仙水と幽助たちの戦いを描く『幽☆遊☆白書 25th Anniversary Blu-ray BOX 仙水編』(バンダイビジュアル)

【画像】ブラックがすぎる! 子供に無茶させすぎジャンプ作品

未成年には任務内容が重すぎる!

『幽☆遊☆白書』といえば暗黒武術会や魔界での闘いなどバトルマンガのイメージが強い作品ですが、連載初期はほのぼのとした人情味あふれる物語でした。バトルマンガの側面を強めていったのは、主人公・浦飯幽助が「霊界探偵」になってから。しかしその「霊界探偵」という職業が、ネット上で「ブラックすぎる」と話題になっています。

 物語の冒頭で、当時中学2年生の幽助は道路に飛び出した子供を助けようとして事故に遭い、命を落としてしまいます。紆余曲折あり、閻魔大王の息子・コエンマから生き返るチャンスを与えられ見事元の体に戻った幽助に与えられたのが「霊界探偵」としての使命でした。「霊界探偵」は、人間界で起こる妖怪による事件を解決するというものです。

 幽助は、後に仲間となる蔵馬、飛影を捕らえたり、河童を退治したりといった任務をこなしていきますが、「四聖獣」の登場からだんだんと相対する妖怪たちが強力になっていきます。さらには金持ちが集まって賭博や遊興を楽しむ裏クラブ「BBC」(ブラックブッククラブ)にも狙われる事態に。この展開には読者からは「多感な時期の中高生がやる仕事か?」との声があがり、「妖怪からも裏社会からも狙われるって大変すぎる」「たいした報酬もないんだよね? キツすぎでしょ」と共感する人が続出しました。

 ちなみにBBCは、幽助の前任者・仙水忍が「闇落ち」した原因を作った組織でもあります。仙水は非常に正義感が強く、優秀な霊界探偵でした。しかし魔界への穴を開けようと画策する組織を追う任務の最中、人間たちが罪のない妖怪を虐殺している光景を見てしまったため精神が崩壊。大きなトラウマを抱えることとなります。結局、仙水は人間の所業が許せず、人間界をおびやかす存在にまでなってしまいました。

 衝撃な光景を見た当時の仙水は15~16歳あたりと見られます。精神的にあまりに過酷な任務を未成年にさせることに対して「この制度、廃止したほうがいい」「いくら卓越した能力を持ってても、中高生ひとりに負わせるのは意味が分からない」といった意見があがっています。もちろんフィクションなので、少年少女が過酷な戦いを強いられる作品はほかにも多数あります。往年の名作であっても、こうして振り返り、ツッコミたくなってしまうのは作品への深い愛ゆえなのかもしれません。