ルフィじゃなければ勝てなかった、雷の脅威 『ONE PIECE Log Collection “GOD”』(エイベックスピクチャーズ)

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エネルの圧倒的ラスボス感に絶望

『ONE PIECE(ワンピース)』の世界では、数多くの危機的状況が描かれており麦わらの一味はたびたび窮地に追い込まれます。海賊なので避けては通れない道ではあるにしろ、命をおびやかされるシーンは読者にとっても気が気ではありません。この記事では、特に読者が絶望感をぬぐえなかったエピソードを振り返ります。

 まず紹介したいのは、エネルの登場シーンです。「自分は神だ」と自称するのも、うなずけるほど強力な「ゴロゴロの実」の能力を持っていました。サンジ、ウソップなど、どんどんエネルの雷で倒されてしまい、麦わらの一味ばかりか空島全体が危険にさらされたシーンは「さすがに終わった……」と感じた人もいるはずです。

「ゴロゴロの実」の能力を持ったエネルには、ゴム以外の対抗手段がほとんどなく、ルフィがいなければ勝つことはまず不可能だったことでしょう。また、エネルが「ゴム」という存在を知らなかったことも運が良かったのかもしれません。作中でもトップクラスに強い悪魔の実とも言われており、ファンの間でたびたび話題にあがる「ゴロゴロの実」の能力。もしも、ルフィが「ゴムゴムの実」の能力者ではなかったら、と想像するとゾッとします。

 また、フォクシー海賊団とのバトル後、トンジッチたちの元へ戻る際に遭遇した、青キジ・クザンもなかなかの絶望を読者に与えました。ロビンへ突っかかるクザンに攻撃しようとするも、麦わらの一味の戦闘要員であるゾロ、サンジ、ルフィが簡単に手足を凍らされてしまいます。そればかりか、ロビンの全身を凍り漬けにして、粉々に割ろうとしてきました。クロコダイルに打ち勝ち、やっと次に進めると思った直後の出来事だったため、予想を上回る絶望感が押し寄せてきたことでしょう。

 そして、エニエス・ロビーでの脱出シーンでは、ココロばあさんの「ある姿」に違った意味で絶望感を覚えました。ジュゴンに見えなくもない、ココロの衝撃的すぎる人魚姿にゾロやナミだけでなく孫であるチムニーたちまで気絶するほどのショックを受けました。特に人魚にかなりの夢を抱いていたサンジの絶望具合は、はかりしれないものだったはずです。ロマンを壊されたという意味でいえば、かなり「絶望」した読者も多いのではないでしょうか?

 最後はシャボンディ諸島で黄猿・ボルサリーノやバーソロミュー・くまを前にボコボコにやられてしまうシーンです。くまの謎の能力(この時点で能力の詳細は明かされていない)で麦わらの一味が次々消えていき、生死の確認すらできない状況に陥ります。単にバトルに負けるわけではなく、目の前で仲間たちが忽然と消えてしまうため、得体のしれない「未知」への恐怖が止まりませんでした。麦わらの一味が完全崩壊したのはこの一度きりで、ルフィがあそこまで無力感を覚えたのは、このシーンとエースの死を除いてほかにありません。