2022年9月9日(金)に発売された『スプラトゥーン3』(C)Nintendo

【画像】新ブキがイカす! 『スプラトゥーン3』プレイ画面(3枚)

「味方がクソ!」口が悪くなるプレイヤーたち

 2022年9月9日(金)発売からわずか3日間で345万本もの売上を見せた『スプラトゥーン3』(以下、3)。シリーズの持つポップなデザインに惹かれ、本作からデビューを果たした人も多くいます。

 しかしながら「もう少し上手くなってから……」と、シリーズの醍醐味でもあるオンライン対戦に尻込みしてしまうビギナーは少なくありません。『スプラトゥーン』(以下、スプラ)は「プレイがうまい人ほどストレスをためやすいゲーム」と言われるほどで、「自分の下手なプレイで迷惑をかけたくない」と心理的なハードルを感じる新規参入者も多いと考えます。

 上達するほどストレスをためやすい理由はどこにあるのでしょうか。まず、チーム選定時のランダム性があげられるでしょう。対戦ルールは複数あるものの、自分好みの「ブキ」でインクを塗ってエリアを拡大し、相手プレイヤーをキルすることが勝利につながること、ランダムに選出された4対4のプレイヤーでバトルが行われる点は共通しています。

 勝利条件を達成するには、エイム力やうまい立ち回り、味方との連携などさまざまなプレイスキルが求められます。しかし、偶然マッチした強い味方の活躍で「何となく」勝ててしまう試合も珍しくありません。逆もしかりで、自分がいくら強くても、味方が未熟であれば勝つ事が困難になります。試合結果を振り返り、つい「自分は悪くないのに」とケチな気持ちになるツワモノも少なくありません。

 このことは、発売以降初めて行われた「フェス」が終わった今、ゲームに慣れてきた新規参入者も同様でしょう。ルールに応じた動き方を理解している強いプレイヤーほど、敵チームではなく、味方チームの動き方にアラを発見しやすくなってしまうのです。

 また本作は1試合3分~5分と短時間で決着がつきます。「ともすれば次こそ勝てる」と思える仕組みとなっており、初心者であっても“やめ時が分からなくなる程ハマってしまう”ことは本作の魅力のひとつです。しかし、試合前半に優勢であっても、残りわずかな時間で戦況をひっくり返されてしまうことは、珍しくありません。連続して負けが続くと、イライラしてしまいます。

 試合結果は単純な勝ち負けのほか、「塗りポイント」や「アシスト数」などさまざまな評価ポイントが設けられているため、正確には、勝ち負けに執着しなくても楽しめる工夫が凝らされているのですが……「せっかくなら勝利したい」のがプレイヤーの性(さが)なのです。

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それでもみんなと一緒に「スプラ」がしたい!

『3』の魅力はオンライン対戦だけではありません。なぜイカとタコの世界なのか、そもそもこの地球にはどうして哺乳類がいないのかなど、ファンシーな世界観からは想像もつかない骨太なストーリーを掘り進めるひとり用「ヒーローモード」や、香港を思わせる架空のアジアンシティ「バンカラ街」を散歩するだけでも楽しめます。

 しかし、シリーズの醍醐味はやっぱりオンライン対戦。同じゲームのファンなのだから、一緒に「ガチバトル」や「サーモンラン」をしたいという本音は、経験・未経験関係なく持っているはずです。

 多くの人がゲームに求めるのは娯楽であり、プレイしてストレスをためてしまっては本末転倒です。ウデマエをもった方は、イライラしてしまうことを上達の証と捉えてみてはいかがでしょうか。仮に負け試合にバッティングしてしまった際も、ビギナーの手本となるよう余裕を持ってプレイすることで、『3』からの新規参入者をさらにスプラ沼に引き込むチャンスだと捉えることができるのではないでしょうか。