全長305m、全高82m、重量4万8900tのアルビオン 画像は「1/1700 EXモデル モビルシップ アルビオン」(BANDAI SPIRITS)

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ホワイトベースとアルビオン 「住まい」の違いは?

『機動戦士ガンダム』に登場したペガサス級2番艦「ホワイトベース」と、同系統の『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場した7番艦「アルビオン」。両艦は建造された時代背景により、装備や内部施設に大きな差異があり、驚くような違いもあります。今回はその違いが顕著に現れている「住まい」にまつわる施設を紹介します。

居住性がグッと上がった個室

 士官のひとり部屋も、狭くはありますが両艦に割り当てられていました。ホワイトベースの場合、アニメ版だと備え付けのベッドや壁に埋め込まれたTVモニターがあり、連絡などに使用します。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、壁に収納できるタイプのベッドと同様のモニター、小さい机と固定式とみられる椅子が備え付けられています。とはいえやはり質素な空間です。

 一方、アルビオンの個室は前者よりも居住性が高くなっています。ホワイトベースの個室と比べ広く感じられ、作り付けの収納スペースもあるようです。また、ベッド、机、椅子は同様にありますが、無重力空間に出た場合を考慮してか、それらは壁に収納できるようになっているようです。

 続いて艦長の応接室も比較してみます。これは比べ物にならないくらい、地味と豪華に分けられます。ともに広々とした空間ではありますが、ホワイトベースはソファーとテーブル、間接照明、壁掛けの絵画のようなものがある程度で寂しいものです。

 片やアルビオンの応接室はというと、壁や天井の意匠も多少あり、L字のソファーに小さなテーブルを完備。宇宙図や模型のような飾りも置かれていて、キャバクラのようにも見えたり見えなかったりします。なお、この応接室では、サウス・バニング大尉がエイパー・シナプス艦長と酒を酌み交わし、別居中の妻の話をするというお手本のような死亡フラグを立てました。

アルビオンの医務室は手術も出来そうな設備

 好まざると戦場に赴かなければならない両艦。負傷する兵士や乗組員のため当然、医務室も完備してあります。ホワイトベースの医務室は「重傷者が出たらどうするの?」と思わせるくらい簡素なもの。健康管理はコンピュータが行っているようです。また病室の個室もベッドあるだけの寂しい部屋になっています。

 一方、アルビオンの医務室は、手術が出来そうな照明やベッドが備わっており、ホワイトベースより本格的な施設に見えます。酒量制限されているシナプス艦長は、軍医にお酒を預けており、そのボトルをとりに来るのもこの医務室です。



全長262m、全高93m、重量3万2000tのホワイトベース(数値は異説有) 画像は「1/1700 EXモデル ホワイトベース」(BANDAI SPIRITS)

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ホワイトベースからのメガシンカは「図書室」にあり?

バスルームはホワイトベースに軍配があがる?

 有重力下・無重力下問わず運用された両艦。シャワーを使う場合はどのようにしていたのか気になるところ。ホワイトベースには有重力下・無重力下で使用する2種類のバスルームがあるようです。キッカがバスルームの蛇口を破壊し、アムロがそれを直すため、干されたミライの洗濯物をくぐりぬけ修復するシーンがありますが、これはまさに有重力下のバスルームです。また無重力下のシャワールームは空気圧で水流をコントロールし、溺死を防ぐため酸素マスクを着けながら使用するようです。

 一方、アルビオンの場合はシャワールームとなります。シャワー室に入る前には広々としたレストルームがあり談笑も可。そこから先は男性用、女性用のシャワー室に分れていて、なかに入れば複数人が同時にシャワーを浴びられる仕様になっています。

戦場での数少ない楽しみのひとつ食事への気遣いは?

 任務遂行中は長く乗艦しなければいけない兵士や乗組員にとって食事は少ない楽しみのひとつ。ただホワイトベースの食堂は殺風景。アルビオンの食堂は観葉植物、壁やテーブルの意匠も凝っていてデザイン性が高いです。

 ちなみにコウといえば「人参いらないよ」でお馴染みですが、このセリフはアルビオン内ではなくトリントン基地の食堂で発せられました。

両艦の最大の違いは「恋心」に寄り添うあの場所の有無?

 ここまで紹介した施設は、新型ということでアルビオンがあらゆる面で、乗組員に手厚い施設が多くあります。なかでもこれが一番の違いと思われるのが「図書室」の有無。

 アルビオンには長期航行の暇つぶし(?)に寄り添った図書室があります。書棚がいくつもありそこから本を選びますが、無重力下での使用も考えられているため、いちいち棚をロッカーに収納しなければいけないようです。また借りるときは読み取りのリーダーにIDをかざし、本を一冊一冊読み取らさなければいけないようで、現代にも通じるところがあります。

 所蔵は知られている限りだと、コウ・ウラキ少尉が借りた恋愛にまつわる本、「女性の知識ABC」「スペースノイド女性論」「女体の神秘」。こんな本を借りたことを一番見つかりたくないニナ・パープルトンに見つかり、しかも一冊一冊タイトルを読み上げられるという羞恥プレイを受けました。

 一年戦争前に起工されたホワイトベースと、戦後余裕をもって建造されたアルビオン。脈々と続くペガサス級艦のデータから、居住性が格段に進化しペガサス級の頂点と言っても過言ではないのがアルビオンなのです。