『魔法の天使クリィミーマミ』 (C)ぴえろ

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クリィミーマミ・ラストステージ

 1984年6月29日は『魔法の天使クリィミーマミ』の最終回「ファイナル・ステージ」が放送された日です。『クリィミーマミ』主人公の森沢優(もりさわ・ゆう)は夢の世界フェザースターの住人・ピノピノから1年の期限付きで魔法のステッキを授かり、魔法の力で大人気アイドル・クリィミーマミに変身する女の子です。

 昼間は小学生、放課後はアイドルの二重生活に奔走する忙しい毎日を送りながらも、マミのファンになってしまった幼なじみの大伴俊夫(おおとも・としお)との関係に悩む年頃の少女でもありました。

 1年近くの間、優はアイドルとしての活動を全力で駆け抜けてきましたが、魔法の力を返さなければいけない時は、もう間近に迫っていました。マミの最後を飾る展開は50話「マミがいなくなる…」から最終話までの3話を使って脚本家の伊藤和典氏が丁寧に描いており、80年代中盤の少女向けアニメとしては極めてクオリティの高いストーリーとなっています。

 魔法返却のタイムリミットが迫り、マミはデビュー1周年記念コンサートの開催日を1日繰り上げるよう頼み込みます。もはやマミには一刻の猶予も残されてはいなかったのです。紆余曲折の末どうにか日程はマミの希望通りになりますが、もうひとつ大きな問題が残されていました。俊夫がマミの正体は優だと気付きかけていたのです。

 かつて優はマミに変身する瞬間を俊夫に見られてしまい、魔法の力を失ったことがありました。ピノピノから事情を聴かされた俊夫は優が再びマミ変身できるよう、記憶の封印を受け入れましたが、ある出来事から記憶は蘇りつつあったのです。俊夫の記憶が戻れば魔法の力は期限よりも早く失われてしまう不安にさいなまれながらも、優はマミとしての最後のステージを成功させようと、全力で日々を過ごしていきました。

 そうして迎えた1周年記念コンサート。当日の天候はあいにくの雨模様となりましたが、コンサート会場には野外であるにも関わらず大勢のファンとマスコミが詰めかけ、マミの登場をひたすらに待ち続けていたのです。



全12曲収録のアルバム『魔法の天使クリィミーマミ SONG BOOK・カーテンコール』(徳間ジャパンコミュニケーションズ)

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迫るタイムリミット、マミは最後の1曲を歌いきれず?

 白馬に乗って登場したマミは魔法で空中に出したマイクをキャッチしながらステージに上がり、まずは「BIN・KANルージュ」を歌い始めます。しかし次に「美衝撃(ビューティフル・ショック)」を歌い始めたとき、俊夫の記憶が、ついに蘇ってしまうのです。

 さらに強く降り注ぐ雨のなか、「囁いてジュテーム」を歌い出した時、漏電が起こったのか、照明が壊れてしまいます。中止の声もささやかれ始めるも、マミは「パジャマのままで」「LOVEさりげなく」と歌い続けます。さらに照明の破損は続きますが、ファンは誰も帰ろうとはせずステージは続行、ついに最後の1曲へとたどり着きます。

「雨がひどくなってきたけど、もう1曲歌っていいかな?」と呼びかけるマミに、観客たちは大盛り上がり。しかしそのとき、ピノピノが乗る船がやってきて、マミたちを吸い込んでしまうのです。

 あと1曲歌わせてほしいと懇願するマミでしたが、ピノピノは俊夫の記憶が戻ったことを理由に拒絶します。それでも会場からは「マミちゃんを返せ!」とファンからの声が響き渡り、ついにピノピノも折れてマミは再び会場へと舞い戻り、最後の曲としてデビュー曲「デリケートに好きして」を歌い上げて姿を消しました。

 お付きの妖精ポジとネガ、そしてピノピノに別れを告げた優は、駆け付けた俊夫の元へと姿を現し、ひとりの少女へと戻りました。

 最終話のエンディングは、28話から使用されていた「LOVEさりげなく」ではなく初期エンディングの「パジャマのままで」の2番が流されました。キャラクターたちのその後の姿も描かれており、優と俊夫がたどり着く未来も示されています。

『クリィミーマミ』以前にも多くの魔法少女アニメが存在しており、少女の成長物語が描かれてきましたが、『クリィミーマミ』最大の特徴は当時流行していたアイドル要素を取り入れたことにあるでしょう。特に新人アイドルだった太田貴子さんが優とマミの声優及び楽曲を担当したことは、『超時空要塞マクロス』のリン・ミンメイ役を務めた飯島真理さんと並び、声優と歌を両立する時代の幕を開けた出来事と言っても過言ではないでしょう。