『デビルマン』の作者・永井豪先生による意外な作品『けっこう仮面』5巻(グループ・ゼロ)

【画像】レンタルビデオ屋じゃ手に取れない? 衝撃の完全実写化されてる『けっこう仮面』(3枚)

思わずびっくり! 同じ作者の作品とは思えないマンガ

 昭和の名作マンガは、若い世代にとっては「タイトルと絵面だけ知っている」という状態の作品も多いでしょう。そのため、後追いで読んでみたり、本屋やWebのマンガ配信サイトで「作者名」を見たりした時、「え、このマンガとあのマンガの作者一緒なの?」と驚くケースも少なくないようです。昭和の「レジェンド漫画家」たちの「ふり幅の大きさ」に驚く人が多い、代表的な例を振り返ります。

 数々の名作を手掛けた漫画家として知られ、自身の漫画家人生を描いた『激マン!』で「週刊連載を5本こなしていた時期もあった」と語っている永井豪先生は、特に70年代に数々の代表作を世に送り出しています。2018年にNetflixオリジナルのアニメ『DEVILMAN crybaby』も話題になった『デビルマン』や、アニメだけでなく実写版が3作品作られた『キューティーハニー』、数々の派生作品を生んだ『マジンガーZ』、2025年に実写映画の劇場公開も予定されている『ゲッターロボ』などを手掛けたことでも有名です。

 後追いの世代では、特にハードな内容の『デビルマン』のイメージが強い人が多いようですが、出世作は1968年に新創刊された「少年ジャンプ」(69年から週刊化)に掲載されたギャグマンガ『ハレンチ学園』で、同作は過激な描写で当時PTAなどから猛バッシングされました。その他『あばしり一家』や『ガクエン退屈男』などのギャグマンガも人気でしたが、特に衝撃的なのが1974年の読み切りから75年に連載が始まり、78年まで発表された『けっこう仮面』です。

『けっこう仮面』はOVAのほか、21世紀に入ってからも何作品も「実写版」が作られており、主人公の衝撃的な格好はあまり大きい声では言えなくとも認知している人は多いでしょう。正体不明の主人公の女性は、「全裸に深紅の仮面」という姿をしています。全寮制の進学校「スパルタ学園」を舞台に、女子生徒に「お仕置き」という名の辱めを与える教師陣にけっこう仮面が闘いを挑む物語です。

 大また開きで敵の顔面目掛け突っ込む「おっぴろげジャンプ」を繰り出すけっこう仮面を見て、「自分も食らってみたい」と思った男子は少なくないでしょう。また、有名作品のパロディの敵が次々と出てくるのも見どころで、『鉄腕アトム』『サイボーグ009』『仮面ライダー』などのパロディキャラが作品を彩りました。

「ふざけっぷりが衝撃」「永井豪作品なんて、レジェンド過ぎてパロディされたことしかないと思ってたわ」「エロ、パロディだけじゃなくヒーローものとして面白い」「主人公の正体が衝撃」と、後追いの世代のレビューでも、驚きと好評の声を集めています。

 時代は違いますが、『マジンガーZ』と同様に子供たちを熱くさせたロボットモノと言えば、巨大ロボットアニメの草分け的作品『鉄人28号』があげられるでしょう。『鉄人28号』の原作者・横山光輝先生は、超能力バトルを描いた『バビル2世』や『三国志』に代表される歴史マンガの数々も有名です。その他横山先生は、前述の名作にも負けないほどの有名タイトルを手掛けています。国民的魔法少女アニメの原作『魔法使いサリー』です。

『魔法使いサリー』は1966年にアニメ化され、1989年には第2期が放送されるなど世代を超えて愛された作品でした。魔法の国から人間の世界に遊びにやってきたサリーが、同じ年頃の友達と友情を育み、魔法よりも大切なものを学んでいく成長物語で、いわゆる「東映魔女っ子シリーズ」の第1作です。ギャグや人情話なども盛り込まれた日本初の少女向けアニメ番組で、その後の魔女っ子シリーズの礎を築いています。

 ネットでは横山先生の作品といえば一部のコマがミーム化して、日経電子版の広告などにも使われている『三国志』のイメージが強いようで、「ふり幅エグい」「『魔法使いサリー』と『三国志』の作者一緒って友達に教えても、最初は信じてなかった」「飲みの席での若い世代へのクイズネタにちょうどいい」などとも言われていました。

『魔法使いサリー』に続いて魔女っ子シリーズ2作目で放送されたのが『ひみつのアッコちゃん』で、その原作者はなんと赤塚不二夫先生です。赤塚先生といえば、『天才バカボン』や、『おそ松くん』が有名でしょう。いずれも一世を風靡した作品で、バカボンパパは今でもTVCMなどで見かける機会が多いですし、『おそ松くん』は赤塚先生生誕80年記念で作られたアニメ『おそ松さん』が若い世代の間で大ヒットしたことも記憶に新しいです。

 上記のようなギャグマンガとはあまり被るイメージがない『ひみつのアッコちゃん』は、赤塚不二夫先生が1962年から発表していた魔法少女モノの作品です。1969年にはアニメ放送がスタートし、「テクマクマヤコン」の呪文が一世を風靡しました。主人公のアッコが鏡の精から受け取ったコンパクトを使って変身し、仲間とともにいろいろな事件を解決していきます。

 ギャグマンガの巨匠が描く「魔女っ子もの」というギャップに、驚きを感じる若い世代も多いようですが、赤塚先生のデビュー作が『嵐をこえて』という少女マンガであることを知ると、さらに意外性を感じるのではないでしょうか。タイトル通り、主人公の少女・ミドリに嵐のように困難や悲劇が襲い掛かりますが、なんとか明るく乗り越えていくストーリーで、2006年に小学館から完全復刻されました。