バーチャルポケモンの「ポリゴン」は、TVアニメの「ポケモンショック」とともに記憶されるようになった

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現在もメディア露出が少ない「ポリゴン」

 今年2022年12月で、いわゆる「ポケモンショック」から25年が経過しようとしています。

「ポケモンショック」とは1997年12月16日、テレビ東京系列で放送されたアニメ『ポケットモンスター』の第38話「でんのうせんしポリゴン」を観た一部の子供らが強い光の明滅に「光過敏性発作」と見られる症状を起こし、実に700人近くが病院に搬送された……とされる事故が発生しました。その後、アニメ『ポケモン』は長期にわたり放送休止になりました。

 この事件以降「テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見てね」という注意喚起が画面に表示されるようになり、アニメ業界のみならず映像メディア全体に大きな影響を与えたのです。そして時が過ぎ「ポケモンショック」という呼称は、気づけば「ポリゴンショック」に名前を変え、アニメの当該エピソードは欠番になってしまいました。

 この「放送休止」が濡れ衣に拍車をかけます。実際、筆者が住んでいた地域では「遅れネット」放送ということでリアルタイム視聴はできず、ニュースの報道で事故のことを知り、実際のエピソードは観ることができませんでした。同様の環境にいた子供たちは報道から長い間完全に「ポリゴンが悪い」と思い込んでいたのです。

 ところが、ポリゴンは「冤罪」だというではありませんか。

 当該エピソードにおいて問題となった強い光の明滅を放ったのは、ミサイルを誘爆していたピカチュウであり、ポリゴンはほぼ無関係。たまたま主役回だっただけというのです。それなのに、以降ポリゴンは無実にもかかわらずアニメ『ポケットモンスター』において完全に干されてしまいました。ここに「芸能界の闇」(?)を感じてしまいます。

 幸いにしてSNSでは定期的にこの事故、騒動を振り返り、「ポリゴンが冤罪である」ことを拡散してくれる方が定期的に現れます。

 38話が欠番であり、真実にアクセスする術(すべ)がない以上、本記事も含めて「ポリゴンは悪くない。あとピカチュウが悪いわけでもない」ということを伝え続ける必要があるでしょう。そして、「遅れネット」民としては、再編集された38話をいつかこの眼で確かめたいのです。