2022年秋は、新作アニメ超豊作のシーズン!

 2022年10月28日開始『アークナイツ』や、11月3日開始『「艦これ」いつかあの海で』も始まって出そろいつつ、その大半が折り返しを迎えた2022年秋の新作アニメ。その数、なんと70作品以上にものぼります。

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 さらに質の面でも粒ぞろい。『僕のヒーローアカデミア』や『弱虫ペダル』『BLEACH』といった少年マンガ原作のアニメは序盤から大きく盛り上がり、『SPY×FAMILY(スパイファミリー)』や『モブサイコ 100』『ゴールデンカムイ』『アイドリッシュセブン』『ヤマノススメ』などの人気作はさすがの安定感を見せています。そして『ぼっち・ざ・ろっく!』『ブルーロック』『不徳のギルド』『恋愛フロップス』といったフレッシュな面々も充実。2022年秋は超豊作のシーズンと断言していいでしょう。

 今回はそんな秋の新作アニメから、筆者が考える「放送後に大きな伸びを見せた」アニメを3つ紹介します。

とにかく絵が楽しい『Do It Yourself !! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』



『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』ビジュアル (C)IMAGO/avex picutres・DIY!!製作委員会

『Do It Yourself !! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』は新潟県三条市が舞台のものづくり(DIY)を扱ったオリジナル作品です。放送前は『ゆるキャン△』や『スーパーカブ』、『スローループ』といった女子高生が趣味性の強いものに挑戦する定番ジャンルのひとつかな……くらいの期待値でしたが、その期待以上に楽しんでる人も多いはず。

 特筆したいのが絵の楽しさ。主人公の「せるふ」たちがかわいらしく、本格的なDIYシーンもさることながら、その他のシーンも動きや構図などもいちいち楽しく見ごたえがあります。とは言えのんびり屋のせるふとDIY部の面々らがかもし出す雰囲気は緩めで、気楽に見られるコメディであることも確か。多くの人が楽しめる1作でしょう。

滋味深い物語に魅せられる『後宮の烏』



『後宮の烏ビジュアル』 (C)白川紺子/集英社,「後宮の烏」製作委員会

『後宮の烏』は白川紺子さんによる小説シリーズが原作の「中華幻想譚」。後宮に住む妃ながら夜伽をすることなくひっそりと暮らす、烏妃(うひ)と呼ばれる孤高の存在が主人公・柳寿雪(りゅう・じゅせつ)のミステリー風味のファンタジーです。

 女王蜂によるオープニングテーマ「MYSTERIOUS」のサビこそどキャッチーなものの、本編は寿雪が舞い込んできた依頼を不思議な術を使って解決するだけなので、一見すると地味かもしれません。たしかに戦闘など派手な展開があるわけではないですが、じっくり噛み締めながら見るとミステリーやホラーといったテイストが盛り込まれたストーリーに引き込まれること間違いなし。現在人気を集める同じ後宮ものの作品『薬屋のひとりごと』などの雰囲気が好きな人にはぜひ見てほしい作品です。

こんなタイトルなのに…『ある朝ダミーヘッドマイクになっていた俺クンの人生』



『ある朝ダミーヘッドマイクになっていた俺クンの人生』 (C)俺クンの人生製作委員会

 ショートアニメからも1作ご紹介。「新感覚ASMR(聴覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応・感覚のこと)コメディ」を謳う本作は、ASMR部の部室でASMR甲子園を目指す女子高生ふたりに挟まれたダミーヘッドマイク(人間の頭の形をした録音機)に、主人公の「俺クン」が転生したところから始まるアニメです。

 そんな触れ込みなので、前代未聞のダミーヘッドマイクが主人公のアニメになると思いきや、俺クンは2話にして自転車のサドルに転生! それ以降もパリパリチキン、枕、おしゃぶり、物差しと節操なく転生し、さまざまなシチュエーションで女の子たちの素敵ボイスを間近に聴くことになります。やや人を選ぶかもしれませんが、俺クンが何に転生するか、そして彼を演じる杉田智和さんのリアクションなど単純明快な楽しさにあふれたアニメです。

あなたの今期一番の推し作品は?

 3つの作品を紹介しましたが、これらはあくまで筆者が感じた「放送後に大きな伸びを見せた」アニメ。先述した通り、この秋は本数が多いだけに、ほかにも多くの名作になりそうなアニメがあります。年末まで残り1か月ほど、引き続きこの超豊作シーズンを楽しみましょう。