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【画像】怖いけど懐かしい気持ちにもなれる国民的アニメの「トラウマ回」。栗まんじゅうを吹き飛ばすゲームも (5枚)

オチまで後味が悪い…『クレヨンしんちゃん』のトラウマ回

『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』『ちびまる子ちゃん』といえば、誰もが知っている国民的アニメ。基本的には子供が見ることを想定しているため、ほのぼのと笑える話やワクワクする話が多いのですが……たびたびホラー要素を含む回も放送されています。ときには「これは本当に子供向けか?」と思うほど刺激が強い回も。子供の頃に見て、トラウマを植えつけられている人も多いのではないでしょうか。この記事では、そんな「国民的アニメのトラウマ回」をそれぞれひとつずつご紹介します。

『ドラえもん』 「バイバイン」

『ドラえもん』の「トラウマひみつ道具」と名高いのが、「バイバイン」です。原作では17巻に収録されており、アニメで最初に登場したのは1979年。ドラえもんの声優が水田わさびさんに代わってからも、2008年、2017年に放送されました。

「バイバイン」は液状の薬で、これを垂らしたものが5分ごとに分裂し、倍々に増えていくというもの。のび太は栗まんじゅうに使用し、「分裂したうちの1個を残せばずっと食べられる」ことに気がつきます。しかし、散々食べまくって、ひとつ残したところで満腹に。そのままだとどんどん増えてしまうため、家族や友達にも食べてもらおうとしますが、それでも栗まんじゅうは残ってしまいます。

 のび太はよく考えず、これをゴミ箱に捨てるのですが……あっという間に庭が栗まんじゅうに飲み込まれかけるほど増殖。それもそのはず、計算上では、1時間で4096個、2時間で1670万7216個に到達、一日もすれば地球全体が栗まんじゅうで埋まってしまうのです。

 最終的には、ドラえもんがロケットですべての栗まんじゅうを宇宙へ飛ばし、ことなきを得るというオチがつけられています。しかし、「いまも増え続けてるんだよな……?」「そのうち宇宙全体が栗まんじゅうに飲み込まれるんじゃないか?」と不安に思った人も多いのではないでしょうか。ちなみに、2008年版では、「宇宙に全部送ったと思ったら、実は1個残っていた…」というオチになっており、さらにトラウマ度がアップしています。

『クレヨンしんちゃん』 「恐怖の幼稚園だゾ」

「呪いのフランス人形」「殴られウサギの逆襲」など、ホラー回がたびたび放送されている『クレヨンしんちゃん』ですが、なかでも印象的なのが、1997年8月8日に放送された「恐怖の幼稚園だゾ」です。

 この回は、風間くんが主人公。幼稚園のバスに乗ると、いつもは吉永先生がいるはずなのに、この日はなぜか松坂先生が乗っています。幼稚園には無事に着きますが、教室がひとつ多い、声が聞こえたはずの教室に誰もいない、といった数々の異変が起き……。

 さらには、ネネちゃんがトイレに吸い込まれる、天井から石化した先生・生徒たちが生えてきて落下する、など衝撃的な展開に。パニックにおちいるなか、松坂先生に頭をつかまれた風間くん。その顔は、恐ろしい形相に変化していました。

 ここで、風間くんが目を覚まし、いわゆる「夢オチ」だとわかるのですが……その手には石のかけらが。幼稚園に行こうとすると、バスには夢で見たのと同じく、松坂先生が乗っているのです。

 夢の内容の怖さもさることながら、オチまでかなりホラーで強烈。子供のころに見たら絶対に忘れられない、まさに「トラウマ回」と言えるでしょう。



まる子たちが謎の洋館を発見して探索する回が収録された『ちびまる子ちゃん全集1991 「まる子 まぼろしの洋館を見る」の巻』DVD(ポニーキャニオン)

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まる子たちが発見した洋館は本当にあった?

『ちびまる子ちゃん』「まる子 まぼろしの洋館を見る」

 基本的には、ほのぼのとした日常を描いている国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』。そんななか、一風変わった雰囲気で視聴者の心に残り続けているのが、第1期81話「まる子 まぼろしの洋館を見る」の巻です。
 
 その内容は、ある夏の日、まる子とたまちゃん、ブー太郎の3人が神社の裏を探検しに行き、古びた洋館を見つけるというもの。怖がりながらも足を踏み入れる3人。薄暗い洋館のなかを探検し続けると、古いコートが飾られているのを見つけ、怖くなって引き返します。まる子は家族やクラスメートに探検の話をして盛り上がり、再度その場所へ向かうものの、その場所にはなにもなかった……というオチです。

 この話は、さくらももこ先生の実体験だというのがポイント。モノローグとして、大人になったさくらももこさん視点で、「このほかにも、一度行ったのに二度と見つからなかったお花畑や田んぼが、いくつもあります」「私は、神様が子供だけに遊ばせてくれる場所があるのだと思えてなりません」と語っています。

 ホラー要素がありつつも、大人になってから見ると、「二度と戻れない子供の頃のあの感じ」を追体験できる、印象的な回です。