主人公のために最強装備「おうじゃのマント」をとりにいくも、大変な難関ダンジョンに四苦八苦 『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(C)1992, 2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX

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ブルーイーター、レッドイーター、エビルマスターの凶悪トリオ!

 RPGの醍醐味のひとつ、ダンジョン探索。お宝を目指して、あるいはボスを倒すべく、ワクワクしながら進みますが、なかにはあまりに難しくてもう二度と行きたくない、そんなダンジョンもありますよね。

 今回は「ドラゴンクエスト」シリーズのなかでも、多くの勇者パーティーを苦しめた、凶悪ダンジョンを紹介します。

『ドラゴンクエスト5』の難関ダンジョンといえば、封印の洞窟。主人公だけが身につけられる最強装備のひとつ、「おうじゃのマント」が手に入るダンジョンです。しかし、その行く手を阻むのが、ブルーイーター、レッドイーター、エビルマスターの凶悪トリオ。

 ブルーイーターもレッドイーターも素早さと攻撃力が高い上に、高倍率の特殊攻撃をしてきます。特にレッドイーターの「そらたかく まいあがった!」は2倍ダメージ。レッドイーターはその他にも、麻痺攻撃をしかけてきて厄介なことこの上なし。しかもこの2体、それぞれが別系統の魔法に対して耐性を持っているため、ひとつの魔法で一気に大ダメージを狙うことが難しくなっています。ややこしい!

 最後にその2匹を従えるのがエビルマスター。「ふしぎなおどり」でMPを減らしてきたり、「ベホマラー」で仲間を回復してくる上に、こいつなんとブルーイーターを呼んできます。めんどくさい! そのため真っ先に倒さなければいけませんが、エビルマスターが身を守ると、エビルマスターが助けに来るんですね。めんどくさいのがまた増えた! エビルマスターが中央、両脇にブルーイーターとレッドイーターが2体ずつセットで登場するパターンが多く、大変な消耗を強いられます。

 実は、「おたけび」や「メダパニ」で動きを封じたり、「ニフラム」や「ふうじんのたて」も有効で、これらを知っていれば、楽に対処することも可能です。しかし、インターネットもない当時の子供達はそんなことになかなか気がつくことはできず、大苦戦を強いられるのでした。



当時は宝箱からモンスターが出てくること自体に驚かされたミミック。画像は「フィギュア ひとくいばこ 『ドラゴンクエスト』 AM 光る貯金箱 ミミック&ひとくいばこ」

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黄金の爪を盗めば地獄の始まり…

 お次は『ドラゴンクエストIII そして伝説へ… 』の序盤に登場するピラミッド。ピラミッドを扱う創作物には、墓荒らしを退治するための罠や呪いがよく登場しますが、『ドラクエIII』のピラミッドでも、お宝を盗む輩には容赦がないダンジョンとなっています。

 ピラミッドと言えば忘れられないのがひとくいばこ。宝箱だと思ってうっかり開けると登場するモンスターです。こいつの攻撃力がとんでもなく高く、1発受けるだけでよくて瀕死、体力が少ない職業なら即死も十分あります。痛恨の一撃をもらおうものなら、まず立ってはいられません。その上「あまいいき」で眠らせてくるいやらしさ。あっという間にパーティーが壊滅することもあるでしょう。

 さらに、ピラミッドの地下には武闘家の最強武器「おうごんのつめ」が隠されていますが、これがまた罠なのです。手に入れると敵との遭遇率が跳ね上がり、ほんの数歩で戦闘になります。とりあえず「リレミト」でピラミッドの外に出ようとすると「しかし じゅもんは かきけされた!」のメッセージが。そう、実はピラミッドの地下では呪文が一切使えないのです。もちろん、戦闘でも。「おうごんのつめ」を盗もうとすると、すさまじい戦闘遭遇率のなか、ホイミすら使えない状態に。絶望的な状況にさらされる勇者一行でした。

文句なしシリーズ最凶 ロンダルキアへの洞窟

 そして最後はもう言わずもがなでしょう。ぶっちぎりのシリーズ最凶『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』に登場するロンダルキアへの洞窟。

 とにかくダンジョンの構造自体がいじわるそのもの。まず現れるのが、見えない落とし穴です。歩いていると、何もないただの床が落とし穴になっていて、下の階に落とされます。しかも、その落とし穴がひとつやふたつじゃありません、無数にあるのです。後のリメイク版では一度落ちた落とし穴は見えるようになりましたが、初代ファミコン版では、下の階から戻ってきたら、また落とし穴が隠されている状態でした。ですから、何度も、何度も同じ穴に落とされました。

 さらに、勇者一行を困惑させる無限ループ構造。同じような地形や、無限にループする道で、勇者パーティーを迷わせます。当時は攻略情報が乏しいですし、マッピング機能なんて気の利いたものはありません。落とし穴も、無限ループも、完全に覚えてしまうまでやりこんだり、自分で手書きのマップを作って攻略していました。

 何度も何度も死んで、何時間もかけて攻略し、やっとの思いでダンジョンを通り抜けると、待っていたのは白銀の世界、ロンダルキア台地。そして、そこに巣食う恐ろしいモンスターでした。

「ザラキ」で息の根を止めに来るブリザード、痛恨の一撃が恐ろしいサイクロプス、全滅必至の「メガンテ」を唱えるデビルロード。ボロボロになってダンジョンを抜け勇者一行、あと少し、すぐそこにあるロンダルキアのほこらにたどり着けば安全なのに…ロンダルキア台地に辿(たど)り着きながら、全滅して追い返されるプレイヤーは、少なくはなかったことでしょう。

「ドラゴンクエスト」シリーズ難関ダンジョンをご紹介しました。特にロンダルキアへの洞窟は、なかなか今時のゲームでは味わえない苛烈なダンジョンです。当時はこれを、インターネットの情報網もなく、手探りでクリアしていたのですから大変なものでした。しかしだからこそ、夢中になって、時間をかけて攻略した時の達成感も、素晴らしいものでした。