10分程度の話にもオチが用意されているアニメ『サザエさん』のキービジュアル  (C)長谷川町子美術館 (C)Fuji Television Network, inc. All rights reserved.

【画像】「こたつ依存症」の回を手掛けた脚本家は?(4枚)

ほっこりするはずの『サザエさん』で不思議なラストシーンのエピソード

 50年以上も放送されている長寿アニメ『サザエさん』(フジテレビ系)は、日本の一家を舞台に笑いやほっこりするストーリーを描き続けてきた、気軽に見られる国民的アニメです。しかし、最後まで話の展開が読めずに、なんだか恐い印象を残したまま終わったトラウマ回も存在しました。

『サザエさん』は毎週、30分のTV放送枠に3つの話が放送されています。ひとつの話は10分程度と短いですが、「オチ」まで用意されていることが基本のパターンです。ところが、2007年1月に放送された「こたつ依存症」というエピソードは、『サザエさん』らしからぬ謎の終わり方をしました。

 謎の回「こたつ依存症」は冬の寒い日に、カツオが走って学校から帰ってくるところから始まります。サザエさんは料理をしつつも寒さをしのぐために、こたつに出入りを繰り返すなど、こたつが恋しくて仕方がない様子。見かねたカツオは、こたつがひとつだと不便だと言って、友達の西原君から子供部屋用に小さいこたつを借りてきました。

 その後、フネは波平の部屋に小さいこたつを移動させ、その夜は波平とマスオがそのこたつで、暖まりながら晩酌を始めることに。カツオやワカメたちはリビングの大きなこたつで、暖をとる様子が描かれています。磯野家にとって、こたつがなくてはならない存在と分かるエピソードです。

 夜になり、カツオとワカメは愛猫・タマを探しますが、リビングのこたつにはおらず、フネが就寝準備をした際に、タマが小さいこたつの方から現れました。タマはリビングのこたつに向かい、磯野家は就寝。その就寝シーンの後、問題の不思議なラストが描かれています。

 なんともサザエさんらしからぬ不穏なBGMとともに、誰もいない暗くなったリビングのこたつが映し出されます。こたつからタマが出てきたと思ったら、磯野家が同じこたつに入り、楽しく話をしている画像が映り、そのまま終了したのです。ネットでは今でもこの回が話題になり、「誰もいないリビングで最後のBGMが怖い」「サザエさんのこたつ回はトラウマだな」など、不気味に感じる人たちの声が多くありました。

 一方で、ワカメが寝る前にカツオに「こたつはやっぱり、大きなこたつにみんなで入ったほうがいいんじゃない」と言ったことから、「最後の誰も入っていないこたつは寂しさの演出」と解釈する人もいます。

 また「こたつ依存症」の回では、後半でサザエさんが消えたことにもネットで憶測が出ています。フグ田家のサザエさん・マスオ・タラちゃんは、一緒に就寝することがお決まりのパターンです。しかし同回ではマスオとタラちゃんが一緒に寝るシーンがありますが、そこにサザエさんはいませんでした。

 家の別の場所にいるわけでもなく、他の家族がサザエさんの不在に言及することもなく、そのままこのエピソードは終わっています。そのためネット上では「夕食後からサザエさんが登場しなくなったから、サザエさんの死を暗示してるかも」という声までありましたが、さすがに考えすぎでしょうか。

「こたつ依存症」のエピソードに込められた真意は不明ですが、さまざまな憶測を呼ぶのは、お馴染みの『サザエさん』の印象が強く人びとに残っている現れとも言えるでしょう。愛され続ける磯野家には、いつまでも笑顔でいてもらいたいですね。