『II』のロンダルキアへの洞窟には最強武器「いなずまのけん」があるが、再び戻ることを嫌うプレイヤーはゲットせずクリアすることも 『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』 (スクウェア・エニックス)

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子供と大人、『ドラクエ』のプレイスタイルの違いとは?

 第一作目の『ドラゴンクエスト』が発売され約37年。脈々と続くシリーズとともに我々ユーザーも大人になりました。ふと気付くと、無垢な子供時代と効率やメタ推理が利く経験を積んだ大人では、ゲームの進め方に違いが出てきています。そこで、同じ『ドラクエ』シリーズなのに、幼少期と大人での異なるゲームに臨む思考を考察します。

難関は慎重派か、宝箱の回収効率を優先か?

 かつて「復活の呪文」という忌まわしき文字列があった『ドラゴンクエスト』シリーズ。死んだらデスルーラで強制帰還、さらにお金を半分没収という地獄のような仕打ちがありました。このため『ドラクエII』のロンダルキアの洞窟のような難関ダンジョンを初手で挑むときは、迷いはするものの導線以外の探索などはせず、最短でゴールを目指したものです。その後、何度も訪れ、貴重品をゲットしたら帰還を繰り返すという冒険をしていました。

 しかしゲームが進化し自分も成長したころ、セーブというお手軽記録が導入されます。するとリセットを押せばなかったことにできるため、難関がやって来ても無茶な冒険をズンズン進み、効率重視で1回で貴重品を取れるだけ取るというプレイスタイルになっていきました。

武器購入が先か、防具が先かという悩ましい問題

『ドラクエ』において稼いだゴールドを武器に振るか防具に振るかは、常に悩ましい問題です。たとえば武器はひとつしか持てませんが(持ち替えは別として)、防具は兜、鎧、盾と3つで構成され、トータルで考えると、防具の費用がかさみます。

 とはいえ、いつまでも貧弱な武器ではダメージが通りません。皆さんの子供の頃はどちらを優先して買っていましたか? 私は防具で、理由は「死んだら終わりだからHPを守るための防具を優先」でした。

 しかし大人になると、プレイ時間も限られてきて防具購入の資金稼ぎが思うようにいかず、先に武器を購入することが多くなりました。HPのピンチに対しても「やり直せるから…」というメタな視点でプレイするので、防具はストーリーの導線上でお金がたまったときや、敵のドロップ、ダンジョンでの宝箱で拾えたら身に着けるといった、「防具は二の次」になってしまいました。

 この問題については、かの論破王ひろゆき氏も一撃でモンスターを倒せばこちらはノーダメージであるため、優先するのは武器との主旨の主張をしており、小学生のときに気付いていたとも語っています。



『V』での素の攻撃力では「ふぶきのつるぎ」より高い武器はあるが、補正を考慮すると最強クラスの武器に 『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(スクウェア・エニックス)

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装備品の数値を盲信するか? 属性耐性を考慮するか?

 武器の素の威力を示す数値「攻撃力」。この数値が子供を酔わせました。高威力は安心でありかっこいい。この数字こそが正義、数字しか信用しない、と攻撃力に絶大な信頼を置いており、これは防具にもいえることでした。

 しかし『ドラクエIII』あたりでしょうか、特定のモンスターに追加ダメを与える「ゾンビキラー」や「ドラゴンキラー」が登場。これにより、少し攻撃力への盲信は覚めましたが、子供にとって小難しい「耐性」については考えが及ばないところでした。

 ところがシリーズが進んでいくと、次々と追加ダメや追加効果を付与する属性付武器や防具が誕生していきます。たとえばSFC『ドラクエV』の「ふぶきのつるぎ」は、価格21000Gとお高めで、攻撃力は105。モンスターがもつ、呪文「ヒャド」の耐性に応じて素の攻撃力より多くのダメージが通る補正があり、さらに有能なのはヒャドが無効であっても1倍のダメージを与えられるという優れものでした。

 追加ダメのほかにも、低確率で眠らせる「まどろみのけん」、自身のHPを回復させる「きせきのつるぎ」、また道具使用で呪文と代替できる武器も現れ、必然的にMP節約につながりました。子供のころは、攻撃力のゴリ押し戦闘でしたが、シリーズ進行とともに大人になった私は、属性や追加効果を加味し、効率の良い武器や防具で挑むようになっていきました。

町の人全員に話しかけるか? フラグが立ちそうな人に話しかけるか?

 幼少期、新しい町や城を訪れると、新展開が広がりそうでワクワクしました。ストーリーのヒントや町の様子を知るため町の人全員に話しかけ、世界観に没頭。重要な会話はノートに書き込みすらしていた記憶があります。

 しかし、話しかける順番を間違えるとフラグが立ち、強制的に冒険を命じられたりし、思うようにいかなくなることがあります。そういった『ドラクエ』経験を積み、大人になると効率も踏まえ町の出入り口にいる人は町の名前を教えてくれるだけなので話さない、犬や猫は埋まっている道具を教えてくれるケースがあるなど、そういった人を中心に話しかけ全員には声をかけなくなります。また、上記のように進行のフラグが立ちそうな不動の町人に話しかけることや、町長や村長の屋敷に訪れるのは後回しにする経験上のメタプレイに走ったりしてしまいます。

 さらに会話の記録については「おもいだす」という超便利機能実装とともにノートへの記載もなくなりました。

 こうやってプレイスタイルを比較すると、非効率でも何も経験していないことからくるローラー作戦で挑む子供のころの方が楽しかったのだろうなと寂しくもあります。しかし、大人になり新シリーズをプレイしながら「昔はうっかり井戸を覗いていどまじんにボコられたぁ」「姉と一緒に固唾を飲んで竜王と戦ったなぁ」とか、幼い頃『ドラクエ』をしていた気持ちやゲーム機があった茶の間を思い出し胸が熱くなります。これは経験があるからこそ抱ける感情だと思います。