ファンの間でも人気の高い『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』 (C)2001青山剛昌/小学館・読売テレビ・ユニバーサルミュージック・小学館プロダクション・東宝・TMS

【画像】爆破がお約束!『名探偵コナン』建物被害の大きかった劇場版を見る(4枚)

「爆発」がなきゃ始まらない?

 毎年興行収入が伸び続けている大ヒット映画『名探偵コナン』シリーズ。綿密に作り込まれたトリックやシナリオもさることながら、大迫力のアクションシーンも人気です。そして、『コナン』映画で忘れてはならないのが「爆発」です。豪快に爆破され破壊されていく建物のなかで、コナンがド派手に活躍するのがある種のお約束ともなっています。

 しかし、大人になると、「もっとも被害が大きかった建物は何か」も気になってくるところ。そこで今回は、建物の被害が大きかったであろう劇場版『名探偵コナン』作品を、ランキング形式でご紹介します。

※なおこの記事では現実的に算出される被害総額ではなく、爆破された建造物の「建設費用」を被害の大きさの目安としてご紹介します。

第3位『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』のツインタワービル

 2001年に公開された『天国へのカウントダウン』では、「日本一高いビル」が舞台になっています。ラストは二対の高いタワーを利用したアクションシーンもあり、緊迫感のあるシナリオが人気です。公開された当時は「秒数当て」も流行しました。黒の組織や灰原の秘密も絡めたストーリーで、コナンファンの間でも非常に人気があります。

 なお映画に登場するのは「ツインタワービル」であくまでも架空の建物ではありますが、モデルになったのはマレーシアにある「ペトロナスツインタワー」といわれています。このペトロナスツインタワービルは1998年に16億ドルで建設されており、当時の相場を平均して日本円に換算すると、およそ2080億円となります。そんなツインタワービルですが、黒の組織のジンの手により爆弾が仕掛けられ、A棟は無惨に破壊されてしまいました。全壊というわけではないですが、こんな物騒な事件があったとなっては、その後のイメージ含め被害はかなりのものでしょう。

第2位『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』北ノ沢ダム

 こちらは2011年の公開映画で、過去の事件と現在の事件を並行して解決していくシナリオが複雑で見ごたえのある作品です。少年探偵団が活躍するシナリオで、コナンと灰原のコンビネーションも注目を浴びました。また、犯人が幾重にも罪を重ねていくため同情の余地もなく、数あるコナン映画のなかでもトップクラスの凶悪犯だと話題になった作品です。

 舞台となったのは「北ノ沢ダム」。「北ノ沢ダム」は建設時に町が沈んでいる設定なのですが、犯人は昔盗んだ宝石がそのダムの底の街に眠っていることを知り、水を抜いて宝石を回収するために爆弾をしかけ、ダムは破壊されてしまいました。コナンが雪崩を起こして、決壊した水の向きを変えたため、麓の村の水没は何とか防ぎましたが、とんでもない被害には変わりません。こちらも架空のダムですが、モチーフとなったのは富山県にある「黒部ダム」です。建設費は513億。しかし、完成したのは1963(昭和38)年ですので、当時の513億円は今で言えばおよそ2124億円となります。



劇場版初、シンガポールが舞台の『紺青の拳』 (C)2019青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

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1位には初めてづくしの大ヒット作品がランクイン!

第1位『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』マリーナベイ・サンズ

 堂々の第1位に輝いたのは2019年に公開された23作品目、『紺青の拳(フィスト)』です。劇場版史上初の海外が舞台となった作品で、シンガポールにある「マリーナベイ・サンズ」での出来事が物語の主軸となります。コナンと人気キャラクターである怪盗キッド、さらに劇場版初登場となる京極真が三つ巴となりアクションシーンも満載。くわえて、新一と蘭が交際して初めての劇場版ということもあり、恋愛要素もふんだんに盛り込んだシナリオは好評で、興行収入も91.8億円と大ヒットしました。

 黒幕はシンガポールの街そのものを壊してしまおうと、タンカーを突っ込ませるつもりでした。さらに、ミサイルがマリーナベイ・サンズのホテルと屋上の繋ぎ目に命中し爆発。有名な船形の屋上も豪快に落ちてしまいます。このシーンはシンガポールでも大人気で、海外でも高い評価を受けたそうです。

 同作の舞台となったのは許可を取って描かれた、シンガポールに実在するホテル「マリーナベイ・サンズ」です。建設費は80億シンガポールドル、日本円に換算すれば、およそ5200億円となります。なお、ホテル下の街並みも相当破壊されていましたが、こちらはあくまでも爆破されたホテルだけの建設費。それでも、まさに桁違いの被害総額となるでしょう。