尾上菊之助「強いメッセージを届けられるのではないか」 『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』製作発表会見

木下グループ presents『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』製作発表会見が11月29日(火)に東京・東京會舘で行われた。

本作は、2001年7月に「ファイナルファンタジー」シリーズの第10弾として発売されたゲーム『ファイナルファンタジーX』の歌舞伎化。大いなる脅威『シン』に立ち向かう少年と少女の切ない物語が描かれる。

尾上菊之助 コメント

この物語は心がバラバラだった登場人物たちが、物語が進むうちに心を通わせ葛藤を乗り越え成長するというストーリーです。キャラクターが諦めない姿勢はコロナ禍の世界、戦争が起きている世界に、強いメッセージを届けられるのではないかと思いました。中でもマカラーニャ湖でティーダとユウナが心を通わすのは原作の名場面です。水中の場面は歌舞伎のような本水を使わず、8メートルの巨大スクリーンを使用した演出を予定しております。どんな表現になるか、ぜひご期待ください。

中村獅童 コメント

菊之助さんと共演させていただくこと自体が約10年ぶりだったのでお話をいただいたときはびっくりしましたが、熱い気持ちでオファーをくださってうれしかったです。衣装合わせの際も菊之助さんとともに意見を出し合いながら作ったので、実際に袖を通した時にはテンションが上がりました。今回は周辺施設とのコラボやキッチンカーもありますので、アミューズメントパークへきてもらうような気持ちで見てもらえたらうれしいです。

尾上松也 コメント

シーモアという役をいただいて、衣装に袖を通した時には、高揚感が湧き舞台へのボルテージがどんどんあがっていくのが楽しかったです。長時間のお芝居ですから、世界観に浸っていただきながら楽しんでいただけると最高ですね。僕自身も周辺施設とコラボした特別プランを利用して、菊之助さんのウェルカムメッセージをいただきながら劇場に通いたいなと思います(笑)。

坂東彦三郎 コメント

私の演じるキマリはほかの方とは色の違う役柄で不安な部分もありますが、とても素晴らしい勢いのある共演者が集まっているので、皆さんの熱に負けないよう、いろいろ考えながら務めていきたいと思います。キマリの衣装に関しましては、菊之助さんも再現度が高いと言ってくださいましたし、松也さんに関しましては、「誰?」と言っていただきました(笑)。歌舞伎らしさもあり、キマリとしてハマったなという自信があります。

中村梅枝 コメント

今回、お誘いを受けて大変光栄ですし、原作ファンとして何かお力添えができればと思いました。僕は原作を5周ほどプレイしているのですが、今回ルールーを演じるにあたって、ルールーだけに注目をしてプレイをしてみたところ、また新しい発見がありました。世界中で愛されているゲームですので、ティーダとユウナの旅を少しでも支えていけるように、原作に敬意を持って演じさせていただきたいと思っております。

中村米吉 コメント

ゲームをプレイしながら、ユウナというヒロインが魅力的であればあるほど、この作品が魅力的になると感じたので、しっかりとユウナとして、旅を進めていけたらと思います。衣装は工夫をして歌舞伎らしく魅力的な衣装ができあがりました。写真を(坂東)彦三郎兄さんに見せたところ胸が小さいというお叱りも受けましたので、改良をさせていただきました(笑)。まずはビジュアルの再現度を少しでも近づけるよう頑張りたいと思います。

中村橋之助 コメント

僕は今回のお話しをいただいて初めてゲームをプレイさせていただきました。ワッカらしく、楽しく、のびのびと、お兄さん方の力を借りながら、自分自身も楽しんでこの『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』の力になれるよう、頑張ります。僕の友達に「FF」の大ファンの子がいまして、「ストーリーを知らないことがうらやましいくらい良いストーリーだ」と聞きましたので、今からとても楽しみです。

上村吉太朗 コメント

この作品は2001年に発売されましたが、私が生まれたのもちょうど2001年ということで不思議なご縁を感じます。とても重要なキャラクターだと思いますので、大切に務めたいです。リュックは露出が多めの衣装のため、僕が「こんな恰好をできるのか」と不安だったのですが、衣装合わせの際に普段の歌舞伎とは違ったホットパンツに金髪をかぶりました。人生で1度も髪を染めたことがなかったので本番が楽しみです。

北瀬佳範(SQUARE ENIX) コメント

菊之助さんより、ビデオレターをいただき、伝統芸能である歌舞伎と、芸術分野としては最後発のゲームを融合するということではじめは想像がつきませんでしたが、しっかりプレイされて理解された上で熱く語っていただいたので、『ファイナルファンタジーX』を預けることに不安はありませんでした。一観客として、完成はどのようなものになるのかワクワクしております。ぜひ期待してお待ちいただけたらと思います。

公演は2023年3月4日(土)~4月12日(水)に東京・IHI ステージアラウンド東京(豊洲)で行われる。

撮影:阿部章仁