スーパーファミコンの頃には、「Aボタン=決定」の認識が既に定着していた

【アンケート結果】「決定」は○ボタン? それとも×ボタン? 結果を見る

決定ボタン問題、アンケートは圧倒的な結果に

 ファミコン時代、決定をするボタンと言えば「Aボタン」が主流でした。当初はスタートボタンがその役目を担う場面も一部ありましたが、時代の変革やハードの移り変わりと共に、Aボタンが「決定」を担う形が一般化していきます。

 このスタイルはPlayStation系にも受け継がれ、名称こそ「〇ボタン」に変わりましたが、コントローラーの右側に配列された各ボタンの役割は、右側が「決定」(〇ボタン)、下側が「キャンセル」(×ボタン)と、その配置に変わりはありません。

 ですが海外では、右側が「キャンセル」、下側が「決定」といった、日本とは真逆のスタイルが定着。その波は日本にも届き、現行世代の最新ゲーム機「PlayStation 5」では「×ボタン(=下側)が決定」をデフォルトの操作に採用。世界的な傾向に沿う形を見せました。しかし任天堂は、今も「Aボタン(右側)で決定」を貫いており、決定ボタンの事情は今大きな変革期を迎えています。

 メーカー側にもさまざまな事情があるものの、大事なのはユーザー側の意識と認識。こうした事態を踏まえた上で、ユーザー側はどの位置にあるボタンを「決定」と考えているのか。その実態に迫ったアンケートの結果をご覧ください。

 なお、各ボタンの名称はゲーム機ごとに異なり、さらに任天堂とXbox系では、コントローラー右側に配列された「A・B・X・Y」の名称こそ同じですが、配置位置は違います。本記事では混乱を避けるため、任天堂系の「A(右)・B(下)・X(上)・Y(左)」、及びソニー系の「〇(右)、×(下)、△(上)、□(左)」の表記で統一いたします。

「十字配列の下側、「Bボタン/×ボタン」で決定」:8票

 回答者にとっての「決定ボタン」を尋ねたところ、回答数は87票集まり、そのなかで「Bボタン/×ボタン(=下側)で決定」を選ぶ声は、8票に留まりました。「決定は、Bボタン/×ボタン」といった認識は、全体の約1割程度を占めている模様です。

 海外ではこちらの形が主流ですし、現行のハードで見れば「PS5」や「Xbox Series X|S」がこちらのスタイル。また、携帯してPCゲームが遊べる「Steam Deck」も、「Xbox Series X|S」と同様、下側のボタンで決定します。

 世界的な基準で見れば、下側に配置された「Bボタン/×ボタン」が決定ボタンという認識が強く、こちらの回答を選ぶのもなんら不思議ではありません。しかし、割合を見てみると、日本での支持率はまだ低いことが分かります。

 なお、「どっちも頭に残っている」「ゲーム次第」「コントローラのグリップの形状次第で、どちらが押しやすいか変わる」といった、特定の決定ボタンにこだわらない意見(計5票)も寄せられました。

「長年変わらず「Aボタン/○ボタン」で決定」:74票

「Aボタン」もしくは「○ボタン」、配列的には右側に位置するボタンを「決定ボタン」と答えた意見は74票寄せられており、今回のアンケートでは圧倒的にこちらの認識が支持される結果となりました。

 海外の傾向や「PS5」の変革などはあるものの、これまでの任天堂ゲーム機の全般、そして「PS4」以前のPlayStation系列では、「Aボタン」や「○ボタン」といった右側のボタンが「決定ボタン」の役目を担ってきました。長年慣れ親しんだ操作方法だけに、染みついた感覚はそう簡単には変わりません。

 アンケートの結果を見ると、回答者の多くは「Aボタン/○ボタン」を支持しています。ですが、世界的な情勢とは真逆。これからの展開としては、最後の砦とも言える任天堂がどこまで「Aボタンで決定」を貫き通すのかが、ひとつの目安になりそうです。



SwitchとPS5を比べると、「決定ボタン」は真逆の配置に

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決定ボタンに違和感がある時、人はどう動くのか?

「違和感はあるけど遊んでいれば慣れるので、そのままプレイする」:32票

 では、自分の認識とゲームで設定されている「決定ボタン」の位置が違っていた時、人はどう対応するのか。この点についても尋ねたところ、89人中32人の回答者が「じきに慣れるので、そのままプレイする」と答えました。

 この対応は、慣れるまで誤った操作をする可能性もある一方で、継続的にプレイすることで問題を自然と解決できるという利点もあります。長く付き合うゲームであれば、設定を変えるより自分を変えた方がいい──こうした柔軟さを選ぶ人が、決して少なくないようです。

 例えば「PS5」の場合、基本的には「×ボタンで決定」ですが、互換機能を使ってPS4ソフトを遊ぶ場合、そのゲーム内では「〇ボタンで決定」になるケースが多々あります。そのたびに設定を弄るより、自分が慣れた方が早いと考えるのも、ごく自然の対応なのかもしれません。

「自分が操作しやすい方に「決定ボタン」の設定を変える」:57票

 決定ボタンの認識にズレがあった場合、「設定で変更する」と答えた人は57人にのぼり(無効 2票)、こちらの回答が過半数を占めました。ですが、割合で見れば全体の60%強なので、この質問への回答は圧倒的と言えるほどの偏りとはなっていません。

 誤操作はスムーズなプレイを妨げ、それがストレスに繋がると考えれば、決して小さな問題ではないでしょう。自分がその操作に慣れるというのも解決策のひとつですが、設定を調整して馴染んだ配置でプレイしたくなるのも、当然の話です。

 また「決定ボタン」以外でも、「攻撃ボタンは絶対にこれ」「このボタンでジャンプしたい」といった、決まった操作感を大事にしたい人もいます。難易度の高いゲームになると、ほんのわずかな反射の差が明暗を分ける場合もあるので、直感的に動ける操作方法を重視する気持ちも十分理解できます。

国内の「決定ボタン事情」、その先行きはまだ未定

 決定ボタンの認識は「Aボタン/○ボタン(=右側)」が大半を占めましたが、認識と操作が異なる事態に直面した場合、設定を変更するか自分を慣れさせるかは、どちらも一定の支持を集める結果になりました。

 国内では、「Aボタン/○ボタン」がまだまだ根強い「決定ボタン」。しかし、海外の流れが一変するとは考えにくく、国内もその形に統一されるのか、現状が維持され続けるのか、興味深いところです。