桜木家の秘密が明かされる日も近い……かも? 画像は映画『THE FIRST SLAM DUNK』のポスタービジュアル (C)I.T.PLANNING,INC. (C)2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners

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全ての伏線が回収されるとは限らない! 未解決の謎の数々

 長期連載のマンガで伏線が回収される瞬間には、たまらない快感があるもの。ですが「週刊少年ジャンプ」の人気作品には、結局謎が明かされないままになった「不発弾」も数多く眠っています。今回は、連載終了後もファンを惑わせる未回収の伏線を振り返ります。

※この記事には『NARUTO-ナルト-』、『鬼滅の刃』、『SLAM DUNK』に関するネタバレ要素があります。特に『鬼滅の刃』については、アニメではまだ描かれていない内容の記述があるため、アニメ派の方はご注意ください。

「あの術」は「あの力」の間違い?

 最初に紹介するのは、忍者バトルマンガ『NARUTO-ナルト-』における「謎の禁術」の存在です。主人公のうずまきナルトはサスケ奪還計画に失敗した後、「伝説の三忍」のひとりである自来也と共に2年の修行を行いました。

 そして里に帰郷すると、師匠の自来也はナルトに対して「あの術は使うなよ……」と釘を刺します。いかにも強力な禁術を匂わせるひと言であり、マンガの演出として考えても、ピンチの時にこの禁術をお披露目するという伏線にしか見えないでしょう。

 しかし実際には、それらしい忍術が使われる場面は最後まで一切描かれず、読者からツッコミを浴びてしまうことになりました。

 他方で有力と見られるのが、自来也はナルトの内側に秘められた「九尾の力」のことを言っていたという説です。実はアニメ版で同シーンが描かれた際、自来也のセリフは「あの力は使うなよ……」に変更されていました。

 たしかに「術」ではなく「力」であれば、その後の展開と整合性がとれています。慌ただしい週刊連載なので、原作のセリフはちょっとしたミスだったのかもしれません。

鬼舞辻無惨を鬼にした「善良な医者」の謎

 また、大人気マンガ『鬼滅の刃』にも未解決の大きな謎がありました。それは「善良な医者」という名もなきキャラクターの存在です。

 同作のラスボスといえば、冷酷無比な鬼の祖・鬼舞辻無惨。作中では何百年も生きてきた化物として描かれていますが、元々はただの病弱なひとりの人間でした。そんな無惨が鬼になるきっかけを作ったのが「善良な医者」です。

 極力ネタバレを避けて説明すると、無惨に対してこの医者が処方していた薬によって、人知を超えた力を手にすることになったという流れでした。

 善良な医者は意図的に無惨を実験体にしていたのか、それとも偶然鬼を呼び覚ましてしまったのか……。作中で一切明かされなかったこともあり、考察好きの読者を盛り上げています。



桜木花道の父親は助かったのか否か? 画像は映画『THE FIRST SLAM DUNK』桜木花道のポスタービジュアル (C)I.T.PLANNING,INC. (C)2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners

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『SLAM DUNK』に隠された家族の闇

桜木家の謎は今後回収されるのか?

 さらにバスケマンガの金字塔『SLAM DUNK』においても、大きな謎が存在します。それは第148話「オヤジ」で描かれた、桜木花道の父親の存在でした。

 中学時代の桜木が不良との喧嘩を終え、自宅に帰ると、玄関で倒れている父親を発見します。急いで近所の医者を呼ぼうと外に飛び出すものの、家の前には復讐心に駆られた不良たちが仲間を呼んで集まっていました。

 父親が危篤だと叫んでも不良たちは聞く耳を持たず、そのまま桜木はリンチされる……というところで、回想シーンは終了しています。その後、父親の安否は不明なまま。連載終了から長年経過しても、父親の存在については言及されていません。

 なお桜木家では、母親もまた謎めいた存在です。一切描写が存在せず、一緒に暮らしていたかどうかすら不明でした。

 作中で父親が倒れていた玄関には、女性ものの靴が描写されていなかったため、当時すでに両親が離婚していたという説も。さらに父親も回想された事件で死亡し、現在は保険金と母親からの仕送りでひとり暮らししている……というヘビーな考察も、ファンの間では出回っています。

 ただし『SLAM DUNK』に関しては、未解決のエピソードが今後回収される可能性もあるでしょう。昨年公開された『THE FIRST SLAM DUNK』では、作中で謎だった宮城リョータの過去が大々的にフォーカスされていました。

 同作では「週刊少年ジャンプ」1998年9号に掲載された読み切り『ピアス』の内容を回収しつつ、ファンたちに新たな世界観を提示しています。そう考えると、いつか桜木家の秘密が解き明かされる日が来るのも、夢ではないのかもしれません。