憧れの兄「シャーロット・カタクリ」 著:尾田栄一郎『ONE PIECE』第89巻(集英社)

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敵なのにファンに愛される、魅力的なキャラたち

 同じ海賊同士で争うシーンが多く描かれる『ONE PIECE』のなかで、さまざまな敵キャラが登場します。誰もが嫌うような最低、最悪な敵キャラから、敵だけど好きになってしまうキャラまで多種多様です。この記事では、敵だったけど「けっこう好き」なキャラをご紹介します。

 海上レストラン・バラティエで出会った、クリーク海賊団の戦闘総隊長・ギンは鬼人と呼ばれるほど冷徹な性格でしたが、サンジの優しさに触れて人間味が増した人物です。クリークに「この船を見逃せないか?」と聞いたり、毒ガスが蔓延しているなかルフィとサンジにマスクを譲ったりする姿に胸が苦しくなります。読者からも人気が高く、再登場を熱望されているキャラのひとりです。

 シャーロット家の次男・シャーロット・カタクリは、家族や仲間を大切にする人物で、身内に対してとても優しく、部下や家族が失敗しても軽く叱責する程度でした。そんな優しい性格から部下や兄弟たちにとても慕われている人物です。ルフィとの戦闘中、フランペの邪魔によってボロボロになったルフィに対して、攻撃に気づかなかったことを知り、自分の腹をえぐりました。志は違えど、真剣に相手に向き合い正々堂々戦う姿は敵ですが好きになってしまいます。

 フォクシー海賊団船長のフォクシーは、いかにも悪そうな見た目をしていますが、メンタルが豆腐並みに弱く、ネガティブなことを言われるとすぐに落ち込んでしまう人物です。悪知恵が働くものの、ことごとく攻略されてしまう少し残念な雰囲気が親しみやすさを感じます。フォクシーが海に落ちたときも、いち早く助けようとする部下がほとんどで、人望が厚いという意外な一面も見られました。「いい奴」とは言えませんが、悪だくみがすべて裏目に出てしまう姿にかわいらしさを感じた読者もいたのではないでしょうか?