サシャが天然ボケを発揮する『進撃の巨人』第4巻(講談社)

【画像】『進撃の巨人』の笑える場面を振り返る(4枚)

シリアスな展開だからこそ際立つシュールな笑い

 驚きの伏線が張られた緻密なストーリーや迫力のアクションシーンが魅力の人気マンガ『進撃の巨人』。同作には、思わず笑ってしまうシュールな場面も存在しました。この記事では、そんなシュールギャグシーンを紹介します。

訓練中に芋を食べるサシャ

 入団したばかりのエレンたち第104期訓練兵団は、ひとりずつ自己紹介をしながら、シャーディス教官から強烈な指導を受けます。そんな張り詰めた空気のなか、サシャは堂々と蒸かし芋を頬張っていました。

 教官が戸惑いながら「何をしている」と問いかけると、サシャは真剣な表情で「芋を食べている」と答え、周囲を驚かせます。さらに教官が問いかけると、サシャは「しかたない人ですね」とでも言いたげな表情で、手ずから割った蒸かし芋の欠片を差し出しました。

 新兵訓練の場面では鉄板ネタの、教官による厳しすぎる指導。これだけでも面白い場面ですが、そこにサシャの天然ボケも加わって、最高のコントが繰り広げられました。全く空気を読まないサシャに戸惑い、声を荒げられない教官が少しかわいく思える場面です。

アルミンの女装に興奮した気持ち悪すぎる男

 王政打倒のため、エルヴィン団長の指示でヒストリアに変装し、囚われの身となったアルミン。見張り役の男は、アルミンの女装に気づかず、興奮してアルミンの体をなでまわします。

 その後、突入したミカサたちによって拘束された男は、自分が興奮していた相手が女装した男だったことを知ります。そして男は新たな性癖に目覚めたことを、アルミンに息荒く打ち明けました。

 見張り役の男のリアクションが、笑ってしまうほど気持ち悪い場面です。また、男から性癖を打ち明けられている際の、何も言えず表情を失ったアルミンもシュールで笑えます。



ザックレー総統の「芸術作品」が登場する『進撃の巨人』第16巻(講談社)

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ブラック・ユーモアあふれるザックレー総統の「芸術作品」

ザックレー総統の「芸術作品」

 腐敗した貴族たちが大嫌いで、革命を起こすために兵団組織のトップに上りつめたザックレー総統。調査兵団に協力して革命を成し遂げたザックレーは、積もり積もった貴族たちへの嫌悪を、とんでもない「芸術作品」として爆発させます。

 椅子に逆さまに拘束された、ほぼ全裸の小太りの中年貴族。彼のお尻には食事を摂取するための漏斗が設置され、股間からは排せつ物を口で受け止めるためのホースが伸びていました。これほど屈辱的な扱いを受けても、中年貴族は「今に見ていろよ」とザックレーを脅します。しかし、ザックレーは脅しを意にも介さず、逆に楽しそうに笑いながら、股間から伸びたホースを中年貴族の口に突っ込みました。

 さすがに人を選ぶ笑いですが、ザックレーの度を越した狂気と貴族の滑稽さに、笑った人は多いと思います。一度見たら忘れられないほど衝撃的な、作中トップレベルのシュールな場面でした。

エレンの思春期特有の行動

 アルミンを救うため上官に逆らったエレンは、ひとり懲罰房に入っていました。懲罰房のなかで、父親が巨人の力を受け継いだ記憶を見たエレンは、思わせぶりに手首を触りながら「進撃の巨人」とつぶやきます。そして、その様子を見ていたハンジから、「何をしているの?」と問われます。

 特に意味のない、思春期特有の行動を取っていたエレンは平静を装いますが、好奇心旺盛なハンジの追及は止まりません。リヴァイやアルミンが「そういう時期だから」と、エレンを庇いますが、なおも追及されたエレンは、「何しに来たんですか!?」と叫んでハンジから逃れました。

 父親の重く苦しい記憶を辿った直後に、唐突に現れたコメディに思わず笑ってしまう場面です。単なるコントに見えたこの場面は、その後の会議でエレンがとった突発的な行動を、ハンジが「そういう時期だから」と言って擁護する伏線として機能します。面白さと同時に構成の上手さも感じられる、素晴らしい流れでした。

『進撃の巨人』のコメディシーンはブラック・ユーモアも多く、人を選ぶかもしれません。しかし、一度ハマってしまうと、何度見直しても笑ってしまう魅力があります。また、動きや声優の演技が加わったアニメ版は、原作を知っていても十分に笑えます。未見の方は、ぜひアニメも確認してみてください。