最大653万部を記録した1995年新年3・4合併号 (C)週刊少年ジャンプ1995年新年3・4合併号/集英社

【画像】一番売れた「週刊少年ジャンプ」だけあってスゴかった!「後ろのほう」の掲載作品(6枚)

巻頭に『ドラゴンボール』のポスターカレンダー

 「週刊少年ジャンプ」1995年3・4合併号は、「週刊少年ジャンプ」史上最大の発行部数653万部を記録した号です。ページ数は508ページのため、総計すると33億ページ以上のマンガが印刷された計算になります。入稿・印刷・出荷はどのような状況となっていたのか、ぜひ関係者から当時のお話を聞いてみたいものです。

 さて、この号では新年ということもあり、巻頭に『ドラゴンボール』のカレンダーポスターが付いています。折り目が四か所もある横長のものですが、こういったものをどうやって製本していたのか知りたくなるのは歳を取ったせいでしょうか。

 巻頭のマンガは井上雄彦先生の『SLAM DUNK(スラムダンク)』。全国大会に出場した湘北高校が、豊玉高校との対戦で後半を迎えた場面です。全ページがカラーとなっているのも合併号ならではの華やかさでしょうか。

 二番目の掲載は桂正和先生の読み切り『SHADOW LADY』です。なんと46ページの大ボリュームで、その後1995年31号から連載作品となりましたが全23話で終了しています。『SHADOW LADY』自体は「Vジャンプ」の前身である「週刊少年ジャンプ特別編集増刊 V JUMP」で連載されていたため、この読み切りは2度目のマンガ化となります。

 三番目はかずはじめ先生の『MIND ASSASSIN(マインド アサシン)』の第4話。かずはじめ先生にとって初めての連載作品であり、かなり苦労されたのではないでしょうか。

 四番目は『ドラゴンボール』。この号でちょうど連載500回を迎えた記念すべき回です。超ゴテンクスを急襲した魔人ブウと孫御飯の間で激闘が繰り広げられますが、圧倒的なパワー差の前に御飯は防戦一方へと追い込まれます。しかしこの状況を見かねた大界王神が孫悟空に自らの命を与え……というエピソードでした。

 五番目はつの丸先生の『みどりのマキバオー』の6話が掲載されています。他の馬と走る機会を得たマキバオーですが、周囲に邪険にされて思い切った走りができません。チュウ兵衛親分に叱咤されたマキバオーはついに本気で走り出し、その実力を示すのでした。

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後半には、二度目のアニメ化を果たした作品の「名シーン」が

 ここからはガモウひろし先生の『とっても!ラッキーマン』、和月伸宏先生の『るろうに剣心』、高橋ゆたか先生の『ボンボン坂高校演劇部』と続きます。

 その次は梅澤春人先生の読み切り作品『NANPO UDEN南方遊伝』が掲載されています。なんとこの時期連載されていた『BOY』との二本立てです。梅澤先生は超人なのでしょうか。

 ちょうど中間地点となる位置の掲載作品は原作を真倉翔先生、マンガを岡野剛先生が担当した『地獄先生ぬ~べ~』になります。続くのが荒木飛呂彦先生の『ジョジョの奇妙な冒険』Part4で、吉良吉影が猫草との激闘を繰り広げます。さらに高橋陽一先生の『キャプテン翼 ワールドユース編』、秋本治先生の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、徳弘正也先生の『新 ジャングルの王者ターちゃん』と続くのですが、改めて書き出してみるとあまりの豪華さに驚かされます。どれもこれも一時代を築き上げた作品ばかりなのですから。当時の読者は、どれほど贅沢な時間を過ごしていたのでしょうか。

 そして次に控えるのが『DRAGON QUEST―ダイの大冒険―』です。三条陸先生が原作を務め、稲田浩司先生がマンガを担当し、2021年に二度目のアニメ化を果たした名作です。この回ではキルバーンの殺しの罠にハマったポップが炎に包まれ絶望的な状況に追い込まれますが、死んだはずのアバン先生が突如姿を現し窮地を救います。アバン先生が再登場したときの衝撃は、今なお忘れられるものではありません。

 そろそろ終わりに差し掛かりますが、掲載タイトルは力強いものばかりです。原作・隆慶一郎先生、マンガ・原哲夫先生による『影武者徳川家康』、桐山光侍先生の『NINKU ―忍空―』、北条司先生の『RASH!!』、森田まさのり先生の『ろくでなしBLUES』、梅澤春人先生の『BOY』、宮下あきら先生のボクシングマンガ『BAKUDAN』と「週刊少年ジャンプ」読者であればなじみのある作者ばかりです。

 ラストを飾るのが、なにわ小吉先生の『王様はロバ ~はったり帝国の逆襲~』となります。ここまで密度の濃い作品が続いた後に登場するシュールなギャグマンガは、一服の清涼剤の感があります。

※1月10・16日特大号と表記されていますが、物流の問題や出版業界の慣習の影響もあり、実際の発売日は12月の下旬となります。ご了承ください。