再び地上波で放映される、映画『翔んで埼玉』 (C) 2019 映画「翔んで埼玉」製作委員会

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未完のマンガが、興収37.6億円の大ヒットに

「まさかの実写化!」と謳われる劇場公開作品があります。人気マンガや人気アニメを実写映画化したものの、配給会社自身が一抹の不安を感じており、原作ファンと不安を共有しようという、一種の自虐的な宣伝文句だと言えるでしょう。

 二階堂ふみさん、GACKTさんが共演した映画『翔んで埼玉』(2019年)は、まさに「まさかの実写化」作品です。『パタリロ!』などで知られる漫画家・魔夜峰央氏が1982年~83年に発表したギャグマンガが原作ですが、未完のまま終わった幻の作品でした。埼玉県民を徹底的におちょくった原作は、2015年に『このマンガがすごい! comics 翔んで埼玉』(宝島社)として復刊されたことで話題となり、まさかの実写化映画として東映が配給に踏み切ったのです。

 地方出身ということだけで差別・迫害されるという原作の内容を、さらに仰々しくスケールアップした実写映画版は、興収37.6億円というまさかの大ヒット。続編『翔んで埼玉II』(仮題)の公開を控え、2022年10月1日(土)の「土曜プレミアム」(フジテレビ系)にて、夜9時から放送枠を拡大して『翔んで埼玉』がオンエアされます。

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配役の妙で大ヒットした『テルマエ・ロマエ』

「まさかの実写化」で大成功した先例は、東宝が配給した『テルマエ・ロマエ』(2012年)でしょう。古代ローマ人が現代の日本にタイムスリップし、銭湯文化に感銘するという、ヤマザキマリさん原作の非常にシンプルかつナンセンスなSFコメディです。『翔んで埼玉』と同じく、武内英樹監督が実写化を手掛けています。

 阿部寛さん、北村一輝さん、市村正親さん、宍戸開さんら、顔の濃い日本人俳優たちを古代ローマ人として配役したところ、バカバカしさが話題となり、興収59.8億円という特大ヒットを記録しました。このヒットに気をよくした東宝は『テルマエ・ロマエII』(2014年)を公開し、これも興収44.2億円を記録しています。

 おそらく『翔んで埼玉』も、『テルマエ・ロマエ』の成功を見習って、続編の製作を決めたのだと思われます。はたして、柳の下に2匹目のドジョウは今回もいるのでしょうか。



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