新ウルトラマンがヤケ酒でベロベロになる衝撃シーンが表紙に描かれた文春デジタル漫画館版『ウルトラ兄弟物語』1巻(文藝春秋)

【画像】戦闘中でも地下でも関係なし!マンガの強烈「飲酒」場面を振り返る (6枚)

ウルトラ戦士も酒とトラウマには弱い?

 日常のストレスを緩和してくれるお酒は、マンガの世界でもさまざまな形で描かれています。そのなかには、お酒好きな方でもちょっと引いてしまうかもしれない、強烈すぎる飲酒シーンもありました。

『トリコ』の酒乱島での饗宴

 まずお酒好きとしては普通に羨ましいのが、グルメバトルマンガ『トリコ』に登場した「酒乱島」のエピソードです。トリコと小松がモンチーの「恵方巻」の食材として必要な「王酢」を求めてやってきたのは、海の水まで酒になっている「酒豪諸島」。世界中ののんべぇに愛されるこの諸島の中心「酒乱島」に上陸したトリコたちは、ついつい「王酢」そっちのけで酒ざんまいになってしまいます。

 酔っぱらって突進してくる「酒乱牛」や、血がブランデーの「ブランデータイガー」が棲息、「ビールの滝」や「清酒の池」もあり、植物や昆虫まで酒に合うツマミになっているという夢のような島です。

 酔っぱらっても島に生えている「ウコンウンコ」を食べれば、リセットされるとのこと。そして最後はノッキングマスター次郎と一緒にエメラルドワインの風呂に入り、ゆったり語り合い、また酒に溺れるという平和な回でした。気をつけないと「一生酔い」になってしまうそうですが、半日くらいは滞在してみたい島です。

『ウルトラ兄弟物語』新ウルトラマンのヤケ酒

 かたおか徹治先生による『ウルトラ兄弟物語』は、「宇宙警備隊」が結成される前のウルトラマンたちを題材に「人間ドラマ」を描くコンセプトのマンガで、通常のシリーズでは見られないウルトラ兄弟たちの人間臭すぎる一面が描かれました。なかでも衝撃だったのが、第1話「決闘ウルトラ兄弟」の「酒に溺れる新ウルトラマン」です。

 ウルトラの国が滅亡寸前の危機のなか、ウルトラの父の命でM78星雲の各星に散らばった戦士たちを集めようとしていたゾフィーは、ウルトラマンとともに酒場でベロベロになっている新ウルトラマンを発見します。彼が酒びたりになった理由は、かつて戦闘中のミスで子供を死なせてしまったからでした。そして、新ウルトラマンはゾフィーたちの招集にも応じず、「ほっといてくれ!」「どうせ俺はだめなウルトラ族さ」と自暴自棄になって悪態をつきます。

 過去のトラウマで酒に溺れて、ヤケクソになるかつての戦士……いろんなフィクションで何度も見たことがある設定ですが、ウルトラ兄弟の姿でやられるとそれだけで強烈です。真っ赤な顔で口からよだれをたらし、「ウィ~ッ」と酩酊。この新ウルトラマンの醜態は、当時の子供たちの記憶に焼きついたようで、のちに「文春デジタル漫画館」から発売された電子版はこの場面が表紙となりました。ちなみにかたおか先生によると、この時彼が飲んでいたのは「蒸留酒」だそうです。



カイジが「犯罪的」なビールの魔力に負ける『賭博破戒録カイジ』1巻(講談社)

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ビール工場は大損害だけどちょっと羨ましい?

『範馬刃牙』ポート・エレンをジュースみたいに飲む勇次郎

「刃牙」シリーズの最強生物・範馬勇次郎は、第3部『範馬刃牙』で飲酒においてもその怪物ぶりを見せました。ピクルvs愚地克巳戦の後、愚地独歩に誘われてとあるバーに入った勇次郎は、グラスになみなみ注がれたカクテルを空中に投げだした後、一滴もこぼさずキャッチし飲み干すという離れ業を披露。そして、バーテンダーに「ポート・エレン10年物」を注文します。

 ポート・エレンは1983年に蒸留所が完全停止していることもあり、とてつもなく高価なスコッチ・ウイスキーです。勇次郎はそんな高級酒のボトルを逆さにすると、瓶の底を「ビキッ」と「取り外し」、グラスに全部注ぎます。そして、アルコール分70パーセントのスコッチを一気飲みしてしまいました。

 金銭的にはもちろん、ボトルの開け方も飲み方も常人には絶対真似できません。勇次郎はその後、まったく酔った様子もなく独歩と会話していましたが、ここまで強いと逆に「飲んでいて楽しいのか?」という疑問も湧いてきます。

『賭博破戒録カイジ』ビールの小缶で欲望が爆発してしまうカイジ

『賭博破戒録カイジ』で帝愛の地下送りになったカイジは、地下独自の通貨「ペリカ」を貯めて、「1日外出券」を手に入れようとします。しかし、地下労働者のE班班長・大槻が「無理は続かない……」と「キンキンに冷えた」ビールを置いていき、カイジはその誘惑に敗北。

 一気にビールを飲み干すと、カイジは「犯罪的だっ……!」「沁みこんできやがる……」と涙を流します。軍手に沁み込んだビールまで舐め取ろうとする様子も描かれ、お酒の、特に労働後のビールの魔力にゾッとさせられる場面です。そして、欲望が決壊したカイジは「豪遊」してしまいます。地下に落とされた絶望的状況だからこそ、カイジにとってはある意味最高の一杯だったと思いますが、真似したくはないですね。

『ゴールデンカムイ』サッポロビール工場での戦闘中のビール洪水

 人気マンガ『ゴールデンカムイ』は、シリアスな戦闘中に唐突なギャグが入ることも特徴です。なかでも強烈だったのが、サッポロビール工場での戦いの一幕。

 杉元たちと第七師団が夜の工場内で激しいバトルを繰り広げるなか、積み上げられたビールの樽の上から菊田が杉元を狙っているのを見た牛山は、怪力で樽を一気に押します。その結果、菊田は樽から落ち、圧迫された樽の蓋が決壊して……。

 取っ組み合っていた杉元と鯉登少尉はもろにビールの洪水を浴び、大ゴマで「んぐッんぐッ」と、どこか幸せそうな顔でビールを飲むシュールな姿が描かれました。杉元は「なんて…爽やかなノド越し」と感想を言っていましたが、その場にいた者たちはまともに立てないくらいベロベロになってしまいます。笑えるけれど、アルコールの危険性がよくわかる場面でした。この戦いで、作中の「サッポロビール」にどのくらい損害が出たのかも気になるところです。また、ここで鯉登たちが浴びた「ビールの匂い」が、のちの重要な伏線にもなっています。

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』禁酒させられる両さん

 連載第1話から勤務中に大量のビールを飲み、その他の話でもパトロール中や入院中に酒を飲んでいた『こち亀』の両さん。そんな彼は103巻の「両さん禁酒命令の巻」で、酔って署長を叩いたことが原因で大原部長から禁酒を命令されてしまいます。

 両さんがしぶしぶ禁酒を宣言すると、部長や麗子はさっそく新年会を開催。目の前でビールを飲んだり、ドンペリを開けようとしたりと嫌がらせをされ、両さんは苦しみます。しかし10日後、本田と歩いていた両さんはキャッチバーでぼったくられた男性を見つけ、「市民の安全のため」と称して潜入捜査でバーに向かうのでした。

 大義名分を得た両さんは、左近寺も呼んで店の酒を片っ端から飲みまくります。そして、「250万円」分を飲み干した後に、左近寺と大暴れして店員たちを逮捕しました。その後もパトロールとして、堂々と悪質店に酒を飲みに向かう両さん。最後の中川のセリフによると、「250万円」で「店の酒半分以上」だったようです。ちょっと怖くなるような酒量ですが、顔色も変わることなく、戦闘力もいつも通りだった両さんが凄すぎます。

 以上、マンガのクセの強い「飲酒シーン」を振り返りました。真似しようと思ってもできない飲み方ばかりですが、彼らを「反面教師」にして、お酒とは適度に楽しくつき合いましょう。