとなった「柱稽古編」第1話の冒頭5分には、とんでもないサプライズが! 劇場版『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』ポスタービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

【画像】え…っ? まさかの「アニオリの共闘」も? これが「柱稽古編」で特に目立つ柱たちです(5枚)

「違和感」「謎」がいっぱい

 2023年2月2日より、ワールドツアー上映『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』がスタートしました。今回、初お目見えとなる「柱稽古編」の第1話についても、「期待を裏切らない」「1年間待った甲斐がある」など高評価が相次いでいます。そのなかで特に「とにかくすごい」「サプライズすぎる」「これを待っていた!」など、ネットでも大いに盛り上がっているのが「柱稽古編」の冒頭のアニメオリジナルシーンです。

 この記事では、「柱稽古編」の冒頭のアニオリに注目し、その魅力といくつもの「違和感」について考えていきます。

※この先の記事には『鬼滅の刃』「柱稽古編」のストーリーのネタバレを含みます。

「柱稽古編」冒頭5分の衝撃サプライズ

「柱稽古編」は、その名のとおり、鬼殺隊の最高位の剣士である「柱」たちのもとを炭治郎たち一般の隊士たちがめぐって、稽古を付けてもらうというのがメインストーリーです。原作マンガでは、鬼の始祖である鬼舞辻無惨との最終決戦の序章という位置付けになっています。柱たちのちょっと意外な「人となり」を知れたり、同期や先輩など隊のなかでのつながりを見られたりするので、「鬼との戦いはなくても、見どころ満載」というのが、これまでの「柱稽古編」に対する見方でした。

 しかし、これを見事に裏切ってくれたのが、前述のアニオリです。「外伝を見てるのかと思った」「何が始まったのかと驚いた」と、原作マンガを読みこんでいるファンたちの度肝を抜くサプライズとなったのが、いきなり描かれた風柱の不死川実弥と蛇柱の伊黒小芭内の「共闘」でした。

 これまで柱のなかではヒール的な存在であった実弥と伊黒ですが、この場面を見ればそんなことはすっかり忘れて、彼らの剣技に息をのみ、そして、うっとりすること間違いなしでしょう。それぐらい、「風の呼吸」も「蛇の呼吸」も圧倒的に強くて美しいのです。

違和感満載!? 「柱稽古編」のアニオリ鬼は何者なのか?

 問題の場面は、一般隊士ふたりに案内され、行方不明者の救出という任務で実弥と伊黒が廃城に向かうところから始まります。女性をさらった鬼が帰って来たのを追うと、城のなかには無数の鬼たちが待ち構えていました。

 その鬼たちを一瞬にして切って捨て、技を繰り出してなぎ倒していく実弥と伊黒の圧倒的な強さに比べ、ふたりの一般隊士は1体の鬼を倒すのにも手こずる始末でした。このようにして柱と一般隊士の差をあらためて見せることで、柱稽古の必要性を視聴者も納得できるようにしよう、という意図なのでしょう。

 女性をさらって逃げる鬼を追い詰め、女性を奪い返した実弥と伊黒でしたが、鬼には逃げられてしまいます。柱2人がかりでも仕留められないとなると、それは「特別な鬼」と考えても不思議ではないでしょう。

見たところ、この鬼は無惨傘下の「上弦→下弦→異能→その他」という鬼のヒエラルキーでは「異能の鬼」だと思われます。実弥と伊黒に瞬殺されていた鬼たちは、目だけが光るシルエットのような描かれ方であり、知性や個性を感じられない「モブ」であったのに対し、この鬼はちゃんと着物を着て、表情も描かれているだけでなく、実弥たちの気配に気づいて「昨晩、始末しておくべきだったな」と、自分で考え言葉を発することもできていたからです。

 そして、この鬼が天守閣から飛び降りて吸い込まれていった先は、無惨の本拠地「無限城」でした。なぜこの鬼は血気術を使って応戦するでもなく、ただ逃げるだけなのか? 異能の鬼ごときが、そんなに簡単に無限城に出入りできるのか? しかも、柱ふたりが追ってきているのが分かっていて、敵である彼らに拠点を見せるようなことをしていいのか? ……などなど、いくつもの謎が残ります。

 これまでに登場したアニオリの鬼と言えば、「無限列車編」の第1話で炎柱・煉獄杏寿郎が戦った「切り裂き魔の鬼」と、「遊郭編」の第1話で炭治郎が戦った「カマキリの鬼」がいますが、いずれもその後のストーリーに影響を及ぼすことはありませんでした。アニオリなので、そうであってしかるべきものなのでしょう。

 そう考えると、「柱稽古編」冒頭アニオリの鬼もこの1話だけの登場なのかもしれませんが、それにしては爪痕を残しすぎている気もするのです。何より、実弥と伊黒の目の前でぴしゃりと障子が閉まる寸前に、この鬼はニヤリと笑みを見せたのが心に引っ掛かります。

無限城については、原作マンガでは、全員が無惨との決戦の時に初見でした。しかし、今回の「柱稽古編」第1話のアニオリによって、一瞬とはいえ、実弥と伊黒の2人の柱が無限城の内部を見たということになると、それがこの先の「無限城編」に何らかの影響を及ぼすのか、あるいは新たなアニオリを生むことになるのかと妄想は尽きません。



柱たちの個性が光る「柱稽古編」では、推し柱を堪能できそう (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

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もっと深読みしたくなる冒頭アニオリの違和感と謎は? 

「柱稽古編」第1話の冒頭アニオリについては、他にも細かな部分で違和感や謎が残っています。

 そのひとつが、前述の女性をさらってきていた鬼の見た目です。「切り裂き魔の鬼」「カマキリの鬼」に比べると、どうにもこうにも普通すぎます。怖さはもとより、まがまがしさもなければ、薄気味悪さも、さほど感じられません。鬼らしい姿といえばそうなのですが、節分のお面になりそうなくらい「普通」なところが、かえって違和感があります。

 続いて、村からさらったという女性についての違和感です。ネット上では伊黒のお姫様抱っこで、「伊黒さん推しではないけれど、ときめいた」「尊すぎる」などの感想も多く見られ、この女性にも注目が集まっています。

 では、彼女はなぜさらわれたのでしょう? 鬼に担がれている彼女の姿をよく見ると、後ろ手に縛られ、足も縄で縛られています。鬼にとって人間は食糧ですから、食べるだけなら、さらう必要はないはずです。それをわざわざさらって、無限城まで連れて行こうとしている点に違和感が残りました。彼女に鬼の素質があると鬼が感じてさらってきたのか、あるいは何かそれ以外の特別な存在なのかと深読みしたくなります。

 また、実弥も言っているように、廃城に鬼たちが群れていることにも違和感を持った方は、多いのではないでしょうか? もともと「鬼たちが群れて自分に反乱を起こさないよう、無惨は鬼が群れないように作っている」という設定がありましたが、それを覆すような何かがあるということなのでしょう。

 これについてはネット上でも噂されているように、日光を克服した禰豆子を奪うため、鬼殺隊との決戦戦に備えて、無惨が一時的に鬼が群れられるようにしていたと考えればごく自然です。ただ、それが無限城のなかだけなら不思議はないのですが、廃城にも鬼が群れていました。

 無限城の出入り口である廃城を守るためなのかもしれませんが、あの廃城が本当に無限城の出入り口なのだとしたら、打ち捨てられた城とはいえ、目立ちすぎではないかと思ってしまうのです。

 最後に今後への疑問ですが、「柱稽古編」の第1話で実弥と伊黒の共闘シーンが描かれたことによって、柱のなかで戦闘シーンが描かれていないのは鬼殺隊最強の男、岩柱の悲鳴嶼行冥だけになりました。彼の最強ぶりも「柱稽古編」の早めに見せてもらえるのか、それとも珠世さんからの「悲鳴嶼さん お願いします!!」まで、待たなくてはいけないのか? それも気になるところです。

 劇場版を見たばかりだというのに、ここまで挙げてきた違和感や疑問をスッキリ解決してくれる(かもしれない)2024年春から放送予定の「柱稽古編」そして、その先の「無限城編」が待ち遠しい限りです。

※「禰豆子」の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記