車内で子供が泣き出して焦る作者(あららぎ菜名さん提供)

【マンガ】ぜひ見習いたい柔軟な発想と広い心。思いやりに満ちた温かい世界 本編を読む

親が慌てふためいてしまう公共の乗り物での子供の号泣

 夫と子供と一緒に電車に乗った作者。車内で子供が声をあげて泣き出して「どうしよう」と困ってしまいます。そんなとき、反対側の席に座っていた見知らぬ親子が、こちらに向かってあるアクションを起こしてくれて……。

 あららぎ菜名さん(@Araragi_Nana_23)が、ご自身の体験をもとにした『感謝でいっぱい』をTwitterで公開しました。読者からは「子連れだと、こういうのって本当に救われますよね」「もっとこんな素敵な世界が広がりますように」などのコメントが寄せられ、投稿には6000件を超える「いいね」が集まっています。

 作者のあららぎ菜名さんに、お話を聞きました。

ーーあららぎ菜名さんの漫画家としてのデビューのきっかけを教えて下さい。

 大学の卒業制作でマンガを描きました。SNSでそれを発表したら「電子雑誌で連載しませんか」と出版社の編集さんから連絡をいただき、それがデビューになります。

ーー今回のエピソードをマンガに描いてTwitterで公開したのは、どのような思いからでしょうか?

 電車で子供が泣いててどうしようと思っているところに、向かいの席でお母さんと娘さんがうちの子供をあやしてくれました。それにすごく感謝したので、マンガにして感謝の気持ちを伝えたいと思いました。

ーー周囲の状況など、作中では描き切れなかったことがありましたらお願いいたします。

 よくSNSなどで「子供が泣くと席を移動されたり舌打ちをされたりする」と見かけていました。実際に、私も過去に何度か遭遇したことがありました。でも、子供をかわいいと言ってくれたり、ベビーカーをバスに乗せるときに手伝ってくれたり、あやしてくれる方も数人いてくれました。本当は全員分描きたかったです(笑)。

ーー作品に対する読者からの反応で、特に印象に残った声があれば教えて下さい。

「私も泣いている子がいたらあやします!」と言ってくれる方もいましたが、反対に「子供をあやしてあげたいけど、子供の両親に“余計なことするな”と思われそうで、なかなかできない」という声もポツポツありました。こればかりは人によるかもしれませんが、私のように「ありがたい」と思う人もたくさんいるはずです。



読者から注目を集めた創作マンガ『メンタル代行人』(あららぎ菜名さん提供)

ーー今回のマンガのほかに、ご自身がお気に入りの作品や、これまでに反響が大きかった作品があれば、ご紹介をお願いいたします。

 最近だと『メンタル代行人』というマンガにたくさんの反応をいただきました。「未来にあるかもしれない職業」というテーマで描きました。私は鬱の経験があるのですが、そのつらさを人に喋ってもなかなか伝わりませんでした。メンタルの共有ができれば早い話なのにな……と考えて描いた作品です。

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?

 私は描きたいものがたくさんあるので、日常・育児エッセイマンガも創作マンガもまんべんなく描いていくつもりです。誰かひとりでも、私のマンガを読んで「楽しい」「面白い」と思ってもらえたらうれしいです。