孫悟飯とセルが表紙の『DRAGON BALL 完全版』第27巻(集英社)

【画像】表紙もかっこいい!「覚醒」が気持ちいい作品(8枚)

感情の爆発、記憶からの「覚醒」

 マンガやアニメで特にかっこいい瞬間といえば主人公の「覚醒」シーン!感情の爆発によって突如目覚める力、それまで劣勢だった状況を圧倒的な力でねじ伏せる展開に、ページを進める手にも力が入ります。そんな「覚醒」シーンがかっこよくて気持ちいいマンガ作品を振り返ります。

怒りによる目覚め『ドラゴンボール』

 まずは不朽の名作『ドラゴンボール』より、「スーパーサイヤ人」への覚醒です。宇宙の帝王・フリーザの圧倒的な力に苦戦するなか、クリリンを殺された怒りで伝説のスーパーサイヤ人へと覚醒した悟空はその姿が一変。髪の毛は金色となって大きく逆立ち、体の周りには金色のオーラが現れ、性格までも超攻撃的に変わります。もちろんパワーも劇的にパワーアップし、フリーザにも恐怖を与えるほどでした。

 またセル編での孫悟飯のスーパーサイヤ人2への覚醒も痺れる展開です。もともとすごい潜在能力を持ちながらも優しい性格のために殻を破れなかった悟飯でしたが、人造人間16号が目の前でセルに殺されたのをキッカケに怒りが爆発。眠っていた力を解放し、完全体のセルを圧倒するのでした。

受け継がれた力の目覚め『ダイの大冒険』

 眠っていた力の目覚めとして、『ダイの大冒険』もかっこいい覚醒が見られる名作です。特にゴロアとの戦いでの「双竜紋」の覚醒は名シーンのひとつです。重力波によって動きを封じられ絶体絶命のピンチのなかダイの脳裏には走馬灯のように父との記憶が蘇ります。

 そして記憶のなかの父から「お前はただの竜騎士ではない!私の魂をも受け継いだ…全く新しい超騎士なのだッ…!!」と諭され奮起。「おれと父さんの力はっ…!!まだこんなもんじゃなあぁいっ!!!!」と叫んだ瞬間、父から受け継いだ竜の紋章が左手の拳に現れ「双竜紋」の力に目覚めます。そしてゴロアの剣を片手で防ぐほどのパワーアップを見せるのでした。紋章が浮かび上がるという演出のかっこよさとともに、父との記憶がキッカケとなる展開も熱いです。

記憶からの力の目覚め『鬼滅の刃』

 記憶からの「覚醒」といえば、『鬼滅の刃』で竈門炭治郎がヒノカミ神楽を初めて使ったときもこのパターンです。下弦の伍・累を前に死を覚悟した炭治郎が見たのは、父との思い出でした。雪が降り続けるなかでも神楽を舞い続ける姿と、そのときに教わった呼吸の仕方を思い出した炭治郎は、「ヒノカミ神楽・円舞」を繰り出しピンチを脱するのです。



覚醒したゴンが登場『HUNTER×HUNTER キメラアント編 BD-BOX Vol.4』(バップ)

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まだまだある! いろんな「覚醒」パターン!

 感情の爆発や記憶による目覚め以外にも、かっこいい「覚醒」シーンはたくさんあります。

条件による目覚め『HUNTER×HUNTER』

 珍しい力の解放シーンが見られるのが、『HUNTER×HUNTER』の「キメラアント編」でのゴンの覚醒シーンです。恩人であるカイトを殺した強敵・ネフェルピトーへの復讐のためにゴンが選んだのは、自分の体を強制的に成長させるという禁じ手でした。

「もうこれで終わってもいい」と覚悟を決めたゴンの体は鍛え上げられた大人の肉体へと成長、髪の毛も成長した年数を表すように大きく空に向かって伸びます。しかし、圧倒的な力によって復讐を果たしたゴンはその後、代償によって体が瀕死の状態へと陥るのでした。

覚悟による目覚め『東京喰種』

 ゴンのような覚悟を決めたことによる「覚醒」シーンとして、『東京喰種』のカネキ(金木研)の「覚醒」もそのパターンのひとつかもしれません。人を食べる「喰種」のリゼの臓器を移植されたことで半喰種となったカネキは、人を食べたいという欲望とそうしたくない葛藤に悩む心優しい青年でした。それが敵であるヤモリから髪の毛が白髪へと変わってしまうほどの拷問を受けた上、助けたと思った母子を目の前で殺されたことから意識が精神世界へ。

 そこで再会したリゼから、何かを守るためには一方を捨てる覚悟も必要だと話されます。そしてカネキは自分の大切なものを守るため、「僕は――喰種だ」と覚悟を決めて覚醒。解放された力でヤモリを圧倒するのでした。

捨て身の目覚め『賭博黙示録カイジ』

 覚悟を決めた「覚醒」として、「カイジ」シリーズの主人公カイジもそのパターンと言えそうです。お人よしで詰めの甘い男のカイジは借金を返すために帝愛グループが用意したギャンブルに挑むことになりますが、その内容は負ければ死が待つ恐怖のギャンブルでした。

 しかしそのなかで精神・肉体ともにギリギリまで追い込まれ、目の前で仲間の死も見たカイジは、徐々に才能を発揮。強敵・利根川との「Eカード」対決では、耳に付けられたイカサマ用の装置を外し、利根川の裏をつくために、自分の耳たぶごと切り離す荒業までやってのけます。まさに捨て身の精神によってたどり着いた「覚醒」です。

 ほかにも『ONE PIECE』のルフィの「ギア○○」などの段階型の「覚醒」、「週刊少年マガジン」で人気だった『GetBackers-奪還屋-』に登場する天野銀次が「雷帝」へと変化する別人格への「覚醒」など、いろいろなタイプがある「覚醒」のパターン。皆さんが好きな「覚醒」はどんな場面でしょうか。