10月よりスタートしたアニメ『BLEACH 千年血戦篇』に絶賛の声が寄せられています。その理由は作画クオリティとアニメオリジナルシーンにある?

10年振りにTV放送が再開したアニメ『BLEACH』(テレビ東京系ほか)。原作漫画の最終章にあたる『千年血戦篇』のアニメ化ということもあり、第1話が放送されるとSNSでは多くの感想が寄せられました。

そんなファンの声のなかで、とくに多いのはアニメ作品としてのクオリティの高さに関する感想です。今回は原作や前シリーズのアニメファンを唸らせる作画や演出に注目して、アニメ『BLEACH』千年血戦篇の魅力を探ります。



『BLEACH 千年血戦篇』

美しさの増した一護たちが放つ技の数々

2004年10月にTV放送を開始し、2012年3月までテレビ東京系列ほかにて放送されたアニメ『BLEACH』。千年血戦篇は2022年10月から放送・配信が開始されましたが、第1話の放送開始前に公開されたPVから作画のクオリティが話題となっていました。とくに前シリーズから大きく変わったのは各登場人物の放つ技の数々です。

主人公・黒崎一護の放つ「月牙天衝」は前シリーズの序盤からおなじみの技であり、作品を代表するキーワードのひとつです。白や黒の光をまといながら斬撃を放つ技ですが、千年血戦篇では光をまとう際や斬撃を放つ際に光の粒子が飛び散るようになり、前シリーズよりも技の質感をリアルに感じることができるようになったといえるでしょう。

TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇』ティザーPV
via www.youtube.com
一護の月牙天衝だけでなく、敵対勢力に当たる滅却師(クインシー)たちが放つ青く光る技の数々もCG技術の向上を感じられるものばかり。第3話で滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)を披露したキルゲ・オピーの青い翼は暗闇に包まれた虚圏(ウェコムンド)との対比もあいまって、神秘的な美しさを覚えるものであったと感じます。
千年血戦篇で戦いの舞台となる虚圏や尸魂界は薄暗い雰囲気で描かれます。滅却師たちの幻想的な青く輝くさまは薄暗い背景との対比もあいまって原作以上に神々しく見えるのです。

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原作の世界観を拡張するアニメオリジナルシーン

彩りや動きのある描写と共に、オリジナルシーンの追加もアニメ化の大きな魅力のひとつでしょう。本作においてもアニメオリジナルとなるシーンが多く描かれています。
第1話では一護を襲撃したアズギアロ・イーバーンが空座町の五差路で膝をつくシーンが描かれました。五角形の中心から各角の方角へ直線が伸びた図形は滅却師のもつ「滅却十字(クインシー・クロス)」と一致するものであり、第1話時点では謎に包まれたままのイーバーンが滅却師側の人物であることを示唆する伏線となりました。
第2話で追加されたのは滅却師の親玉・ユーハバッハが虚圏を侵略する様子です。虚圏の住人であるティア・ハリベルが滅却師たちに囚われるまでの経緯や、ネル・トゥが一護に助けを求めるまでの様子などがオリジナルシーンとして追加され、彼女たちが感じた絶望がより表現されたといえるでしょう。