ウルトラの母を立体化した、「RAH リアルアクションヒーローズ ウルトラの母 1/6スケール 塗装済み可動フィギュア」(メディコム・トイ)

【画像】「銀色のおさげ」にも意味があった? ウルトラの母のプロポーション(6枚)

『ウルトラマンタロウ』1話を改めて確認してみると…

 時代を超えて愛される『ウルトラマンタロウ』の第1話「ウルトラの母は太陽のように」は、展開、特撮、脚本のいずれも、ファンの間で非常に評価の高い出来栄えとなっています。ところで、この第1話に関してどうしても「真相」を確かめたい不思議な記憶があります。

 タイトルが示す通り、第1話はタロウの初登場でもあると同時に「ウルトラの母」が初登場する回でもあります。真相を確かめたいのはまさにこの「ウルトラの母」に関するもの。

 筆者の記憶では初登場時、どう考えてもウルトラの母が「おっぱい丸出し」だったのです。それはほとんどのウルトラ戦士がそうであるように衣服をまとっていない、という意味ではありません。明らかに私たちの知るウルトラの母の銀色ボディとは違い、完全にトップレス。普通に乳房とその突先があった気がしてならないのです。

 ということで早速、第1話を改めて確認してみましょう。問題のシーンは物語の中盤。主人公・東光太郎にウルトラマンタロウとしての命を授ける場面。太陽(のような光)を背にウルトラの母が登場するのですが……やはり「丸出し」でした。記憶は間違っておりませんでした。直前までマントを羽織っているので、余計に露出が目立ちます。これはいったい、どういうことなのでしょうか。

 調べてみると、当時の制作現場の事情が色々とわかってきます。まず、この時の「ウルトラの母」ですが、実は急ごしらえだったのです。母のスーツの完成が間に合わず、仕方なくマスクはウルトラマンのものを、そしてボディは全く別番組のトリプルファイターのものを改造したものを使った……というではありませんか(ボディに関しては諸説あります)。なるほど、こうみると「ウルトラの母」が初登場時だけデザインが違うことに合点がいきます。

 しかし、まだ疑問が残ります。仮に改造したスーツだったとしても、なぜ気になる部分をあれほど「大きく」仕立てあげたのか。そしてなぜ「突先」まで用意したのか……放送から50年が経過した今も、その真相は逆光で見えないのです。