中村倫也が青山一を演じたTVドラマ「珈琲いかがでしょう」メインビジュアル  (C)「珈琲いかがでしょう」製作委員会 (C)コナリミサト/マッグガーデン

【画像】癒されると思ったらゾッとさせられる! 中村倫也出演の作品たち(9枚)

実写化不可能と言われた悪役まで怪演

 2005年にデビューした俳優・中村倫也さんは、近年特に気弱な青年から冷酷なDV夫まで変幻自在に演じ分ける演技力を見せ、さまざまな作品で大きな注目を浴びています。。

 カメレオン以上に擬態能力に優れている「ミミックオクトパス俳優」とまで言われる中村さんは、実写化作品にも多数出演し多種多様な役を演じています。

実写化発表前から「似てる」と話題に!『珈琲いかがでしょう』の青山一役

 移動珈琲屋「タコ珈琲」の店主・青山一が、店にやってきた客を珈琲で癒していくマンガ『珈琲いかがでしょう』(作:コナリミサト)は、21年4月に実写ドラマ化されています。同作の連載が開始された頃から、青山のビジュアルや佇まいが中村さんにそっくりだとファンの間で話題となっており、実写化が発表された際も、ファンの間では「他にキャストが考えられない」という声や、キービジュアルの完成度の高さに喜ぶ様子も見られました。

 青山は穏やかでありながらも、とある暗い過去を隠し持ったキャラです。時折、過去の黒い表情や仕草が見え隠れするミステリアスな役柄で、二面性を自然に演じられる中村さんの実力が遺憾なく発揮されています。ビジュアルだけではなく、内面も中村さんにこそハマる役柄でした。

視聴者に強烈な印象を与えたDV夫役!『ホリデイラブ』井筒渡役

 2組の夫婦の日常が、それぞれの不倫によって崩れていくマンガ『ホリデイラブ~夫婦間恋愛~』(原作・こやまゆかり、作画・草壁エリザ)の実写ドラマでは、中村さんは主人公の夫の不倫相手・里奈を束縛するDV夫の井筒渡を演じました。

 渡はエリート会社員ですが、プライドが高く、無意識のうちに里奈を束縛することで精神的に追い詰める存在です。妻の浮気相手をカバンで殴ったかと思えば、妻を冷たく罵るなど、その行動と冷酷な表情に、リアルな恐怖を感じたという感想も相次ぎました。

 中村さんは同時期に放送されていた住宅総合メーカーのCMでは、ボサボサ頭で気弱な夫を演じていただけに、「同じ人がやってるのが信じられない」「ギャップすごすぎ」と驚く声も。全く異なる役を演じられるのは、中村さんの振り幅ゆえでしょう。「サイコパス」と視聴者に恐れられた渡ですが、中村さん自身は「生まれながらのモンスターとして演じる気はない」と、彼のバックボーンや崩壊する前の夫婦関係も想像しながら演じたと語っており、血の通ったリアルなキャラとして再現しています。

最も実写化が難しいと言われた悪役を熱演!『闇金ウシジマくん Season3』神堂大道役

 普段は爽やかな役柄のイメージも強い中村さんですが、2016年にはドラマ『闇金ウシジマくん Season3』で、危険な男・神堂大道(しんどう・だいどう)を演じています。

 原作マンガ『闇金ウシジマくん』(作:真鍋昌平)には数々の他人を食い物にする悪役が登場しますが、神堂は完結記念で開催された「悪役総選挙」でベスト4に入るほどの危険人物です。表向きは人当たりの良い好青年でありながら、実際は人を洗脳してコントロールし、自らは手を汚さずに非人道的行為を行わせるサイコパスそのものな男でした。

 神堂がある女性に近づき、婚約者となって資産そのものを奪おうとするエピソード「洗脳くん」は、原作マンガのなかでも「最も危険で映像化が難しいのでは」と言われていました。しかし、中村さんは普段通りの好青年と、何をするかわからないサイコパスの顔を持つ神堂を見事再現。「洗脳される気持ちがわかる」「中村倫也史上最高にサイコパス」「他の作品で中村倫也を見ても怖いくらい神堂がやばかった」と、その後も話題になるほどの悪役ぶりを見せています。柔らかい物腰のなかに凶暴性を秘めた神堂は、中村さんでなければ再現できなかった役と言えるかもしれません。

 この他にも『アオイホノオ』の赤井タクミ役、『凪のお暇』の安良城ゴン役、『美食探偵 明智五郎』の明智五郎役、『3月のライオン』の三角龍雪役など、中村さんは幅広いキャラを演じてきました。2022年10月28日(金)からAmazon Prime Videoで配信予定の『仮面ライダーBLACK SUN』では、西島秀俊さんとのW主演で仮面ライダーSHADOWMOONこと秋月信彦役を演じており、注目が集まっています。これからも中村さんがどんな役を演じるのか、ますます目が離せません。