BANDAI SPIRITS『S.H.Figuarts 天津飯』 (C)バードスタジオ/集英社・東映アニメーション

【画像】「なんか自信満々ですけどやらかしますからねこの男!」と言いたくなるベジータの不遜な表情などをチェックする(3枚)

見ていて耐えられなくなる? 戦士たちの「やらかし」

 戦士たちの胸アツドラマが繰り広げられるマンガ『ドラゴンボール』(鳥山明/集英社ジャンプコミックス)の、読者の共感性羞恥を煽るような、キャラクターたちのいわゆる「黒歴史」を見ていきます。ネット上ではバトル中の戦犯ムーブが度々、話題になりますが、それ以外にも、見ているだけでつらくなる「戦士たちの黒歴史」は長年、ネタとして槍玉に挙げられ続けてきました(こすられ続けてきた、ともいえるでしょう)。

※以下、『ドラゴンボール』のネタバレを含む記述があります。

 そうした話題において、ファンの間で多く名前を挙げられてきたのが、古参キャラのひとり「天津飯」でした。ご存知のように初期『ドラゴンボール』はギャグ色が強く、そして天津飯もそのころに登場したキャラクターで、鶴仙人の弟子であり殺し屋を目指している悪役です。それだけでも黒歴史といえそうですが、最大の黒歴史といえば「排球拳」でしょう。天津飯は「第22回天下一武道会」にて少年時代の悟空と試合をした際に、その排球拳を披露しています。対戦相手をバレーボールに見立てて攻撃するという、鶴仙流の拳法です。

 その描写は次のようなものでした。天津飯は「排球拳いくわよーーーっ!!」と、ひとり声を挙げると、これに自身で「はあーーーい(ハート)」と満面の笑みで返し、続けて「ワン!!」「ツー!!」「アターーーック!!」というかけ声とともに攻撃を加えていきます。いわゆるひとり芝居、という体です。一体、何を見せられているのでしょうか、連載当時の読者の心中が察せられる、というものでしょう。

 さておき、初期以降のクールな天津飯からは予想のつかない珍妙さで、ファンからは「鶴仙流が流行らない理由」「『ハイキュー!』とコラボしろ」と、しっかりネタにされています。公式コンテンツにおける「キャラ崩壊」という観点では、通称「ベジータの楽しいビンゴ」と呼ばれる、劇場版アニメ『ドラゴンボールZ 神と神』のワンシーンとよい勝負ができるかもしれません。

 その「ベジータ」は、数々の戦犯ムーブや上述した「楽しいビンゴ大会」など、枚挙にいとまがない強烈な「やらかし」で広く知られているといえるでしょう(もっともビンゴ大会については、その自己犠牲的振る舞いを評価する声も聞かれます)。そうしたなかでも激ヤバなシーンのひとつが本編初登場のコマで、とある惑星を侵略中といった様子のベジータが、現地の宇宙人をもぐもぐ食している様子が確認できます。

 比較的、目立たないシーンのためか忘れているファンも多いようで、「原作を見返してぎょっとした」と動揺する声が散見されます。王子としての高潔なプライドを持つというキャラクター設定のはずのベジータ故に、「野性的すぎでは……」と衝撃的なシーンに映るのでしょう。

 ベジータの息子「トランクス」もまた、そうした実父の気質を色濃く受け継いだか、大いに恥ずかしい姿を披露してしまいました。トランクスは「人造人間・セル編」で初登場した未来の戦士で、「セル」との戦闘の際に、「超サイヤ人」の第3段階を披露します。「僕は父さんを超えてしまった」と語るその姿に読者は大きく期待したものです。

 ところがその「第3段階」には衝撃の欠点が判明します。全身ムキムキマッチョになるため、スピードが通常より低下してしまうというものでした。加えて変身者のエネルギー消費も激しすぎるという欠陥形態で、悟空もベジータもこれを知っており、あえて変身していなかったことが明らかになります。

 作中では比較的マシな程度のやらかしですが、「共感性羞恥がキツい」「トランクス本人が真面目だからこそつらい」と感じた読者は多かったようです。

 地球を救った戦士たちにも、忘れてしまいたい「黒歴史」は存在します。落ち込んでしまったときに思い出すと、何だか元気が出てくる……かもしれません。