『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(ニンテンドースイッチ版) (C) 1988, 2019 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.(C) SUGIYAMA KOBO

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混乱させたり、メダルを弾いたり……無口な彼を喋らせたい!

 無口な人が喋ると、嬉しいですよね。ドラクエの主人公の話しです。

 国民的RPG『ドラゴンクエスト』シリーズの主人公は基本的に話しません。勇者はプレイヤーの分身であるという製作陣の想いが反映されてか、魔物に襲われたときも、仲間との別れの時も、ゆうべはお楽しみの時も、魔王を倒し世界を救った時も無言を貫きました。ゲキ渋です。

 さて、とはいえ『ドラクエ』ファンなら「主人公を喋らせたい」と思ったことがあるはず。無口な主人公をなんとか喋らせるための「あの手この手」、特集しました。

 例えば『III』の勇者。彼もまた伝説の無口でした。そんな彼を喋らせたければアッサラームの「ぱふぱふ小屋」に直行しましょう。勇者が先頭であれば、ぱふぱふを受けている最中に「き きもちいい…」と心からの声を聞くことができます。またFC版では勇者を列の2番目にしておくと、先頭の者だけが移動するシーンで後ろに控える勇者本人に話しかけることができました。

『IV』の勇者もまた無口です。混乱時に「ぼくちゃん スライムよ。うふふふ……。」と専用のセリフが用意されているのです。唯一といっていい専用セリフがこれでした。なお『V』、そして『Vi』の主人公はというと、自分自身と会話するシーンが用意されているので間接的ではありますが「喋った」とカウントしても良さそうです。

 うってかわって『VII』の主人公はかなり喋らせ甲斐のある男です。「はなす」というコマンドが導入され仲間とおしゃべりできますが、主人公は喋りかけておいて自分からは何も話してくれません。それゆえに、「ハッスルダンス」の「そ~れ! ハッスル ハッスル!」などセリフ付きの特技を使ったり、ひとりの時に「小さなメダル」を指で弾いて驚きの声をあげさせたりするなど、あの手この手で喋らせたくなるのです。

『VIII』以降のシリーズでは頭身が変わり、表情描写も豊かになったとはいえ、基本的には喋らない姿勢は崩しません。彼が喋らないからこそ、私たちが勇者になれるのです。次回作『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』でもぜひ無口な主人公を貫いてほしい限りです。