『学研の図鑑 キン肉マン「超人」』電子書籍版の表紙に描かれる「悪魔将軍」 (学研ホールディングス)

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意外といい勝負ができる?

 1979年から連載開始された超人プロレスまんが『キン肉マン』。続編『キン肉マンII世』の連載後に、再び『キン肉マン』の連載が開始され、大好評を博しています。

『キン肉マン』のなかでも「最強対最強」を多くの人に感じさせたのが「完璧超人始祖編」の最後を飾る「ザ・マン対悪魔将軍」でしょう。「始祖編」での悪魔将軍は、ラスボスであるザ・マンの弟子であることもあり、実質主人公のような扱いでした。

 ふたりの決着がついた時に、悪魔将軍はザ・マンに止めを刺そうとしますが、キン肉マンは「命を奪う必要はない」として、それを止め「あくまでザ・マンの命を奪おうと言うなら、お前と一戦交えてもいい」と言い放ちます。

 もし悪魔将軍が「これは私とザ・マンとのケジメだ。貴様が邪魔するというなら排除する」として、キン肉マンとの再戦を望んだら、どちらが勝利していたでしょうか。

 なお「ザ・マン戦の直後で極度に疲弊していた悪魔将軍」と、ネメシス戦からしばらく経っており、ダメージ描写のないキン肉マンが戦うのはアンフェアですので「後日再戦する段取りとなった」と考えて、検証します。

「始祖編」の完璧超人始祖は、実力者であるアシュラマンやテリーマンを圧倒したジャスティスマンなど、他の超人よりも数段実力で勝る強者として描かれています。

「始祖編」悪魔将軍は、その完璧超人始祖であるミラージュマンとアビスマンを自ら葬っています。完璧超人始祖より格下(実力描写では大差ないとも思えますが)であるネメシスに大苦戦したキン肉マンには、勝ち目がないようにも思えます。

「黄金のマスク編」でキン肉マンと対戦した悪魔将軍は(現時点から逆算して考えると)、大魔王サタンの洗脳下で、判断力が大きく低下していたようにも思えますし、キン肉マンはそこを火事場のクソ力で突くことや、バッファローマンが悪魔将軍の体となって、キン肉ドライバーを決められるなど、実力以外の部分も勝敗に大きく作用していました。しかし「始祖編」悪魔将軍には、そのような隙はありません。

 悪魔将軍が圧勝したミラージュマンが、キン肉星三大奥義「マッスルスパーク」を取得したキン肉サダハル(後のネメシス)を圧倒していますので、そのネメシスに大苦戦するキン肉マンが、悪魔将軍に勝つのは難しいようにも思えます。普通に考えるなら「神威の断頭台」を受けて、どうにもならずに倒れるでしょう。

 しかし、キン肉マンはそこそこ「いい勝負」ができるのではないかと筆者は考えます。

「黄金のマスク」編でキン肉マンは、悪魔将軍の「頭以外は実体がない」「痛覚もない」性質や、体の自由を奪う「地獄の九所封じ」に苦しめられます。「始祖編」の悪魔将軍は実体があり、ダメージも受けますので、技が全てノーダメージになったり、体の自由を無条件で奪われたりする可能性は低いと考えられます。

 とはいえ「始祖編」でも、軟体ボディからのスカルクラッシュを放っていますから「つかみどころがない」という苦戦要因はそのままですし、硬度10のダイヤモンドボディ(ロンズデーライトパワーはザ・マン限定とのことなので、考慮しません)もキン肉マンを苦しめるでしょう。

 それでも、キン肉マン自身も、ヘル・ミッショネルズやスーパーフェニックスなどとの戦い、52の関節技取得などを通じて、以前の悪魔将軍戦よりも格段に実力を増しています。

 また、ネメシスがキン肉マンより実力上位に描写がされている件についても「キン肉サダハル時代よりも完璧超人として戦闘を重ねたことで、ネメシスの実力が増しており、現在では始祖に近い実力者となっている」と解釈すれば、キン肉マンが実力を増していても、苦戦するのは当然です。

 ネメシスに勝利したキン肉マンもまた、火事場のクソ力を合わせれば、始祖に近い実力はあると考えられ、悪魔将軍と戦っても、圧倒的な差は付かないと予測します。

 なお「完璧超人始祖編」で、ネメシスは正義超人でも実力上位のロビンマスク、ラーメンマンと対戦しますが、大きなダメージを受けず、勝利しています。しかし、キン肉マンのキン肉ドライバーでは大きなダメージを受け、マッスルスパークで倒されています。キン肉族の「火事場のクソ力」に裏付けられた必殺技であれば、始祖でもダメージが通る可能性は高いということです。

 とはいえ、作中でキン肉ドライバーは隙が大きいことから、何度も破られており、普通であれば悪魔将軍に破られるでしょう(「黄金のマスク編」で、キン肉ドライバーをかけられた悪魔将軍が「動けん」と言っていましたが、体にされたバッファローマンが抵抗していた可能性が高いです)。

 キン肉マンに勝機があるとしたら、悪魔将軍が自身の「ザ・マンを処刑する」という行動原理を正しいと信じ切れない場合です。悪魔将軍との戦いを通じて、大きな成長をキン肉マンが見せて、その存在感を認めさせ、その上で、将軍自身がザ・マンとの絆を大切にしていることも指摘されて、心の隙が生まれたときだけでしょう。

 そのタイミングで、キン肉マン最大の必殺技「マッスルスパーク」をかけることができれば、悪魔将軍でもただでは済まないと思われます。

 マッスルスパークですらも、ザ・マンの必殺技「千兵殲滅落とし」よりは威力がないと思われるので、それだけでは決め技にはならないと思いますが、技に込められた「相手を生かしたい」気持ちと、悪魔将軍自らの「超人の進化を認め、見守りたい」という思いが合わさって、ジャスティスマンのように自ら戦いをやめるのではないでしょうか。