80巻先の展開まで決まっていた? 未来の四皇の姿が表紙になっていた「ワンピース 空島編」 画像は「ONE PIECE エピソード オブ 空島 通常版」DVD(エイベックス・ピクチャーズ)
【画像】ルフィが戦う「ラスボス」とは 気になる候補者たち(5枚)
犯人を明かしていた実例も?
マンガの楽しみ方として、「連載誌を読む」ことと、「コミックスを読む」ことには、それぞれに違った魅力があります。コミックスの場合、本編にはなかったオリジナル要素が盛り込まれ、書き下ろしカットや作者コメント、さらにはコレクション需要もあることから、ファンの気持ちを存分に満たすコンテンツといえるでしょう。
※この記事には『ONE PIECE』、『僕のヒーローアカデミア』、『HUNTER×HUNTER』の「重要な内容」を含みます。
コミックスのオリジナル要素といえば、表紙デザインへの期待値が高く、注目が集まることも少なくありません。そこで、重要な伏線がコミックスの表紙に仕込まれていた「ジャンプ」作品を見てみましょう。
まずは『ONE PIECE(ワンピース)』(著:尾田栄一郎)の25巻でしょう。
表紙に描かれていたルフィ、シャンクス、ティーチ、バギーは、のちに「新四皇」となった4人を示唆していました。構図はそのままに105巻の表紙では、成長を遂げた4人の姿が描かれている様子からも、25巻の表紙は伏線だったことが分かります。
25巻の時点でこの伏線に気付いた読者は極めて少数だったようで、80巻越しの見事な「伏線回収」に、ファンの間で大きな盛りあがりを見せました。
しかし、25巻の表紙にはまだまだ謎が多く「25巻で真ん中にいるヤギが、105巻ではキャロットになっているのはなぜ?」「25巻には親方も映ってるけど?」「シャンクスだけが両巻ともに口を閉じている理由は?」など、さまざまな意見が見受けられます。25巻の表紙にはまだ明かされていない未回収の伏線が残されているのでしょうか。
続いて、『僕のヒーローアカデミア』(著:堀越耕平、以下:ヒロアカ)の10巻です。
「林間合宿編」以降からささやかれていた「裏切り者」に関して、34巻にてクラスメイトのひとり、青山優雅(あおやま ゆうが)であることが発覚します。そして、10巻の背表紙には、青山が「裏切り者」であるヒントが隠されていました。
もともと『ヒロアカ』の背表紙には主人公や先生、クラスメイトなど、主要キャラの半身がひとりずつ描かれたデザインとなっています。
これをズラッと横並びにして見ると、10巻の背表紙に描かれた青山の目線だけ、正面ではなく下方向を向いていました。あたかも、後ろめたい気持ちがあるような青山の表情と、同じく10巻に収録されている「内通者がいる」と言及された第83話は、すべて計算された伏線だったのかもしれません。
裏切り者の招待を暴いたクラピカ 画像は「HUNTER×HUNTER 幻影旅団編I DVD-BOX」 (C)VAP・日本テレビ・集英社・マッドハウス
(広告の後にも続きます)
謎を解く鍵は「言葉遊び」だった?
最後は『HUNTER×HUNTER』(著:冨樫義博)の30巻です。この巻では、ネテロ会長から実力を認められた精鋭部隊の12人「十二支ん」と呼ばれる集団の後ろ姿が描かれていました。
亡きネテロのあとを継ぐために行われた「会長選挙」では、ほかの「十二支ん」とは相反する思想の持ち主であるパリストンが立候補するものの、敗れてしまいます。しかし、あまりにもあっさりと手を引いたパリストンの様子に、疑問を浮かべた「十二支ん」のひとりが「パリストン側につくスパイが、もうひとりいるのでは?」と疑いを持ち始めました。
そして、のちに加わったクラピカの、相手の嘘を見抜くことができる「導く薬指の鎖(ダウジングチェーン)」によって「裏切り者」はサイユウだったことが発覚します。
この「裏切り者」に関するヒントが、実は30巻の表紙に隠されていました。「十二支ん」全員の後ろ姿をよく見ると、パリストンはお尻のあたり、サイユウは後頭部で手を組んで立っています。つまり、この表紙は「後ろ(裏)で手を組んでいる」を意味していたようなのです。
このように、コミックスの表紙に隠された伏線は、かなり重要なヒントが多く見られます。あなたの所持しているコミックスのなかには、まだ誰からも気付かれていないメッセージが隠されているかもしれませんね。