「悪魔の実」の能力者が多い麦わらの一味が描かれた『ONE PIECE ワンピース 20THシーズン ワノ国編 piece.38』DVD(エイベックス・ピクチャーズ)

【画像】最初の能力者も今の能力者も変わってる悪魔の実(6枚)

願いは十人十色!?

「週刊少年ジャンプ」にて連載中のマンガ『ONE PIECE』では最終章にて、ある「悪魔の実の正体」にまつわる新たな可能性(仮説)が浮上し、ファンを驚かせました。

※この記事では『ONE PIECE』の単行本未収録、未アニメ化の内容を含みます。ご了承の上お読みください。

 注目を集めたのは、最終章でついに正体不明だった天才科学者・ベガパンクが登場し、第1069話で話した、悪魔の実が「誰かが望んだ人間の進化の『可能性』」だという仮説です。その他、「『能力者』とは誰かが思い描いたいくつもの異次元を生きる者達」「ああなれたらいいな」「こうなれたらいいな」という「多岐にわたる人類の未来が『能力』」と説明されました。

 あくまでベガパンク個人の仮説ではありますが、1069話が発表された後、「自然発生の実じゃなく、人間の願望が元なら、『ドアドアの実(扉)』や『チョキチョキの実(ハサミ)』みたいな『人工物』関連の能力があるのも納得」というような感想も出ています。しかし、一方でネット上では「こんな風になりたい奴いるのか?」と、特定の悪魔の実に関するツッコミの声も相次ぎました。

 悪魔の実は能力者が死亡した後は、また悪魔の実が復活し、次に食べた誰かに能力が宿ります。代々能力が受け継がれていく悪魔の実ですが、ベガパンクの仮説をもとにすると、おそらくそれぞれの実の特性は、一番最初に「こうなりたい」と願った人の願望の反映と考えられるでしょう。しかし、そう考えると、「この状態になりたいと思うことある?」と、疑問が浮かぶ悪魔の実があるのも確かです。

 例えばセンゴクが食べた「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル・大仏」に関しては、「そんなに『大仏になりたい』と思うことってある?」「ていうか仏教はあの世界にあるのか」との声が。また、自分をジャケット上に変化させて、着せた相手の人格を乗っ取る「ジャケジャケの実」については、「ジャケットになって人に着られたい奴がいたのかな?」「ジャケットになってまで、誰かの人格を乗っ取りたかったのか」「そういう変態こそ、願望の力は強いのかな」と、困惑の声が上がっています。

 身体の部位を好きな場所に咲かせられる「ハナハナの実」に関しては、「分身を望んでるのか?」「日常生活では便利そう」という意見もありましたが、「ネーミングを『ハナハナ』にした人の感性が独特」というツッコミも入りました。また、ロギア系の実に関しては、「雷やマグマになりたい人っている?」と疑問の声が出ています。これに関しては、「大自然の力は脅威だし、その強大な力を扱いたいと願っただけかも」「全部が要望通りに悪魔の実の能力として表されているとは限らない」と、考察する声もありました。

 その他「『ヒトヒトの実』が、魚人や巨人たちの『普通の人間になりたい』って願いから誕生した悪魔の実だったら泣ける」「『ヤミヤミの実』を考えた人は厨二病なの……?」「『グラグラの実』を望んだ奴は危険人物すぎる」「相手を『メロメロ』にしたいとは思うけど、石になってほしいかな?」など、悪魔の実の新たな可能性が示されたことでネット上では議論が白熱していました。

 また、それぞれの悪魔の実は世界にひとつしかないものの、類似している能力も多く、上位、下位互換も存在します。そのため、「いつの時代の話かは分からないけど、もうすでに存在するメジャーな能力を真似しようと誰かが願った結果、ニッチな悪魔の実が生まれたのかもしれない」「『キロキロの実』は絶対、『トントンの実』に憧れた人が願ったものだろ」「逆に下位互換の実が先に存在して、後から改良点が加わったものが生まれた場合もあるのでは」と、実が生まれた順番に関する考察も出てきました。

 未来の時間に移動できる「トキトキの実」を食べた光月トキが、800年以上前に生まれていたことは確かですが、いつから悪魔の実が存在するのかはまだ不明です。世界政府誕生以前の900年以上前に存在していたという「王国」や、ずっと考察されている「空白の100年」とはどう関係するのか、謎が明かされる日はいつなのでしょうか。