画像は『さばげぶっ!』ビジュアル (C)松本ひで吉・講談社/「さばげぶっ!」製作委員会

【画像】えっ…? 豊作すぎ! これが50年前のアニメです(8枚)

有名作以外にもあった、すごい作品

 新年に突入し、2024年に10周年を迎えた2014年アニメを振り返った記事やポストが多く見られます。しかしそこで触れられているのは『ソードアート・オンラインII』や『SHIROBAKO』、『ハイキュー!!』、『ラブライブ! School idol project』(第2期)、『ご注文はうさぎですか?』、『鬼灯の冷徹』などの有名作品が中心で、『スペース☆ダンディ』、『少年ハリウッド-HOLLY STAGE FOR 49-』、『ピンポン』、『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』、『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』、『悪魔のリドル』といったアニメファンウケした作品に触れたものはそれほど多くありません。

 それでも2014年にそれなりにアニメを観ていた人は、それらと肩を並べるほどのインパクトを持つ、不思議な魅力を称えた作品のことを覚えているでしょう。今回はそういった「怪作」とも呼べる作品を5つ振り返ります。当時まだアニメを観ていなかったものの刺激を求める人は、怪作度を参考にぜひチェックしてみましょう。

『さばげぶっ!』(怪作度:★)

『さばげぶっ!』はサバイバルゲーム部に所属する女子高生たちが活躍する部活ものです。ただしサバゲーこそするものの、主人公を始めゲスキャラが多く(オタクキャラのからあげ☆レモン氏も印象的)、やりたい放題のギャグばかりで、月刊誌「なかよし」連載の少女マンガが原作とは思えないほどでした。

 2010年代に傑作美少女アニメを多数手がけた太田雅彦監督の作品でも、そのカオスさは群を抜いています。ただしギャグアニメだと分かりさえすれば万人が楽しめるような作風のため、怪作度は低めです。

『おにくだいすき! ゼウシくん』(怪作度:★★)



画像は『おにくだいすき! ゼウシくん』ビジュアル (C)2013 Zeushi-kun All rights reserved.

 現在に比べて、2010年代中期はショートアニメも多数、放送されています。『おにくだいすき! ゼウシくん』はJA全農によるPRアニメで、番組内の90秒CMからWebアニメへとステップアップしました。

 内容としてはお肉に関するややシュールなコメディですが、メインキャストが花澤香菜さん、内田真礼さん、大山のぶ代さんと豪華で、オープニングテーマは、「国産のおにく」のフレーズが印象的な花澤さんによる「おにくじゃぽねすく!」です。後年に新作も作られるほどの人気を得ましたが、JA全農というお固そうな組織が、なぜこんなアニメファン向けに最適化された作品を送り出せたのか気になる一作です。

『魔法戦争』(怪作度:★★★)



画像は『魔法戦争』ビジュアル (C)スズキヒサシ/株式会社KADOKAWA メディアファクトリー刊/すばる魔法学院

「MF文庫J 夏の学園祭2013」というイベントで一挙に5つのライトノベルのアニメ化が発表され、翌年の2014年にその全作品が放送されるという怒涛の短期集中っぷりは後世に残したいところでしょう。なかでも印象的なのが、高校生の七瀬武(ななせ たけし)が相羽六(あいば むい)という少女を出会ったことをきっかけに、魔法使いによる戦いに巻き込まれる『魔法戦争』です。

 最終話にあたる第12話「世界からの消失」終盤で迎えた急展開に、主人公がしぼり出した「…んだよ 意味が分かんねえ」というネットミームが有名ですが、それ以外のエピソードの展開や唐突な終わり、SDキャラによるCパートも大きなインパクトを与えました。先に挙げた5つのアニメ化作品の残りは『星刻の竜騎士』『精霊使いの剣舞』『ノーゲーム・ノーライフ』『魔弾の王と戦姫』ですが、怪作度では『魔法戦争』が頭5つほど抜けています。

『ガンダム Gのレコンギスタ』(怪作度:★★★★)



画像は『ガンダム Gのレコンギスタ』ビジュアル (C)創通・サンライズ

『ガンダム』という一大人気シリーズで、その生みの親である富野由悠季監督の作品であり、多くの人を戸惑わせたのが『ガンダム Gのレコンギスタ』でした。本作はG-セルフというモビルスーツに乗ることになったベルリ・ゼナムという地球の少年が、仲間と共に宇宙を巡る全26話の冒険譚です。

「THE 富野節」な奇抜なやり取りや、多数の勢力が入り乱れる難しい展開もあったため本作は賛否両論ありましたが、難しいことを考えず、ベルリたちの冒険を体感しようとすればかなり楽しい作品であることは間違いありません。

 また、本作については、TV版に新規カットを加えて5部作にまとめた劇場版『Gのレコンギスタ』が2019年から2022年にかけて公開されました。そちらのほうが分かりやすいという評判もあるため、初めて観るという人はまずチェックしてはいかがでしょうか。

『グラスリップ』(怪作度:★★★★★)



画像は『グラスリップ』ビジュアル (C)glasslip project

 2010年代に入ってから『Angel Beats!』や『花咲くいろは』、『TARI TARI』、『凪のあすから』などの瑞々しい作品を連発し、高い評価を得ていたアニメスタジオのP.A.WORKSが、2014年夏、世に送り出したのが『グラスリップ』です。本作ではガラス工房を営む一家の娘である深水透子を主人公に、高校生6人の青春模様が描かれます。映像面はP.A.作品らしく見ごたえがあるものの、理解力を求められる(特に終盤の)ストーリーは視聴者の間では困惑が広がりました。

 そんな『グラスリップ』ですが、P.A.WORKSファンには同作を最高傑作と挙げる人も存在します。当時、呆気にとられてしまった人も、『ガンダム Gのレコンギスタ』のように「Don’t think! Feel.」の精神で見直してみるのもいいかもしれません。