「キン肉星王位争奪編」の決勝戦前、ウォーズマンはマンモスマンに奇襲され病院送りにされる。画像は「『キン肉マン』ベストバウトDVD へのつっぱりはいらんですよ!!コレクション」PPV-DVD(東映ビデオ)

【画像】逆に生き返らないのか…読者に衝撃を残した超人たち(4枚)

まさに超人! 死んではすぐ生き返るヒーローたち

 マンガ『キン肉マン』に登場する超人たちは、試合に負けると「死亡」してしまうことがあります。読者が悲しみに浸っているのもつかの間、次のシリーズでしれっと生き返り「死とはなんなのか?」と考えさせられることも。そんなすぐ死んじゃうけど、すぐ生き返る超人たちを振り返ります。

強キャラ、ロビンマスクでさえも死亡の憂き目に

 イギリス出身のロビンマスク。アイドル超人(正義超人)のなかでも強キャラとして描かれていますが、よく死にます。まず「7人の悪魔超人編」でのアトランティス戦。上野の不忍池に設けられた特設リングでの戦いでロビンは敗北。作中では明確に「死亡」の文字が表記されています。しかしこのシリーズの最終版、キン肉マンとの戦いに敗れたバッファローマンが友情の心に目覚め、その命を死んでいったロビンらに分け与え復活しました。

 続いては、「キン肉星王位争奪編」では、キン肉マンチームとして、キン肉マンスーパー・フェニックスチームとの決勝戦に挑んだロビン。この戦いでは、燃え切ったら存在が消滅してしまう超人予言書を守りながら戦うイリミネーション・ルーレット・マッチが行われ、ロビンはマンモスマンと一騎打ちに。お互い、体が徐々に消えていくなか、ロビンが勝利しますが、肉体は完全に消滅。その後、キン肉マンの「フェイスフラッシュ」で甦りました。

強敵とマッチメイクされてしまうウォーズマンは死も致し方なし

 強敵と戦うことが多かったウォーズマン。「7人の悪魔超人編」ではアイドル超人側に与(くみ)し、バッファローマンと戦いますが、ハリケーンミキサーを受け立ったままK.O(死亡)。しかし後に改心したバッファローマンにより蘇生します。「黄金のマスク編」では、試合ではなくプラネットマン対キン肉マン戦をめぐり死亡。のちにキン肉マンのおかげで生き返りました。

 続いて「夢の超人タッグ編」でヘル・ミッショネルズのクロスボンバーを受け敗北。後の「キン肉星王位争奪編」で超人墓場にいたので死亡していたことが分かります。ただこの墓場からはドクターボンベの助力で脱出、生き返りました。



テリーマンはヘル・ミッショネルズ戦で一瞬死ぬがすぐ生き返る。画像は「『キン肉マン』「超人」初回限定ケース版」学研の図鑑(学研プラス)

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主人公・キン肉マンでさえも落命……

そんなウォーズマンに敗北した超人たち。最後には……

 登場初期は残虐ファイトを売りにしていたウォーズマンは、超人オリンピックでティーパックマンの胴体をスクリュードライバーで貫き勝利。ペンタゴン戦ではベアークローで額から股間まで引き裂き圧勝。負けた両者は死んだと思いきや大会後の「超人オリンピックをふりかえって」というコミックスのページにコメントを出しているので生存。ウォーズマンは残虐といいながら致命傷を負わせない戦いっぷりは、この時点で正義超人の素質があったようです。

 その後、ペンタゴンは「夢の超人タッグ編」に登場し敗退。次のシリーズ「キン肉星王位争奪編」では、超人墓場で漂うペンタゴンとティーパックマンが描かれており死亡している様子。しかし決勝戦終盤、キン肉マンチームを応援する両者の姿があるので生き返ったようです。

キン肉マンは友情によって生き返る!

 死んですぐに生き返るのは主人公のキン肉マンも同じです。「黄金のマスク編」ではスニゲーターに勝利するも死亡。このとき、ウルフマンが自身の命を犠牲にしてパワーを送り、キン肉マンは息を吹き返しました。

 そして「キン肉星王位争奪編」でのキン肉マンマリポーサチームのミキサー大帝戦でのこと。大帝のミキサーにかけられたことでキン肉マンのパワーが超人墓場に行きました。ここで死んだ超人たちを見つけキン肉マン自身が「ここにいるのは(中略)死んでいった超人ばかりだ!」と言っているので、おそらくこの時点で彼は死んでいたのだと考えられます。この墓場で労働を強いられたキン肉マンですが、ウォーズマンと出会い、生命の玉をもらい墓場を脱出し地上に帰還しました。

強くはないけど主人公を蘇らせた功績は大きいウルフマン

 毎シリーズ命を落としていると言っても過言ではないのはウルフマン。「7人の悪魔超人編」ではスプリングマンに木っ端みじんにされたあと、前述にもあるバッファローマンが生き返らせてくれました。続いて「黄金のマスク編」ではキン肉マンを蘇生させるためのパワーを送り死亡しますが、悪魔将軍敗北後、「完璧なマスク」の光で生き返ります。

「夢の超人タッグ編」ではスクリューキッドとケンダマンの地獄のネジ回しで体を貫かれ敗北。このとき死んではいなかったようで、後にロビンの素顔を撮影しようとしたカメラマンを追い払うため登場。ところがすぐに死亡扱いになり、アシュラマンが「死んだ超人から腕が奪える」という能力を発動した際、ウルフマンの腕が生えてきました。その後、生き返った彼は「キン肉星王位争奪編」で死ぬことはありませんでしたが、ハワイ遠征していたことを明かしています。

 すぐ死んではすぐ生き返る超人たち。理屈は度外視して超人だからこそなせる業。読者だった少年時代、繰り返される生き死に戸惑いもしましたが、後のたぎるバトルで興奮したことを思えば些細なことだったのかもしれません。