誕生から半世紀、劇場アニメ制作が決定した『ベルサイユのばら』キービジュアル (C)池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会
【画像】悲運? トラウマ級の最期を迎える少女キャラクターたち(5枚)
「ノンフィクションでは?」主要キャラが続々と死亡
少女マンガ作品やそのアニメ化作品では、意中の人と結ばれて終わるなど、ハッピーエンドを迎える作品も多くありますが、なかには「うそでしょ?」と驚くような展開で終わった作品もありました。TVで観ていた女の子たちが絶望したであろう、トラウマ展開で完結したアニメを振り返ります。
1972年に「週刊マーガレット」で連載が始まり、1979年からTVアニメが放送された『ベルサイユのばら』は、今もなお熱烈な人気を集める作品です。主人公・オスカルの名前は、物語を知らなくても聞いたことがあるという人は多いでしょう。そしてもうひとりの主人公・マリー・アントワネットはフランス国王ルイ16世の王妃です。
オスカルは女性の身ながらマリー・アントワネットに仕え、フランス衛兵隊のベルサイユ常駐部隊長にまで昇りつめます。そんな折、フランス革命が勃発。オスカルは貴族の身分を捨ててフランス衛兵隊を率い、民衆の一員として襲撃に加わるのでした。
オスカルは民衆軍に加わってバスティーユ要塞を陥落させた後、一足先に息を引き取った最愛のアンドレのもとへ……。その後マリー・アントワネットは死刑に処され、彼女と愛人関係にあったフェルゼンは虐殺されます。
『ベルサイユのばら』は完全なフィクションだとされていますが、民衆側に加わったオスカルが命を落とし、王妃が死刑になり、貴族のフェルゼンが虐殺されるなど、ほぼ実際の歴史をなぞるような悲劇が最後に描かれました。戦争や革命といった時代の激動に飲まれ、主要人物がまとめて命を落とすという結末に衝撃を受けた視聴者も多かったのではないでしょうか。
続いて、少女マンガの枠をこえて幅広い層の読者に愛され、社会現象的なブームとなった『美少女戦士セーラームーン』も、衝撃的なクライマックスが描かれた作品です。
『初代セーラームーン』は衝撃のエンディングを迎えたことで知られる。画像は『美少女戦士セーラームーンCrystal』の第3期「デス・バスターズ編」のキービジュアル (C)武内直子・PNP・講談社・東映アニメーション
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まさかの結末、トラウマになった気持ちが「よくわかる」
アニメ『美少女戦士セーラームーン』の最終回では、主人公・月野うさぎ以外のセーラー戦士が全員死亡するという衝撃展開が描かれました。
ネット上では全滅したシーンについて、「あまりにもショックでトラウマになった」と、今もたびたび話題になっています。子どもだけでなく最近見た大人からも、「再放送で最終回の全滅を見たら、当時の女の子がトラウマになった気持ちが今ならよくわかる」「初代セーラームーンは、最終回だけ子ども向けではなかった」といった声があがっています。やはり、活躍が多く描かれた主要キャラクターが一斉に退場する展開は、観る側のショックが大きいようです。
最後に、1982年に第1作が放映された『魔法のプリンセスミンキーモモ』を紹介します。夢の国からやって来た12歳の王女ミンキーモモが、夢や希望を失っている人のあふれた地上に降り立ちます。
魔法を使って18歳の大人の姿に変身したモモが、職業プロフェッショナルの技能を駆使して活躍します。呪文とダンスを組み合わせた変身シーンは、当時としては画期的で、のちの魔法少女アニメにも影響を与えました。
しかし、『ミンキーモモ』放送当時はメインターゲットである女児層の反応が悪く、打ち切りが決定してしまいました。その影響なのか、最終回の第46話「夢のフェナリナーサ」では、モモが「トラックに轢かれて亡くなる」という衝撃展開が描かれました。その後、改めて人間として地球のパパとママの娘に生まれ変わるという結末となりましたが、魔法少女が活躍する世界観のなかで、「事故死」という生々しい描写にショックを受けた視聴者は多かったことでしょう。