ファミコンゲーマーの常識とすら言えそうな『スーパーマリオブラザーズ』無限1UP (C)Nintendo

【画像】懐かしい! 裏技とともに隆盛した名作ゲームたち(6枚)

みんなが夢中になったあの「裏技」たち!

 ファミコン、メガドライブ、PCエンジン、PlayStation…さまざまなハードが切磋琢磨して隆盛したビデオゲームは、開発者が仕込んだコマンドや要素、時には仕様のスキを突いたりした「裏技」が彩りを添えてきました。数多のプレイヤーに新たな楽しみを提供した有名な裏技のなかから、筆者にとっても印象深い4つを紹介します。

名付けて無限増殖!『スーパーマリオブラザーズ』

 1983年に発売された『スーパーマリオブラザーズ』では、マリオが踏んで得点を得られるものを着地することなく踏み続けると100点、200点、400点……と得点が少しずつ増えていきます。

 そして10回踏んで8000点のスコアをゲットすると、11回目から1回踏むごとに1アップ(マリオの残り人数がひとり上昇)! マリオの「無限増殖」、「無限1UP」などと呼ばれ、インターネットがない時代でも全国的に広まりました。

 しかし、無限というのはいささかオーバーな表現でした。本作はマリオの残り人数が8bit(最大8桁の符号付き2進数=-128~+127)で管理されているため、残り127人の次はなんと-128(≒0)人になってしまいます。つまり、実際のところは「マリオを128人以上に増やすと、1回ミスしただけで確実にゲームオーバーになる」という現象が待っていました。

 理屈はともかく、「128人以上に増やしたらアウト」という現象は理解できていた当時のゲーム少年たちは、「15、16、17人……」とお風呂に浸かる小さな子供のように律義に数を数えながら無限増殖に励んでいたことでしょう。今思うとなんだかほほえましいですね。

 この増殖技が開発スタッフの意図したものであったかは分かりませんが、本作の続編にして高難度バージョンともいえる『スーパーマリオブラザーズ2』では、最初のステージである1-1の冒頭で無限増殖できる地形が用意されていました。

 まるで「残り人数を増やしてクリアできるものならしてごらん?」と挑戦状を叩きつけてくるスタッフの姿が目に浮かぶようです。実際、筆者は『2』をクリアするまでに何百人のマリオを犠牲にしたか覚えていません。

カジノ職員、痛恨のミス!?『ドラゴンクエストIV』

 ファミコン版『ドラクエIV』におけるカジノは訪れる章によってコインの価格が変わりますが、第5章でカジノコインを一度に「838861」枚購入しようとすると、なんと4ゴールドで購入できる、という裏技がありました。

 これも先述の『スーパーマリオ』と似たような話になってきますが、本作のゴールドは6桁の16進数で管理されており、端的に言い換えると、1677万7216までカウントするとそこでオーバーフローし、0として判断されてしまう……という現象が発生します。

 そして第5章ではカジノコイン1枚が20ゴールドで販売されていますので、「838861」枚購入しようとすると本来の料金は1677万7220ゴールド…になるはずが、上記の現象により差し引きで4ゴールドになってしまうのでした。これで景品がもらい放題に!

 ここからは余談ですが、本作は第2章と第3章でもカジノを訪れることができますが、カジノコインの1枚あたりの価格はそれぞれ異なるものとなっていました。なぜ章ごとに価格がポンポンと変わっているのかというと、「章と章の間でそれなりに月日が経っているから」という解釈があります。

 たとえば、第1章は王宮戦士ライアンが子供たちの失踪事件を捜査する話が描かれますが、真相は「魔物が将来勇者になるかもしれない子供たちを誘拐していた」というものでした。つまり、本作の主人公である勇者も「第1章時点では誘拐された子供たちと同じくらいの年齢だった」可能性があるのです。

 これが公式設定というわけではありませんが、久美沙織さん著『小説 ドラゴンクエストIV』ではそうした解釈をふくらませ、第1章から第5章までで数年の年月が流れているという描写がされていました。



「PCエンジン mini」収録の『グラディウス』より (C)Konami Digital Entertainment

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世界一有名な隠しコマンド!『グラディウス』

 1985年にファミコンでリリースされたコナミの横スクロールシューティングゲーム『グラディウス』では、ポーズをかけて「上・上・下・下・左・右・左・右・B・A」と入力してポーズを解除すると、自機であるビックバイパーが最強に近い状態にまでパワーアップする裏技がありました。

 元々は開発時のデバッグ(テストプレイを繰り返してバグを洗い出す作業)用に用意されていたものだそうですが、スタッフがうっかり削除し忘れてそのままリリース。それが「コナミコマンド」と呼ばれて広く愛好されるようになり、今日では「もっともよく知られている隠しコマンド」としてギネス世界記録にも登録されています。

 シリーズ初期作品では「ステージをクリアした回数+1」回までしかこのコマンドを使用できない制限があり、シューティングゲームが苦手な人への救済策であると同時に「これが最後の1回だぞ」と緊張感も失わせない仕様になっていました。

 また、具体的にどのような効果を得られるかはタイトルによってさまざまで、スーパーファミコンでリリースされた『グラディウスIII』ではポーズ中にこのコマンドを入力すると、なんとビックバイパーが必ず自爆!

 同作では、従来のコマンドの代わりに「上・上・下・下・L・R・L・R・B・A」と入力することで従来のパワーアップを行えるという、遊び心に満ちた裏技が用意されていました。当時のプレイヤーは、多くの人がこれに引っかかってしまったのではないでしょうか。筆者は見事に爆散しました。

ゲーム中のBGMを差し替え!『リッジレーサー』

 1994年12月3日、ナムコ(現 バンダイナムコエンターテインメント)によるレースゲーム『リッジレーサー』が初代PlayStation本体と同時リリースされました。本作はゲーム起動時に長めのロード時間が発生し、プレイヤーはロードが終わるまでの間、同社の『ギャラクシアン』をミニゲームとして遊べました。

 このロード時間はゲームを始めたあとのユーザーの没入感を阻害しないためのもので、本作はここでBGM以外のデータをほぼすべて読み込み終えるという仕様になっていました。つまり「ゲームスタート後であれば、ゲームソフトを取り出してもBGMがなくなること以外は問題なくゲームを遊べてしまう」のです。

 当時からこの仕様に気づいていた一部のユーザーは、「スタート後にソフトを取り出し、代わりに好きな音楽CDを入れてプレイする」という遊び方をしていました。こうすると、プレイ中のBGM選択でそのCDに収録されているトラックを選べるというわけです。「仕様上はそういう遊び方もできる」というだけですので、もちろんCDの曲名などはゲーム中には反映されませんでしたが。

 その後、時代が下り2000年代に入ると、PSP、PS Vita、PS3、Xbox 360などでゲーム内から任意の音楽ファイルを読み込んでゲーム中のBGMを好きに差し替えられる「カスタムサウンドトラック」機能が登場しました。ディスクを差し替える初代『リッジレーサー』の裏技が、期せずしてその昨日の先駆けになっていたというのが面白いですね。