山本耕史のリーゼントもきまっている、実写映画公開記念帯&実写ビジュアル入りポストカード付き『KAPPEI』4巻(白泉社)

【画像】まだまだある!イケメン俳優たちのクセすごキャスティングが見どころの実写映画!(10枚)

イケメンだからこそ、ぶっ飛び演技が尊い!

 マンガの実写映画化は、とかくキャスティングが賛否を呼びがちです。まさにイメージ通りと膝を打つ場合もあれば、ファンからすると「もっと他にいたでしょう!」と言いたくなる配役もあります。そんななか気になるのが、いわゆる「イケメン俳優」の使いどころ。一般的には観客動員を左右する要としてカッコいい主役級に配されることが多いのですが、ときには「イケメンなのに、そう使う!?」とびっくりとさせられることもあります。今回はそんなイケメンたちの衝撃のキャスティングを振り返ります。

イケメンなのに「笑撃」すぎ!『KAPPEI』の山本耕史

 イケメン俳優が第一に担う役割は「カッコよさ」なはずですが、そのルールを完全に無視した「お笑い要員」扱いで世間に衝撃ならぬ笑撃を与えた映画が、2022年3月公開で記憶に新しい『KAPPEI』(原作:若杉公徳)です。乱世の救世主となるべく人里離れた地で修行を続けてきた「終末の戦士」たちが、突然普通の社会に放り出される物語で、主演の伊藤英明さんをはじめ、イケメン俳優たちが誰ひとりとして正規のイケメン扱いをされていません。

 なかでも、尋常ではない壊れっぷりだったのが山本耕史さんです。山本さんといえば、映画『シン・ウルトラマン』で外星人メフィラスを演じて主役を食うほどの怪演で賞賛を浴び、大河ドラマでも高評価の時の人。その山本さんが『KAPPEI』では終末の戦士・正義となり、胸までしかないシャツと股間に馬の顔がついた超短パンで街を歩いたり(ほぼセクハラ!)、尾崎豊の「15の夜」に感動してヤンキーになり、中学生を引き連れて夜の校舎の窓ガラスを壊して回ったりと、衝撃の暴れっぷりなのです。

 圧巻は伊藤英明さん演じる勝平との対決シーン。正義が使う「無戒殺風拳・馬跳流(ばちょうりゅう)」は、お尻を自分でバンバン叩いて力をため、馬のような構えで前進していく技です。ご本人によると「後半は内出血していました」とのことですが、映画公開後のSNSには「美ケツ過ぎる」「山本の尻が綺麗で驚いた」「みんなー!!山本耕史の尻を見に行ってくれ!!」などの言葉が飛び交い、まるで山本さんのお尻が主役かのような絶賛ぶりでした。衝撃キャスティングだけでなく、『シン・ウルトラマン』同様に主役を食うとは、さすがの一言です。



成キョウ役・本多奏多の悪役ぶりには原作ファンも絶賛の『キングダム』ビジュアル (C)2019「キングダム」製作委員会

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もはや顔さえ見せないイケメンも!

イケメンなのに性悪すぎ!『キングダム』の本郷奏多、『帝一の國』の野村周平

 あまりに極悪な役柄ゆえ、そのイケメンぶりさえ忘れがちなキャスティングもありました。中国春秋戦国時代を舞台にした歴史バトルマンガの実写化『キングダム』(原作:原泰久)で、悪役・成キョウ(せいきょう)を演じた本郷奏多さんもそのひとり。成キョウは、のちに秦の始皇帝となるエイ政(えいせい)の異母弟で、自分こそが王にふさわしいと反乱を起こした性格がゆがんだ残忍な人物です。原作は到底美形とは言い難いビジュアルですが、本来は美青年の本郷さん演じる成キョウの、ふてぶてしさ、憎らしさはまさに成キョウそのものでした。特に玉座で斜めに構えたときの表情や嫌な笑みは、この人とは生涯関わりたくないと本気で思うほどです。

 発せられるセリフも無慈悲の極みで「死罪だ。貴様らのような下等な虫が、王族である私に話しかけた罪で死罪。私と同じ場所で息をしている罪で死罪だ」と堂に入っています。原作の原泰久先生も「原作を超えてきた」と絶賛していましたが、はかなげな美しさを持つ本郷さんだからこそ、性悪さも残忍さも際立った気がします。実写映画の常連で、「原作が一番『偉いもの』だと思っている」とインタビューで語っている本郷さんのプロ意識が光った演技でした。

 また、命がけの生徒会選挙を描いたコメディ『帝一の國』(原作:古屋兎丸)では、帝一のライバル・東郷菊馬役を演じた野村周平さんも「イケメンなのに…」なキャスティングでした。なにしろ東郷は「俺は、寝首をかいて、勝つ」の身上どおり、卑怯な手ばかり使う姑息な男なのですから。菅田将暉さん演じる主人公の帝一を子供の頃からネチネチといじめ続け、足をひっぱり続ける姿は、清々しいほどに憎たらしく、若手イケメン揃いの同作のなかでも、なかなか頼もしい存在に思えました。

イケメンなのに顔出しなし!?『るろうに剣心』の藤原竜也、『銀魂』の山田孝之

 イケメン俳優には、もちろんなるべく顔を出して欲しいものですが、ほとんど顔が出てこないキャスティングもあります。

『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』(原作:和月伸宏)のラスボス・志々雄真実を演じた藤原竜也さんは、かつて危険人物として全身を燃やされて大やけどを負った役柄のため、ほぼ全編を通じて顔を包帯でぐるぐる巻きにしています。しかも包帯の奥には焼けただれた皮膚が垣間見え……正直、藤原さんだと言われても、にわかには信じられないほどです。しかし、原作通り全身大やけどなのにカリスマイケメン感が溢れ出ている志々雄は、藤原さんの演技力、身のこなし、そしてあの特徴的な声でなければ再現できなかったと言えるでしょう。

 また、顔出しなしの最たる例は、『銀魂』(原作:空知英秋)で謎の宇宙生物エリザベス役を担当した山田孝之さんではないでしょうか。エリザベスはオバQチックな着ぐるみ的存在で、山田さんはその声を担当しました。そして、公開後の舞台挨拶のみ、エリザベスのなかに入って登場しましたが、その際も顔見せなし(生足は披露)。どんな役でもこなせるであろう実力派の山田さんを、映画外でまさかそう使うとは……『銀魂』らしいといえば『銀魂』らしい、ファン騒然のキャスティングでした。

 はたから見ると「イケメンなのに……」と思うものの、インタビュー記事などを読んでみると、俳優さんたちはそれぞれの役を実に楽しんで演じていたようです。「イケメン」という枠は、ご本人たちにとっては窮屈なものでもあるのかもしれませんね。

 さて、実写化が発表された『ゴールデンカムイ』や、ハリウッド実写版が進行している『ワンパンマン』には、クレイジーなキャラがゴロゴロいます。日米のイケメン俳優さんたちがどう起用されるか……キャスティングが今から待ち遠しいですね。