きつい結末に視聴者騒然…「ただし最終回 お前はダメだ」

 途中まではとても評判がよかったのに、終盤になり失速して賛否両論になるアニメ、ありますよね。バッドエンドへとつながったり、急すぎる展開で視聴者が置いてきぼりになったりと、最終回の内容で作品全体への評価が変わってしまったアニメも。この記事では、「最終回がきつすぎたアニメ」を3作品ご紹介します。SNSでも「すごく……狂気を感じます」「どうしてああなった」と評判です。

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※この記事は『クロノクルセイド』『くまみこ』『Rewrite』最終回についてのネタバレを含みます。

『クロノクルセイド』(2003年11月~放送)



『クロノクルセイド』DVD Chapter.1(角川書店)

 舞台は、まだ第一次世界大戦が終わって間もない、アメリカ・ニューヨーク。急激な経済発展を遂げる一方で、アメリカの外からは、いろいろな目に見えぬ怪異、すなわち「悪魔」が入り込もうとしていました。

 そうした悪魔を退治するべく、悪魔退治を専門とするマグダラ修道会のシスター、ロゼット・クリストファー(CV:川上とも子)は、日々付き人のクロノ(CV:石田彰)と奔走していました。ある日、依頼を受けたロゼットたちは、魔物に乗っ取られた貨物船へと赴きますが――?

『クロノクルセイド』は、同名マンガ(作:森山大輔/角川書店)を原作としたアニメです。小説化・ドラマCD化もされている人気作品である本作。ロゼットとクロノは、ロゼットの生き別れの弟・ヨシュア(CV:皆川純子)を探しますが、ふたりには過酷な運命が待ち受けていました。

 最終回では、宿敵の悪魔・アイオーン(CV:井上和彦)と戦いに勝利し、つかの間の平穏を取り戻した世界が描かれます。消息を絶っていたロゼットとクロノも見つかりますが、ふたりは契約に基づき迫りくる死期におびえながらも、穏やかに最期を迎えていたのでした。

 時を同じくして、ニューヨーク株式市場も未曽有の大暴落を迎え、時代は混迷を極めます。そのうえ、人混みのなかには倒したはずの宿敵・アイオーンの姿が。絶望的なエピローグとともに最終回は幕を閉じ、賛否両論のラストとなりました。原作と設定やラストが違ったことも、話題になった要因のひとつかもしれません。この作品は、「dアニメストア」「U-NEXT」「バンダイチャンネル」などで見ることができます。

『くまみこ』(2016年4月~放送)



「くまみこ 壱 – くまぼっくす -」(KADOKAWA メディアファクトリー) (C)2016 吉元ますめ・KADOKAWA刊/「くまみこ」製作委員会

 雨宿まち(あまやどり・まち/CV:日岡なつみ)は、東北地方の山奥に住み、都会に憧れる中学生。熊をまつる神社・熊出神社に巫女として仕えており、幼少期から後見人(?)のクマ井ナツ(くまい・なつ/CV:安本洋貴)と一緒に育ってきました。

 ある日、まちは「都会の学校に行きたい」と言い出します。しかしナツは、世間知らずのまちを心配し、大反対。「広い世界を見てみたい」と譲らないまちに、ナツは都会で生きるために必要な知識を問う「都会っ子クイズ」を出題しますが――?

『くまみこ』は、同名マンガ(作:吉元ますめ/KADOKAWA)を原作としたアニメです。山奥で少女とクマが仲良く暮らす日々をつづる、スローライフコメディである本作。都会の学校に行くため奮闘してきたまちですが、最終回では衝撃の結末を迎えます。

 最終回では、出場したご当地アイドルコンテストをきっかけに、まちが精神崩壊を起こしてしまいます。「石を投げられた」「田舎者とも言われた」と被害妄想を爆発させ、都会の高校へ行くことを諦めてしまうのです。

 病んだ様子のまちと対照的に、ナツは「もう難しいこと考えなくていいよ」と大喜び。その後、役場の職員、雨宿良夫(あまやどり・よしお/CV:興津和幸)は「もっと村をアピールして~日本一の村にするぞ!」と意気込む始末。まちを犠牲にするかのような最終回の展開に、原作者の吉元さんも一時苦言を呈しました。この作品は、「dアニメストア」「U-NEXT」「バンダイチャンネル」などで見ることができます。

『Rewrite』(2016年7月~放送)



『Rewrite』 (C)VisualArt's/Key/Rewrite Project

 普通の日々を送る高校生・天王寺瑚太朗(てんのうじ・こたろう/CV:森田成一)は、不思議な夢を見ていました。植物に支配された夜の街を歩き回り、たどり着いた木の下には、ひとりの少女・篝(かがり/CV:花澤香菜)が。篝に話しかける瑚太朗ですが、いきなり篝のリボンで心臓を貫かれ、驚いているところで目が覚めます。その日から、瑚太朗は度々篝に寝込みを襲われます。

 一方、日中は幼なじみの神戸小鳥(かんべ・ことり/CV:斎藤千和)や鳳ちはや(おおとり・ちはや/CV:篠宮沙弥)たちと、いつも通りの学生生活を楽しむ瑚太朗。とあるきっかけからオカルト研究会へと所属し、緑化都市・風祭で起こる超常現象を調べるようになりますが――?

『Rewrite』は、ゲームブランド「Key」制作の同名恋愛ゲームを原作としたアニメです。文明と緑の共存を理想に掲げた都市で、非日常的な出来事が次々と起こります。終盤に差し掛かるにつれさまざまな事実が明らかになり、最終回では驚愕の展開が賛否両論を巻き起こしました。

 星の化身である「鍵」として各勢力に狙われる篝を守るため、さまざまな相手と戦ってきた瑚太朗たち。しかし最終回では、「滅びの歌」により、篝の「鍵」の力が強制的に発動。仲間たちが次々と力尽きていくなか、瑚太朗は「殺してくれ」と頼む篝を抱きしめ、一緒に巨大な木に飲み込まれてしまうのでした。

 主人公をはじめとしたメインキャラたちはもちろん、「滅びの歌」により人類全員が死亡するというバッドエンドを迎えた本作。第2期で続きが描かれたものの、そのキャッチコピーが「……やり直すんだ そして、次はうまくやる。」という楽観的に見えるものだったことも、視聴者たちの議論を呼びました。この作品は、「dアニメストア」「U-NEXT」「Amazonプライム・ビデオ」などで見ることができます。

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 最終回が「きつい」内容だと、作品の後味も苦いものになりがちです。しかし、その分印象に残ったり、アニメの話題として盛り上がったりすることも。最終回の「きつさ」をより味わいたい方は、ぜひ第1話から通してご覧ください。

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