『炎神戦隊ゴーオンジャー』ほかシリーズ歴代主題を収録したアルバム『CDツイン 炎神戦隊ゴーオンジャー & スーパー戦隊主題歌CD』(Columbia Music Entertainment,inc.)

【画像】歴代「スーパー戦隊」放送時、何のJ-POPが流行っていた?(7枚)

CD時代でもかなり奮闘していた「スーパー戦隊シリーズ」の楽曲

 「スーパー戦隊シリーズ」の第46作目『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の主題歌「俺こそオンリーワン」がSNSで「中毒性がある」「踊れる」と話題を集めています。現時点で公式動画は320万回も再生されており、純粋に楽曲としての評価も高まっているようです。

 さて『ドンブラザーズ』が46作目ということは46もの主題歌がこれまでに世に送り出され子供らを昂らせてきたことになります。例えば初代『秘密戦隊ゴレンジャー』の主題歌「進め!ゴレンジャー」のレコードは大ヒット。「バンバラバンバンバン」で始まるED主題歌「秘密戦隊ゴレンジャー」は『ゴレンジャー』のみならず戦隊シリーズを象徴する楽曲として長く歌い継がれています。資料によって売上枚数は異なっていますが、少なくとも数十万枚は売れたとみてよいでしょう。
 
 時代は流れ、「少子化」で対象となる子供らの数も減り、また媒体もレコードからCDへ。そしてそのCD自体の売上も音楽業界全体で右肩下がり。果たして現在において、かつてのようにヒットを飛ばした主題歌はあるのでしょうか? この記事では平成から令和にかけて、特筆すべきセールスを記録した「スーパー戦隊シリーズ」の主題歌を紹介していきます。

2004年『特捜戦隊デカレンジャー』の主題歌が10万枚超の大ヒット!

 一青窈「ハナミズキ」、平井堅「瞳をとじて」などが大ヒットしたこの年、異例の大ヒットを記録したのが『特捜戦隊デカレンジャー』の主題歌です。疾走感あふれるこちらの主題歌はなんと10万枚以上の売上を記録。当時からCD売上不況はささやかれていただけに、大健闘です。

 反響ぶりを示すのはセールスだけではありません。2021年に「好きな戦隊シリーズの主題歌」に関するウェブ投票では堂々の1位を記録。2000年代を代表するヒーローソングとなったのです。

2005年 『魔法戦隊マジレンジャー』の主題歌は現在も記録保持!

 さて続く2005年はケツメイシ「さくら」、修二と彰「青春アミーゴ」などが大ヒット。この年に放送された『魔法戦隊マジレンジャー』の主題歌もまたやってくれています。

 すでに特撮ソングの作曲に携わっていた岩崎貴文が、同曲ではボーカリストも担当。ノリの良いメロディと、岩崎さんの爽やかなボーカルがなんとも心地よいこちらの楽曲は、前年の「特捜戦隊デカレンジャー」の主題歌の売上記録を塗り替えることになりました。

 また第20回「日本ゴールドディスク大賞」で岩崎さんはニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞。楽曲としてのクオリティの高さが評価されたものと言えます。現在においてもCD売上のセールスでは「スーパー戦隊シリーズ」のなかで最高位を維持し続けているのです。

初のトップ10入りの快挙!ランキング上位にくらいつく主題歌たち

 以降も「スーパー戦隊シリーズ」主題歌の注目度は高く、売上ランキングを賑わせます。例えば2006年の『轟轟戦隊ボウケンジャー』の主題歌は週間14位、翌2007年の『獣拳戦隊ゲキレンジャー』主題歌は週間16位と20位圏内にランクイン。

 そして2008年の『炎神戦隊ゴーオンジャー』の主題歌はオリコン週間シングルチャートで初登場4位にランクイン。シリーズ初となるトップ10入を果たしたのです。さらに翌2009年の『侍戦隊シンケンジャー』主題歌もまたデイリーではありますが、初登場4位を記録。「バンバラバンバンバン」だけでなくこんなにもたくさんの主題歌がヒットチャートを駆け抜けていったのです。

 CDの時代から配信へと移り替わった令和の現在においても、冒頭で紹介した『ドンブラザーズ』のように「スーパー戦隊シリーズ」の主題歌は作品とともに「名作」「名曲」として語り継がれ、また歌い継がれていくことでしょう。

 なお2021年放送『機界戦隊ゼンカイジャー』の第2話では「進め!ゴレンジャー」の作曲を手がけた特撮、アニメソング界のレジェンド渡辺宙明先生が挿入歌を作曲しました。さらに、その歌を担当したのはささきいさおさんと堀江美都子さんのおふたり。そう、「進め!ゴレンジャー」の伝説のコンビでした。「スーパー戦隊シリーズ」主題歌は「初代」の皆様に見守られながら進化していったのだと思うと、感慨もまたひとしおです。